悪巧み?【サイドC①】
夜の学校は不思議な感じがするよね?誰もいないはずなのに誰かがいるような。感じたことあるんじゃないかな?
ま、皆は見えてないだけで……僕には見えてるけどね、ふふ。
なんでこんな遅い時間に学校にいるか?それはね、僕のやろうとしていることに水を刺そうとしてるのがいるんだ。
少しお灸を添えなきゃと思ってね?
「あぁ、キツネ男はもういないんだ?残念」
「な、なんしにきたの??」
保健室にいたのはすずめ。垢嘗の女の子。妖怪の能力としては強い部類にいるわけではないけど、人に近いっていうのは中々厄介なんだよね。見た目だけではなく、ね。
「……バレたって思ってるね?今知った訳じゃないんだ、少し泳がせてみた。ちょっと来るの遅かったかな、失敗失敗」
すずめは僕を睨んでる。警戒してるっぽいね。
「……なにするつもり?」
普段から思ってたけど、少し頭が弱い子だね。
「わからないかな?君……いや、君たちのしてることが僕にとって邪魔になるんだ」
危険を感じたのか、すずめは隙を見て僕から逃げ出そうとする素振りを見せる。焦ってるのかな?今更、遅いんだけど。
「ごめんね、僕には、見えてるから」
僕はポケットにいれていた竹筒の封を解いた。
「ひっ……あっ!やだっ!」
「大丈夫、殺したりとかはしないよ?事が済むまで鬼門の向こうで大人しくしてもてもらうだけ……ね?」
すずめが窓に向かって走り出したその先に、使役している妖怪を呼び出して捕まえた。
「よお坊主、久しぶりに出してくれたな?」
「ふふ、ごめんね。君いつもお酒臭いからあんまりそばに出してるのは学生としてね?」
「けっ!」と舌打ちをして嫌そうな顔をしてるけど。すずめを見事に押さえ込んでくれる頼りになる鬼……僕の自慢の、鬼。
「ぷっは!おま、え!前から変な臭いさせてると思ってたけど……ほんま人間やの?!」
そういうところはやっぱり鋭いのかな?頭弱いは撤回してあげよう。でも、鬼門送りは変わらない。
「これから送られるんだから知る必要はないでしょ?じゃあよろしくね」
「鬼使いが荒い坊主だな相変わらず……ほらよっ!」
ひゅっとすずめを乱暴に投げる。
投げた先には蒼い炎を纏った暗く黒い穴が空いていて、見事にすずめを飲み込んで消えた。
「ばっちりだよ、ありがとう。どうする?しばらく遊ぶ?」
「そうだなぁ……飲みにでも行くかねぇ?」
「ふふ、いいよ。でも飲みすぎには注意だよ?酒天」
「わぁってるわ!まぁ、俺は?そんなすぐには潰れないけどな?がははは!」
とりあえず、秋緋と直接繋がりがある邪魔者は遠ざけたからひと安心だけど……あれを取られたのは少し痛手かな。
「じゃあな、壱弥。いい頃に帰るわ」
「うん、いってらっしゃい」
るんるん気分で酒天は出掛けていった。あの様子だとしばらく帰ってこないかなぁ。必要な時は戻せばいいけど。まぁ、僕も用が済んだし帰ろうかな。
あ、師匠にすずめがいなくなった事の言い訳、考えておかなきゃ、ね?




