藤谷は甘え上手?
僕と同じ年齢で、僕と同じ男の足の匂いとは思えない・・・〖若い男の爽やかな汗の匂い〗とは、こうした匂いだったのか!?と。それは、同じ人間なのに〖彼は特別上質な細胞でその身体を形成してる〗のではと思えると言っても良かったのではないだろうか?
この時、僕は男子なのに、藤谷という同じクラスの男子の匂いに、惹き付けられたのだった・・・。
それは、生まれて初めての感覚だった・・・。
「どうしたの?急に固まって?」
その藤谷の言葉で、僕は我に返った。
その間、いったい何秒ぐらいだったのだろうか・・・?
藤谷に「どうしたの?」と聞かれても、僕は答える事が出来なかった。
それは、答えが分からないが半分で『答えられる訳が無い』が、半分以上だったからだ。
自分でも、それでは比率が合ってないのは分かってるけど、今の気持ちはモヤモヤしてて・・・。
そういう考えや思いの比率が流動的なのだからしょうがない・・・。
「あ・・・ごめん。ちょっと足首の腫れを確認してた・・・。」と、僕は膝に乗せたままの藤谷の足を観ながら嘘を言った。
「そうなの?」と、藤谷。
「う・・うん。」と、僕は辻褄合わせの返事をした。
「それで?どうなの?」と、藤谷。
「え?ああ・・・そんなに腫れたりは、してないみたいだ。」と、僕は辛うじての見解を示してみた。
「本当?」と、藤谷。
「うん。」
僕は本当は足の匂いにばかり気を取られてたのに、答えの整合性を取り続けた。
「それなら、ちょっと触って?」と、藤谷。
「え?」と、驚く僕に、藤谷は「だって。そんなに腫れてないって言うけど、少し痛いし。だから、どんな感じのかちゃんと調べてよ。」と要求してきた。
「そんな事、知識も無いのにしても良いのか・・・?」と言った僕だったけど、それは最初からだったとも思った。
「だって。これからシャワーに入るのに、どんな動きだと痛いのか分からないと、ちょっと怖いから・・・。」
(そう言う藤谷の気持ちも分からないでも無かったけど。)と、思った僕だったが、それよりも何よりも、彼の素足を色々と観察しながら触れるって事に気持ちが傾いた。
僕は「う~ん。分かった。」と、至って義務的に答えて、これで藤谷の要望に応えると言う言い訳を手に入れ、彼の素足を直に触れると思い、嬉しくなった・・・。
そして(男の素足に直に触れるのが嬉しくなったって何なんだって?)思った・・・。
それで「じゃあ・・・」と、僕が彼の足に手を掛けようとした時だった。
「なんか、楽しそうだね・・・。」
藤谷が僕の顔を見て、こちらの心を読み取ったらしく、いきなりそんな事を言うので、僕はその気持ちを隠すのに「どうしたら痛くなるのかなって思ってるだけ。」と、意地悪な返しをした。
そんな僕に藤谷は「意地悪・・・。」と言った。
一瞬、心が傷んだ僕だったけど、彼のその表情が、何故かちょっと楽しそうだったので、僕の心は、また動揺した・・・。
僕は「それじゃあ、色んな動かし方をしてみるよ。」と言って、得体の知れない高まる気持ちを抑えながら、膝の上に乗せてた藤谷の足首の少し上を右手で掴み、この手はこのまま固定する事にした。
そして左手では、そこにも包帯の巻かれてる土踏まず辺りを掴んで、少し動かしてみた。
藤谷は「親指で掴まれてる所が、押されると少し痛いかな・・・。」と言った。
僕は(ん?ここは、足首とはちょっと違う場所だけど?)と、思った。
「それなら、これは?」と言って、僕は左手を彼の踵の方へと滑らせてから掴み、彼の爪先を上げる方向へと、足首をゆっくりと曲げた。
「それは、全然なんともない・・・。」藤谷はそう言って、僕の顔を見た。
「ふ~ん・・・。それなら。」と言って、僕は足首を左右にゆっくりと振った。
藤谷は「ちょっと痛い・・・。」と言った。
(足首の捻挫なんだから、やっぱりこれは痛いのか・・・。)と僕は思った。
「そうか・・・。じゃあ・・・。」と言って、僕は親指と小指の付け根の外側を足の裏側からグッと掴んだ。そして、もう一度、足首を軸に爪先を上げる方向へと動かしてみた。
藤谷は「それは、痛くないかな・・・。」と言ったので(そうか。)と思った僕は、無言で、今度は下方向へとゆっくりと動かした。
藤谷は「う~ん・・・それは、ちょっと痛い。」と言った。
僕は「指はどう?」と、聞いた。
藤谷は「分からない。」と言うので「じゃあ、調べよう。」と僕は言いながら、彼の爪先の腹を手のひらで包む形で掴み、僕のそれぞれの指で藤谷のそれぞれの足の指を掴まえ固定した。
すると藤谷は「それは、ちょっと・・・くすぐったい・・・。」と言って、何か切ない様な表情をした。
それで僕は、急にドキドキしてきて、エアコンが効き始め涼しくなってっきたのに、手のひらが汗ばむのを感じた・・・。
それが藤谷に感じ取られる前にと思った僕は「ちょっとの間、我慢して。」と言って、握った彼の足指を上方向へと反らした。
「それは、ちょっと痛い・・・っ。」と藤谷が言ったので、力を入れ過ぎたかと、またも焦った僕は「ごめん。」と言って、一度、真っ直ぐに戻した。
それから今度はゆっくりと「こっちは?」と、足指を下方向へと曲げた。
藤谷は「う~ん・・・それは、あまり痛くないかな・・・。」と言った。
そうかと思った僕は、もう一度、彼の足指を真っ直ぐに戻した。
藤谷は「ふぅ。」と、溜め息をついた。
少し痛かったので、緊張してたらしい・・・。
ん?
いや。痛かったじゃなく、僕が痛くしてしまったのだろうか・・・?
僕は藤谷の爪先を掴んでた左手を離し、その自分の左手に残ってる筈の彼の足指の移り香を嗅ぎたかったのだけれど・・・。
そこは彼に見られてる手前、ぐっと我慢した・・・。
それで、せっかく藤谷の足が目前にあるのだからと思い、足首を掴んでる右手で、彼の足が見える角度を少し変えて見た。
足首は湿布や包帯が巻かれてるから状態が余り分からないが、それ以外も別段、特に腫れてる様には僕にも見えなかった。
しかし、それよりも気になってしまったのは、彼の爪先・・・と言うよりは『足の爪』だった。
保健室の時は遠目だったので、確信が持てなかったのだけれど、こうして間近で観察出来ると、ハッキリと見える。
そこには、やはり何かキラキラとした光が散りばめらていた・・・。
とてもキレイだけど、これはいったい、なぜなのだろう・・・?
しかし僕は、今は藤谷の足の怪我の状態を調べてたのだと思い直し「今の感じだと、左足を下に着けて体重を掛けるなら、踵寄りにした方が良いみたいだな。」と、言った。
藤谷は「そうだね。僕もそうだと思ってたけど、お掛けでハッキリ分かったよ。」と言って、少し不安そうな顔をした・・・。
そして「でも、やっぱりシャワーには入りたいから、さっきのビニール袋で、僕の左足を包んでよ。」と言った。
僕は「そうか・・・。分かった。」と言って、早速、作業に取り掛かった。
僕は最初にセロテープをテープカッターで5センチほどの長さに3枚切って、目の前のローテーブルの端に、テープの端だけをくっ着けた。
これは、後で仮止めに使う為だった。
次にビニール袋を手に取った僕は、藤谷に「足を少し持ち上げて。」と言って、彼が左脚を持ち上げてる間にビニール袋を足に被せた。
すると彼は、直ぐにまた僕の膝の上に足を下ろした。
僕は、ビニール袋の口を絞って、左手を使って足首の上あたりで押さえ、右手でローテーブルにくっ付けてたセロテープを取って仮止めした。
それから、彼の足がシャワーのお湯で濡れないように、テープカッターからセロテープを取り外して持って、それを彼の足とビニール袋の隙間を塞ぐ為に、ぐるぐると回して接着し、密封防水した。
「これで中にお湯は入らないとおもう。」と僕が藤谷に言うと「じゃあ。ちょっと、立ってみる。」と彼は言って、僕の膝の上から左足を下ろし、ソファーの上で寝そべってた体勢を直した。
そして、両足を床に置くと、ゆっくりと立ち上がった。
その体重は殆ど右足に載せられてるのが、見てる僕にも良く分かった。
「そんなんで、歩けるのか?」
「さっきは冷蔵庫まで行ったよ。」
「でも、今度はビニール袋を片足に履いてるから、ちょっと感覚が変るし、滑るんじゃないかな?」
「う~ん。それなら、お風呂場まで、肩をかしてよ?」
(まあ、そうなるか・・・。)と思った僕は。
「まぁ・・・べつに良いけど。」と、言った。
そんな会話の流れで僕は、またも藤谷に肩をかす事になったのだが「キッチンの冷蔵庫の近くに、折り畳み椅子があるから、先にそれをお風呂場の方に持って行って欲しいんだけど・・・。」と彼が言うので、僕は始めて入った藤谷家のキッチンを覗き、その椅子を探して取って来た。
それはクッションが殆ど無い、四角い座面の折り畳み式の椅子だった。
椅子を片手に持った僕は、藤谷に風呂場の場所を聞き「そこに、これを広げて置けば良いのか?」と聞いた。
藤谷は「そう。僕はそれに座って着替えるから、お願い。」と言った。
僕は始めて入った藤谷家の脱衣場を覗き、その空間で妥当だと思える場所に折り畳み式椅子を展開して置いた。
それはもう、何だか分からないけど「イエッサー!」って気分だった。
リビングに戻った僕が「それじゃ、行く?」と、藤谷に言うと、彼は「その前に、君も靴下を脱いで、ズボンの裾を膝まで捲ってよ。」と言ったので、僕は「んん?なんで?」と言った。
すると藤谷は驚くべき事を口にした。
それは「一人で立って居られない僕が、一人でシャワーに入れる訳がないでしょ?だから君。手伝って・・・よ。」だった。
しかも、その言葉のあと方は、ちょっと恥ずかしがってる感じがした・・・。
僕は自分でも驚く程の、すっとんきょうな声で「え?・・・一人で入れるから『入るって』言ったんじゃ無かったのか?」と、藤谷に聞いた。
すると藤谷は照れながら「家に戻る迄はそう思ってたけど・・・さっき冷蔵庫の方に行った時に、ダメっぽいなって思って・・・。」
何て事だ!?
僕は、不満よりも喜びが大きい自分の感情に驚いた・・・!
「しょ・・・しょうがないヤツだなぁ・・・。」
僕はそう言って、彼の様にいい匂いのしない靴下を脱ぎ始めた・・・。
靴下を脱ぎ、Yシャツの腕も捲って、学生服のズボンの裾も捲った僕は、ソファーから立ち上がると同時にトイレに行っておこうと思った。それは、藤谷のシャワーの介護が長くなりそうだと思ったからだった。
「ちょっと、先にトイレに行かせて欲しいんだけど?」
「それなら、玄関入ってすぐの所。」
「それじゃ。ちょっとかりる。」
「うん。待ってる。」
僕は、始めて入った藤谷家のトイレを探して、使わせてもらった。
所用は、幸い[おしっこ]だった。
そして、藤谷には内緒の、左手の彼の足の指の残り香を嗅ぐ事だった・・・。
僕はそれを、トイレに入り用を足す前に確かめた・・・。
藤谷の足の微かな汗の匂いが、まだ残ってたのが嬉しかった・・・。
綺麗なトイレだった。これなら来客にも喜ばれるだろうなどと、僕は勝手に思いながら用を済ませた。
リビングに戻って直ぐ「綺麗なトイレだな。」と藤谷に言うと「そう?ありがとう。」と藤谷は言った後に、「僕も、先に済ませておきたいんだけど・・・。」と言うので「ん?何を?」と、僕が聞くと「おしっこ。」と、藤谷は真顔で言った。
「え?あ・・・そっか。え~っと・・・それも僕に?」と聞くと「うん。」と答えるので、僕の方が少し恥ずかしくなってしまった。
僕も『それもそうか・・・下校から、それぐらいの時間は経ってた。僕がしておきたいように、藤谷もシャワーの前にしておきたいのだろう。確かにシャワーを浴びてる時に おしっこ をしたくなったら・・・。』「足を怪我してるし、シャワー中に おしっこ がしたくなったら・・・、そのまま浴室ですれば良いんじゃないのか?」と、 言った・・・いや、言ってしまった。
キョトンとした藤谷は「君は、そんな事をした事あるの?」と、僕に聞いた。
僕は「う~ん・・・実はたまにする。」と、少し恥ずかしかったが言った。
それは、ちょっとした告白だったかも知れない。
藤谷は「ふ~ん・・・そっか。」と、ちょっと顔を赤らめ、うつ向いた。
その様子を見た僕は(お前もあるのか?)と、思ったが、敢えて聞くのは止めた。
それでソファーから立ち上がらせた藤谷を僕は支えて、トイレへと連れて行った。
そして便座に座らせる迄を手伝って、トイレから出るとリビングで待った。
すると割りと直ぐに藤谷が「終わった。」と言うので。僕はまた、トイレの便座にズボンを履いて座ってる彼を立ち上がらせて、二人揃って、そのまま脱衣場へと向かった。
藤谷を折り畳み式の椅子に座らせると、僕はバスタオルや着替えはあるのだろうかと気になって、藤谷に聞いた。
「僕の着替えとタオルとかは、そこの棚のカゴに入ってるから、カゴごと下ろして欲しい。」と言うので、僕はそれを取って、彼の座ってる椅子の近くに置いてあげた。
「それじゃ、僕はリビングで待ってるから、脱ぎ終わったら呼んでくれ。」と、言うと、藤谷は「こんなんで、僕が一人でシャワーを浴びる準備ができると思ってるの?」と、驚くべき事を口にした!?
「え?なに言って・・・。」
「手伝ってよ。」
「なに言って・・・」
「無理なの分かるでしょ?」
「無理ではないと思うけど・・・?」
「でも、時間が掛かるから、やっぱり手伝ってよ。男どうしなんだから、何も心配しなくて良いよ。」
「男どうしだから、余計に変なような・・・。」
「それは君の気にし過ぎ・・・。」
「いや・・・そうか?」
「そうだよ。」
「いや、待て。やっぱりお前も羞恥心をもう少し持ったほうが良いと思う。」
「例えば?」
「例えばって・・・。」どんな例えがあるんだ?って、僕は思った。
それで仕方無く?「分かった。じゃあ。大事な所は隠せよ?」と僕は言った。
そんな僕に藤谷は「気にし過ぎ。」と言うと、早速、上着を脱ぎ始めた。
そして、脱いだ上着を僕に手渡すと「そこのハンガーに掛けて。」と言った。
僕は、藤谷の視線の先を追って見付けた棚の横に掛けられたハンガーを手に取って、彼に背を向けた格好で制服を掛けて吊るした。
振り返ると彼は、続けてワイシャツを脱いで軽く丸めて、洗濯カゴに投げ込んだ。
藤谷はワイシャツの下には白いTシャツを着いてた。
彼は少しぽっちゃりとしてたのだが、不思議とお腹周りは、そんなに太くも無かった。
(腹筋だけ頑張ってるんだろうか・・・?)と、僕は思った。
すると藤谷は、テキパキとズボンのベルトを緩め、僕に一方的に見られてる自覚が無いのか、あっという間にズボンのを膝まで下げた。
彼は緑っぽいチェック柄のトランクスを履いていた。
(なんか早くないか?)
僕がそんな事を思ってる間に、彼は左の太ももを上げて、そちら側の脚を、足に被せられたビニール袋に気を遣いながら引き抜き、続けて右足も引き抜いた。
「はい。これも掛けて。」
僕は彼のズボンも受け取って、別のハンガーに掛けて、上着の隣に吊るした。
そして振り返ると、藤谷はTシャツを脱ごうとして、丁度バンザイの格好になっていた。
そこには彼の、もっちりとした胸にある薄赤色のアレが・・・彼の動きに合わせて小さく揺れていた・・・。
両腕が上げられてるので脇も見えたが、体毛が薄いのか、ワキの肌の方がよく見えた。
そんな藤谷の姿に釘付けになってる僕に気付いてないのか、Tシャツを脱いで上半身裸になった彼は僕の方を見る事もなく、脱いだTシャツを軽く丸めて洗濯カゴに投げ込んだ。
そして、流れる様な動きで、トランクスに手を掛けたので、僕は思わず焦った!!
「せ・・・せめて、腰にタオルぐらい巻けば良いんじゃないか?」
そこで動きを止めた藤谷は「う~ん・・・まあ、それもそっか。君が恥ずかしいならそうしてよ。」と、言った。
僕はこの時(恥ずかしがるのは、本来は藤谷の方じゃないのか?)と、なぜに立場が逆転してるのかと思った。
しかし、この時の僕は、藤谷に言い繰るめられた・・・いや、言い繰るめられた方が良いような気がして来たのだった。
「しょうがない・・・じゃあ。」と、僕が藤谷の着替えが入ったカゴを調べると、緑色のバスタオルと白いフェイスタオルが1枚づつが、重ねられて入ってた。
(バスタオルが1枚足りないぞ?)と、思った僕は、そのさらに下を調べて見たが、そこには、彼の着替えと思われる水色のTシャツと、赤い短パン、それに青っぽいチェック柄のボクサーブリーフが入れられてるだけだった。
僕は(今履いてるのはトランクスなのに、着替えはボクサーブリーフなのか。)と思ったが、問題はそこでは無かった。
「バスタオルが1枚しか無いから、1枚足りないのでは?」
「フェイスタオルが2枚欲しいんでしょ?バスタオルは1枚で拭き取れるよ。」
「シャワーに入るのに、バスタオルで身体を隠すのでは?」
「そんなおっきなのをべちゃべちゃに濡らしたら、母さんに怒られちゃうよ。腰を隠すだけなんだから、フェイスタオルで十分だよ。」
「そ・・・そうか・・・。」僕はそう答えたが(フェイスタオル1枚で下半身を隠すのは、布面積が小さいのでは?)と、思った。
「じゃ・・・じゃあ。後のフェイスタオル1枚は、なんに使うの?」
「そんなの決まってるでしょ?君が僕の身体を洗う為。」
ああ、そうかって・・・ええ!?
「僕が男の・・・藤谷の身体を洗うって!?」
「分かって来て手伝ってくれてると思ったけど?」
「いやいや。せいぜい、身体にシャワーを掛けてやるぐらいかと思ってたけど?」
「大体は洗えるけど、背中とか出来ない部分を洗って欲しい。」
「ああ・・・そう言う事か・・・。」って、どういう事?
「良かったら、さっき棚から下ろしたカゴの、隣のカゴからフェイスタオルを1枚出して、君は、それを使って。」
藤谷は、そう言って笑顔になると、足下のカゴから、腰に巻く為の白いフェイスタオルを取ったのだった。
つづく
つづく!