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異世界では小さいねと可愛がられてます  作者: とりとり


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53/105

嫁を勝ち取るぞ

「改めて、ご挨拶を。私はマーク・エッセン。商会長をしており、ガルドの従兄弟にあたります。どうぞよろしくお願いします」


マークはひかりに丁寧に挨拶をしてくれた。

ひかりが挨拶をしようとしたら、ガルドがスッと手で制してきた。


「マーク、ここでの話は誓約書を書いてから聞いてもらいたい」

「…ほう?騎士団の問題かい?」


マークはなごやかな表情だが、探るような目で誓約書を出したガルドを見る。


「サインをしなければ話せない」


ガルドが首を横に振ると、マークはチラとひかりを見た。名乗りすらガルドに守られる彼女は、相当な人物ということか。ガルドにとっての大切な人とは、色んな意味が含まれているようだ。


「わかった」

マークはペンを取り、サラサラと署名した。

ガルドは誓約書を受け取ると、ひかりを一瞬見たのち話し始めた。


「彼女はひかり。遠い島国の出身で、王家から内々に保護を受けている」

「王家から?」


マークは、ひかりを見る。確かにこの辺りでは見ない髪色に顔立ちだ。王家から保護を受けるとは、王族の落とし胤か?


「生まれが少々特殊でな。ひかりがどこで育ったかも、この先、世間に出ることはない。彼女は、王家に取り込まれることを望んでいない。

国直属の騎士団で保護をし続けるのは、王族から本気でひかりを望まれた時に守るのが難しい。だから、砦に辺境伯後見の店を構えてそこに暮らすことにした」

「辺境伯が後見?」

「ああ、父上は了承している。後日、一族に通達が出るように書状を書く」


マークは驚きで言葉が出なかった。

ガルドは、一族総出でひかり嬢を守ると言っている。

それほどの人物なのか?それとも、彼女は次期辺境伯夫人として、既に当主に認められたのか?


「…わかった。商会は協力を惜しまない。ひかり嬢、何かあったら遠慮なく言って欲しい」


「あ、ありがとうございます」


ひかりはぺこりとお辞儀をした。


王家には入りたくないと言っているし、振る舞いからして平民として育ってるようだな。

マークはにこにことしながらも、ひかりに対してどう接するか思案していた。


このまま辺境伯夫人として嫁ぐのは難しいか?

ならばどこかに養子に入るのだろうか。


「マーク、詳しい話はまだだ。だが、考えはある」

「!……そうか。なるほど。そうだな!」


ガルドは、既にどうやって嫁にするか考えてる。

王族が望むほどの女性をガルドは手に入れようとしているんだ。そりゃ一族総出になる訳だ。


マークはニヤリと笑った。

王族にケンカ吹っかけるとは、やるじゃないか、ガルド。


マークも辺境伯一族の一人。

戦いは勝利する為に全力で挑む。


この日ひかりは、気付かぬうちに辺境伯一族からの守護を得た。


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