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異世界では小さいねと可愛がられてます  作者: とりとり


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32/104

子猫は人に戻ります

馬車は砦への道を走り出す。

車内では誰も口を開かず、3人は静かに座っていた。


「………あのな…ひかり」


「…はい」


「何でそんなに見てくるんだ?」


今日は、ずっとひかりと目が合わなかった。

今はひかりに凝視されていて、ガルドは困惑していた。


「疲れた心をイケメンで癒してるんです。気にしないでください」

「イケメン?」

「かっこいい男性って意味です」

「えっ」

「ねえねえ、ひかりちゃん。私は?」

「大変麗しいです。浄化されます。ありがとうございます」

「うふふ」


満足そうにリサリアは笑っている。

ガルドは、訳がわからなかった。


不意にひかりは、深々とお辞儀をしてきた。


「ーーーガルドさん、リサリアさん。この先、ご迷惑お掛けする事が多々あると思いますが、これからもどうぞよろしくお願いします」


決意のこもった挨拶に、2人はすぐに声が出なかった。


「っ、こちらこそよろしく頼む。ひかりはもう騎士団の一員なんだ。何かあったら、すぐ相談するんだぞ。一人で抱え込まないでくれ」


「そうよ!ずっと一緒にいましょうね!」


「〜〜〜〜〜っ!」


ひかりは、耐えきれずに両手で顔を押さえて俯いた。

とびきりの美青年と麗人が、優しくひかりに一緒にいようと話してくれる。

夢のようなひととき。どこにお金払えばいいですか?


「もーーー!何でそんなにかっこいいんですか。何なんですか、この世界に写真てあります?」


「しゃしん?」


「無いですよね〜。あぁ〜記憶に刻み込んでおきます。ありがとうございます」


いつどこでも瞬時に思い出せるように、脳に刻んでおこう。帰ったら紙に記録もしようと心に誓った。


「ひかりちゃん、なんか変わったわね?」

「すみません。これが素です。猫被ってました」

「あら、可愛い猫ちゃんだったわ」

「リサリアさんの包容力、半端ないですね」


顔を上げたひかりは、ふにゃりと笑う。


「長く暮らすなら…猫を被ってると苦しいので、もうやめます」


その言葉にガルドは心が切なくなりつつも、ふっと笑った。


「ああ、そのままのひかりがいい」


落ち着いた低いイケメンボイスで、切ない表情をする。長髪を一つに結んだ白い騎士服姿の美青年。

背景にはキラキラのエフェクトが見える。眩しくて召されそう。


「本当にそういうの良くないと思います」

「え?!」

「ガルド、油断も隙もないわね」

「なにが?!」


唸りながら再び手で顔を覆ったひかりに、リサリアはヨシヨシと頭を撫でていた。



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