ここはどこ?
鳥のさえずり、水が流れる音、風が吹いて草木をゆすり動かす音…
「んん…まぶしい…」
目を開けると森の中にいた。
…うん、さっきよりかはまだ現実味がある場所だな。
どうやら地面の上に直接寝ていて、太陽のまぶしさで目が覚めたらしい。
よっこいせと体を起こしあたりを観察する。
ここは森の中でも少し開けたところのようだ。
しかしその奥は気が生い茂りここより暗く、入っるのには少し躊躇われる。
「もうちょっと説明して欲しかったな…」
少し落ち込むが起こってしまったことは仕方がない。
とりあえずあたりを歩いてみるか。
またよっこいせと立ち上がろうとするが…
「ん?」
違和感がある。
「縮んでる…?」
そう。体が小さくなっている。
腕も足も、ここ十数年で見ない長さをしている。
よく見たら服も違う。
暗い森に似合わない、真っ白のワンピースだ。
「服はまだともかく、縮むってどういうこと…?」
よくよく考えたら、あの天使と名乗った人(?)は[転生]と言っていた。
転生と転移の違いは何か、どこかのファンタジー小説で読んだことがある気がする。
たしか[転移]は体も心もそのまま別の世界に移動させること。
[転生]は心だけ別の世界に移動させてその世界の体にいれること…みたいな感じだったっけ…
もう一度自分の新しい体を見る。
死んではないが前の世界にいたころを前世と呼ぼう。
前世の自分は特別美人というわけでもなく、いたって普通の容姿だった。
少し長めの黒髪に黒目。インドア派で肌は白い方、身長は女子にしても低い方だったが、よくいる日本人の一人。
しかし今はどうだ。
身長はや大きさは比べるものがないからよく分からないが、それでも小さい小学生くらいになっているのが分かる。
肌はより白く透明に。髪もなぜかきれいな白髪…というより銀髪に。
目の色など顔は鏡がないから分からない。
…なぜこんなことになっているのか、深く考えないほうがよさそうだ。
どうせ答えはあの天使に聞かないとわからない。
今度こそ立ち上がる。
いつまでもここにいて考えているわけにはいかない。
あの暗い木々の中に入るのは気が引けるが、まあ仕方ないだろう。
水が流れる音が聞こえていたから近くに川か何かあるはずだ。
とりあえずそこを目指してみよう。
方向は分からないが近くを歩いていればそのうち見つかるだろうと足を踏み出した。
「お目覚めですか?」
その先には、1匹の狼がいた。




