ミレーヤ、修行を始める
「じゃあ早速修行を始めるわね、まずは『魔力の通し方』からね」
そう言ってラスカプローネ様は水晶玉を机の上に置いた。
「これに手を当てて魔力を注入してみなさい」
「魔力を注入?」
「そう、頭の中でイメージをするのよ、魔力を手に集めて水晶玉に流すのよ」
私は水晶玉に手を当て、そして目を閉じた。
(全身に流れる魔力を手に集中させて水晶玉に集める……)
私は目を開けた。
「え……?」
透明だった水晶玉は虹色に輝いていた。
「これがミレーヤの中に流れる魔力を具現化した物よ、いやぁ想像以上に凄いわね。 私も長年いろんな魔力を見てきたけどやっぱり魔女の素質あるわ」
「あの、よくわからないんですが凄い事なんですか?」
「普通はね、1つの魔力しか持たないのよ。 火とか水とか聞いた事あるでしょ? まぁ優秀でも2つぐらい持ってるんだけどミレーヤはいろんな魔力を持っている、だから魔女になる事が出来るのよ」
そうだったんだ……。
私は自分の手をマジマジと見つめた。
「これが一般的に知られたら大変な事になっていたわよ、貴族学院で入学時に魔力鑑定をするらしいけど前に保護して良かったわ〜、知られたら国に良いように使われていたわよ」
私、危ない所だったのね……、実感は無いけど。
その後、私はラスカプローネ様の住まいである森に移動し本格的な魔女修行が始まった。
修行期間は集中する為に森の外に出る事は出来ない。
そこで私は魔力を使いこなせる為に物を動かす念動術や透視術、更に水、火、土等の基本魔法を学んだ。
偶にラスカプローネ様は出かける事があり留守番をしたり城からの手紙の返信をしたりとか雑用もやっていた。
そこで私は王太子様の新たな婚約者が出来た事を知った。
新たな婚約者は王太子様自ら選んだらしい。
仲睦まじい、という記事を見て私の事は本意じゃなかったんだな、と知った。
私と会っている時はにこやかではあるけどぎこちない感じがしたからだ。
改めて私が王妃になる事は無いんだな、と思った。




