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ミレーヤ、未来を視られる

 私ミレーヤ・グレイスはレンティス王国の公爵家に産まれた。


 物心ついた頃からライアン・レンティス王太子との婚約が決まり王太子妃教育が始まり今日も城から実家へ帰宅中だった。


 現在15歳、もう少しすれば貴族学院に入学する。


 ライアン様も同じく入学するので2人で学生生活を過ごし卒業すれば結婚し正式に王太子妃となり将来的には王妃となる。


 産まれたと同時に既に決められた人生に不満が無い事は無いけど諦めもある。


 ライアン様も良い方だし家族も私を応援してくれている。


 それでも心に何処かモヤモヤした物がありそれが何なのかわからない。


 そんな事を考えていると突然馬車が止まった。


「あら、何かあったの?」


「どうも馬が動かなくなったみたいです、代わりの馬車を用意致しますのでお待ちください」


 馬だって生き物だ、疲れる時もあるだろう。


 このまま馬車の中で待っていても暇なのでちょっと外に出てみる事にした。


 止まった所は平民街で活気がある。


 普段は窓からしか見えない景色に私の心はちょっと弾んでいた。


 せっかくだし買い物を、と思い私はお店を見て回った。


「そこのお嬢さん」


「はい?」


 突然、声をかけられ振り向くとそこには『占い』の立て看板を掲げた老婆がいた。


「私の事ですか?」


「そう、あなただよ、見た所良い所のお嬢さんみたいだけど、どうも『悪い気』が漂っているね」


「悪い気?」


「そう、私はね人が纏う気から未来がわかるのさ。 貴女、このままだと破滅するよ」


「え……」


 破滅、という言葉に絶句する。


「あの、破滅て具体的に言うとどういう事でしょうか?」


「そうだね……、人間関係が壊れて信じていた者から裏切られあらぬ罪を着せられた挙句命を落とす、という所かね」


「それは私だけの事でしょうか? 家族も似たような事になるのでしょうか?」


「言ったろ? 人間関係が壊れる、て。 つまりそういう事だよ」


 つまり占い師の話だと私はこのままだと悪い事が起こって破滅する、という事……。


「まぁ信じるか信じないかは貴女次第さ、所詮は占いだからね」


 確かに信じるか信じないかは私次第だ、だけど私は占い師の言葉が本当になるかもしれない、という思いがあった。


「あの、その悪い気は払う事が出来るのでしょうか?」


「おや、信じるのかい。 悪い気は貴女が原因ではなく周囲が生み出す物なのさ。 だから悪い気を払うには今の立場を捨てるしかないのさ、貴女にはその覚悟はあるかい?」


 今の立場を捨てる、という事は公爵令嬢、そして王太子の婚約者の座を捨てる、という事だ。


 私はゴクリと唾を飲んだ。


「……あります」


 静かに私は言った。


 占い師はニッコリと笑った。


「うん、貴女には運命を打ち破る素質があるみたいだね、気に入った。 今日から貴女の身柄は私が預からせてもらうよ」


 え、と思った瞬間、私は気を失った。 

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