ミレーヤ、魔王の娘に名前をつける
翌日、少女はすっかり元気になった。
相変わらず声は出ないみたいけど昨日よりも笑顔が増えて私にベッタリとくっついている。
「あらあら、1日にしてなつかれちゃったわね」
「おはようございます、ラスカプローネ様」
私がお辞儀すると少女も真似てお辞儀する。
「行儀が良いわね、あっ、コレ薬草茶ね」
ラスカプローネ様は薬草茶が入ったお茶を少女に渡した。
「毎日飲めば声も出せれるようになるから」
「ありがとうございます、ラスカプローネ様」
「今はストックがあるから良いけど無くなったら自分で採りに行きなさい、材料とレシピは渡しておくから、で話は変わるけどその子には名前を付けたの?」
名前……、そうかっ!
使い魔になった訳だから私が名前をつけないといけないのか。
「でもこの子、魔王の娘なんですよね? 元々名前があるのでは……」
「無いわよ」
「はい?」
「魔族って基本的に名前は小さい時には名前をつけないのよ、名前をつけるのは1人前として認められた時」
「そ、そうなんですか……」
「だからミレーヤが付けてもいいのよ」
そう言われると責任重大と言うか……。
少女は私の顔をジッと見てくる。
少女の顔を見ていると頭の中にある名前が浮かんできた。
「……スレーヌ」
「それがその子の名前?」
「はい、急に頭に浮かんだんです」
「なるほど、良いんじゃないかしら」
「貴女は今日からスレーヌよ、よろしくね」
私がそう言うと少女、スレーヌはニコッと笑った。




