エイプリルフール事件
フワフワな内容。
ご容赦下さい!
_4月1日。それは、嘘を付いても許される特別な日。
そんな日に俺、茶髪に焦げ茶色の瞳の神楽木煌は…
「付き合って下さい!」
俺に頭を下げる長い黒髪に茶色の瞳の美少女。
_ほよほよ高校新2年生のマドンナであり幼馴染の、碧井愛香ちゃんから告白されました。
❁
(え…!えぇ!?これ、夢!?愛香ちゃんへの片思い歴10年4ヶ月が見せた夢なのかな!!?
ちょっと頬を殴ってみよっと…いてぇぇ!!!加減間違えた…!
だが、激痛と言う対価を払ったお陰で分かったぞ!これは夢じゃない!現実だ!!
でも、今日かぁ。4月1日、エイプリルフールかぁ…!)
パッチリした茶色の瞳で頭を下げたまま、黙っている俺をチラリと見て来る。
えぇえぇ。めちゃカワですよ。はい。
「ちょっと待って。愛香。今日、どんな日か知ってる…?」
ちゃん呼びは心の中だけだ。
『キモ』とか言われたら、死んじゃうからね。心が。
「え…?…あ。あ、アァ、シラナイヨ」
しどろもどろだ。これ、今日がエイプリルフールだって知ってるだろ。
俺は、知ってるんだ。ウソ告の辛さを。忘れもしない。今日からぴったり2年前。
中学生の頃だ。あの日も今日と同じくエイプリルフールだった…
▽カラオケにて
「ねぇ!アタシと付き合ってよ!」
「ブホォッ…!ゲホッゲホ!な、何だって!?」
友達6人と着たカラオケでいきなりリーダーの女子に言われた。その時の俺は、今日がエイプリルフールだなんて知らなかったから…
(え!ど、どどどど、どうしよう!!?俺、愛香ちゃん一筋なんだけど!?でも、この大人数を前に断ると角が立つし、なによりこの子が傷付くよね…!)
告白をして来た女子はプライドが高い子だったので、皆の目の前で断ったら可哀想だと俺は思ったので、期末テスト学年最下位から数えて3番目の空っぽな頭でどうやったらこの子が傷つかないかとめっっっちゃ考えた。
ホントに、この時が中学生時代1番頭を使った。
そしたらね…
「プッ…!アハハハ!嘘に決まってんじゃん!馬鹿だなぁもう!」
バシンバシンと背中を叩かれ、周りの友達も大笑い。
涙が出ちゃってね。何か…ムカついたし安心したし悲しかったし。
それらが混ざってポロッと。
「「「え…」」」
周りがドン引きだ。
皆は『コイツ、マジの告白だと思ってたんだ…』って思ってたと思う。何か言葉が変だね。その辺は許して。
それで…
「キモ」
そのウソ告して来た女子が1言漏らしたって話。
傷付いたし、周りの友達とも変な関係になっちゃたし…
ウソコクダメ。ゼッタイ
▽現在
(ウソ告かぁ…。そうだろうけど、ウソ告だと信じたくないよぉ…)
ヤベッ。また涙が…
クズっと鼻を啜り、前を見る。
「はい!付き合いたいです!」
玉砕だ。うん。もうしょうが無いんだよ。笑われて、それで終わり…。笑われて、それで終わりなんだ…!
ポロリと涙が溢れた。
「え…?」
「嬉しい…!初恋って実らないって言うけど、実るんだ!
私、ずっと…ずぅぅぅぅっと、煌君の事が大好きだったの!!」
愛香ちゃんは泣きながら僕をぎゅぅっと強く抱き締められる。
「へ?りょ、両思いだったって事…?」
「うん!」
バッと離れて元気に頷く愛香ちゃん。
「ウソ告じゃないの…?」
「そんなんじゃない!」
ボロボロと涙が溢れる。
「俺も好きだ。愛香が…いや、愛香ちゃんの事がずぅぅぅぅっと好きなんだ」
今までにない最高の笑顔を浮かべた。
「でも、何であんなにしどろもどろになったの」
「今日がエイプリルフールだって知らなくて…。
『ウソ告かも!?って疑われちゃってる!』って焦っちゃって。2年前にウソ告されて傷付いた煌君のトラウマを抉っちゃたのも焦っちゃった原因の1つだよ」
「え?何で俺が2年前にウソ告されたって知ってるの?」
「ん?えへへ」
「えへへじゃない!」
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