2活力の源
あれから月日が経ち、僕はもう高校生になった。
誰でも行けるような高校だった。何も特別なところもなければ楽しいわけでもない。
「はあ、今日も学校か。なんでかわかんねえけどあの頃の中学校よりつまんねえんだよなあ。」
僕はそんなことを言いながらも、さっさとかばんを持ち学校に向かった。
キーンコーンカーンコーン四時限目が終わるチャイムが鳴った。
僕が弁当を食べようとしてると一人の男子生徒が話しかけてきた。
「おい、壮太なんかお前なんか高校入ってから変わったよな。授業もまじめに受けるし、宿題もまじめにやってくるし。なんかあったのか。」
「ああ、芝。」
僕と芝は高校も同じところにすることにした。特に理由はなかったが二人ともまず行ける高校が少なかったので自然と同じとこでいいかという結論になった。
「いや、まあ別に。なんか高校に入ってから今まであった活力の源がなくなった気がしてな。」
「なんじゃそりゃ。じゃあ中学ではあったお前の活力の源ってなんだよ。」
僕にもわからなかった、ただなんか大切な僕の体の一部がどっかに置いてったままにされた気がした。
「わかんない。」
「わかんねえのかよ、でも俺は活力の源になるものを見つけたぜ。ほらあそこにいる杉下さん。清楚で美人、英明で運動神経も抜群、それに性格も温厚でみんなにやさしい。まさに女性としての完成形じゃねえか。なんでこんな高校に来たのか疑問なくらいだ。」
「ああ、そうだな。」
「いや反応薄、お前どうした、今日熱でもあんじゃねえのか。」
僕も変だと感じた、普段僕はあんな美人を見たらもっと興奮するはずなのに。まったく何も感じなかった。