最初の出会い
狼。
それはとてもきれいだった。
今の私より二回りほど大きく、その真っ白な毛には汚れ1つない。
日の下ではそれはまぶしいほどに輝いて見えた。
その美しさに一瞬見惚れてしまう。
いや、それよりも…
「…しゃべった?」
「ああ、驚かしてしまいましたか。
申し訳ありません。」
狼がしゃべってる…
いやまあ異世界だから…ね…何でもアリだな…
敵か?とも思ったがこちらを攻撃するような素振りもない。
ずっとそこから動かず、じっとこちらを見てる。
そんなに見つめられると、何か変なところでもあるのかな…と心配になってしまう
しばらくそうやってお互い動かなかった。
…
「…はあ、大変なことになりそうだ」
先に動いたのは狼の方だった。
しかしその声は私に向けてではなく、ひとりごとのようだった。
「お待たせしてしまいましたね。
私はクレナ。あなた様の案内を任せられております。
ようこそこちら側の世界へ、天深火焔様天深火焔。」
「!? どうして私の名前を…」
「気になることはたくさんあると思いますが、すべてをお話するのには少々お時間がかってしまいます。
このままここにいると日も落ちて冷えてしまいますので、少し移動しませんか?」
たしかにずっと外にいるわけにはいかない。
まだ何もわからない私に何か教えてくれるようだし、断る理由がない。
私はクレナと名乗った狼にうなずく。
「ありがとうございます。
ここから少し距離があるので、私の背にお乗りください。」
そう言い、クレナは私の隣まで来てしゃがむのだが…
「いいの…?きれいな体が汚れちゃいそう…」
あまりにクレナが白いので今まで地面に座って、しかも土足の私が乗るとなると流石に躊躇われる
「ふふっ。大丈夫ですよ。
乗るだけでは私の体は汚れません。」
「そう?なら…お願いします…」
小さな自分の体で頑張ってクレナの背まで登り、またぐ。
ちなみにクレナの毛はとてもふわふわだった。
動物大好きな私はクレナを見た時から実はちょっとさわってっみたいなと思っていたのだ。
このままこのふわふわをお布団にしてしまいたい…
「しっかりつかまっていてくださいね」
そう言ってクレナは森の奥へと走り出した。
テスト期間の現実逃避です…




