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第3話

月曜日、私は何事もなかったように登校した。

教室の端っこの自分の席に座り、小説を読んでいた時だった。

1時間目が始まるほんの数分前。教室の真ん中の方のから尋常ではない音が。

誰かが椅子から落ちた音。椅子が倒れる音。そしてその後に聞こえたのは「ヒューヒュー」という呼吸だった。

何事かと私は音のした方向に目を向ける。

倉本さんが教室のど真ん中で苦しそうに呼吸をしているのだった。

倉本さんの周りの席の人が慌てて様子をみる。

ちょうどその時、数学教員・中2女子寮生担当橘先生が入ってきた。

「あ、あ、倉本さん!」

寮ではあやちゃんってよんでるのに学校ではきちんと倉本さんって呼ぶのか〜

橘先生が指示をした。

「古沢くん!養護教諭の高岡先生にこのことを伝えて!

 櫻崎さん!寮館長(寮長とは別)の上野先生を呼んできて!」

彼女の両隣の席の人に指示を出した橘先生は倉本さんの容態を確認していた。

嫌な予感がした。

倉本さんはもう間に合わないんじゃないか。

高岡先生と上野先生が駆けつけてきた。

倉本さんはもっと苦しそうに呼吸をしていた。

「救急車、呼びましょう。」

高岡先生が胸ポケットからスマホを取り出すと電話をかけ始めた。

「もしもし。救急です。桜和学院中学校・高等学校まで来てください。よろしくお願いします。」

ああ。救急車は間に合うだろうか。

ああ。倉本さんが死んだら女子寮は大変なことになる。

救急車が来た時、まだ倉本さんは呼吸をしていた。

どうか助かってくれ。そう思うばかりだった。


倉本さんのその後は寮に帰ってから聞いた。

間に合わなかった。死因は呼吸不全。

これは殺人事件ではない。この女子寮は、中2女子寮生は、呪われている。

そうに違いない。

きっと次、誰かがまた死ぬ。

なんでそうなるのか。

21号室から泣き声がきこえた。青木さんが泣いてるのだ。

青木さんは優しい。それに比べて平然としている私は何者なんだろう。

いやそんなこと考えてる場合じゃない。

また女子寮生の誰かがこの世を去ってしまうかもしれない。

もしかしたら自分かもしれない。

きっと女子寮生全員そう思っているだろう。

橘先生も焦るだろう。

ああ

どうすればいいんだ

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