ミレーヤ、スカウトされる
「う、う〜ん……」
「あら、目が覚めたのね」
気がついたら私はベッドに横になっていました。
そして、見知らぬ女性がいました。
……もしかして誘拐された?
「そんな不安な目をしなくても大丈夫よ、此処は王都にある私の別宅だから」
「別宅?」
「そう、私の本来の家は王都から離れた森にあるから。 ずっと森の中にいるとボケちゃうから偶にこうして街に出て人間社会の観察をしてるのよ」
部屋の中を見るとあの占い師が着ていた服が置いてあった。
「もしかして、貴女は占い師の方ですか?」
「ご明答、やっぱり私の目に狂いは無かったわ、貴女、貴族令嬢にしておくには勿体無い人材よ」
「貴女は一体何者ですか?」
「私は『魔女』よ、ラスカプローネて聞いた事ないかしら?」
その名前に聞き覚えがあった。
「この国を建国した七英雄の1人と聞いた事がありますが……、え、貴女が大魔女ラスカプローネ様なんですか?」
「その通り♪ まぁ大魔女は大袈裟だけど。 気まぐれで助けたのがこの国の初代王でそれ以来偶に相談に乗ったりしてるだけよ」
私は思わずベッドから起き上がり正座した。
だって歴史上の人物が目の前にいるんだから仕方が無い。
「あぁ~、そんなかしこまらなくても良いわよ、そういうの苦手だから」
そう言って苦笑いするラスカプローネ様。
「それで貴女を此処に連れて来たのは理由は簡単、私の弟子にならない?」
「はい?」
いきなりそんな事言われてキョトンとした。
「ミレーヤ・グレイス、貴女には魔女の素質がある。 でも、そのせいで貴女は将来ろくでもない最期を迎える事になってしまう。 だったらいっその事、魔女として生きていく方が幸せだと思うんだけどどうかしら?」
私が魔女?
そう言われても実感が無い。
「あ、魔女になったから、と特に義務とかは無いから。 人の里で生きていくもよし森の中にこもるのも良し自由だから、但しさっきも言ったけど公爵令嬢とか王太子の婚約者という立場は失う事になるわ」
「そうなると私は一人で生きていく、という事ですか?」
「勿論弟子になる訳だから私の元で修行しながら一人で生きていく術を教えるわ」
私は少し悩んだ、でも結論は出た。
「弟子になります、私魔女として生きていく事にします」
「はい、契約成立ね。 公爵家からの除籍とか婚約の解消とかはこっちでやっておくから」
こうして私は公爵令嬢から魔女見習いとして生きていく事になった。




