表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の足指 僕 色ぬって・・・。  作者: 天ノ風カイト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/27

自分に合った条件を揃える藤谷と誘惑の色

それから藤谷と僕は、毎日の様に一緒に勉強をする事になってしまった・・・。


 足を捻挫した藤谷を彼の家まで送った僕は、その後に紆余曲折とゴニョゴニョとオヤツがあって、今は藤谷家の2階にある、エアコンの効いた彼の部屋に置かれたローテーブルに向かい合って、勉強会をしていた。

50分ほど前までローテーブルに置かれてた何個かのオヤツと、コーラのペットボトルは、フローリングの上へと退()けられ、2つの空のコップだけがローテーブルに残されていた・・・。


 藤谷と僕は、ローテーブルで差し向かいになって数学の問題のプリントを解いていた。

さっき藤谷は、残り10分と、言った。

ここまで、全部で18問ある問題の内、僕が解き方を覚えてて、解いたと思えたのは12問だった。

そして、解いたと思える12問の内の2問の解答には、あまり自信が無い・・・。

詰まり、18問の内、僕が理解してると思えるのは10問だった・・・。

しかし、まだ数分の時間が残されている・・・。

だから僕は無い知恵・・・て言うか、『無い知識を絞り出し』て、答えを出そうとしていた・・・。


 「止め。」

藤谷の声に、僕は鉛筆を置いた。

既に解ける問題は解き終わっていて、後は全く解らない問題と睨み合ってただけの僕は、鉛筆を握り続ける事に何の未練も無かったからだった。

対して藤谷も、僕に「残り10分。」と言った後は、そんなに鉛筆を動かしては無かった。

テストを受ける者が、正面で向かい合って問題を解くなんて事は、互いの(あいだ)衝立(ついたて)でも無いと、現実には遠いシュチュエーシだろうと思う。

僕の正面では藤谷が問題を解いてるのが見える訳だし、となればカンニングもできる・・・まあ、文字や数字が逆さまに見えるけど、それぐらいは(頭の中で回転させれば良いんじゃないか?)と、僕は自分の頭の回転を上げる事よりも、藤谷の解答を回転させる事を考えて居た。

だから、これが正式のテストのつもりでやってって言う藤谷にしては、これはどうなのか?と、僕は今更に思って居た。

するとプリントを見て下を向いてた藤谷が顔を上げて「カンニングして、それで問題の意味が理解できるなら、お好きにどうぞ。」と、僕の様子を、どう観察してたのか、そう言った。 

彼の観察眼に驚いた僕は、それに対して「ありがとう。」と言うだけの図々しさを持ち合わせて無かったのは、後で思えば幸いだった。

それはこの時、そんな事を言ったなら、きっと藤谷は笑っただろうと思うけど・・・僕の心には、とても嫌な傷が残っただろうと思ったからだった・・・。


 二人だけのテストが終了した後。僕は藤谷と答え合わせをした。

本当の答え合わせは、学校の教師がする訳で、本当の答えも教師【又は教師同等か、それ以上に頭が良い人】でなければ解らない問題もある筈だった。

それでも「これをやる意味はとても大きいから。」と藤谷は言った。

それに、藤谷はこうしたプリントの問題の点数は、95点以上が殆どで、出されたプリントで満点を取る確率は80%ぐらいだと言うのだから驚いた・・・。

学習塾にも行かない奴で、そんな成績が取れるのは、珍しいだろう・・・きっと。


この日、藤谷が言う「お勉強会」を62点で終えた僕が、藤谷家の玄関を出たのは、まだ明るい午後の5時半過ぎだった。


 帰り道。

僕は、藤谷との今日の奇妙な出会いを思い返していた・・・。

そして、僕が藤谷にして上げた事は、たった今日一日の苦労でしか無いのに、彼は、これから何度も僕を助けてくれるのだろうか?・・・と、思った。

学校での成績が良い彼にとって、僕に勉強を教える事は重荷でしか無いのに、どうして彼は、僕にあんな提案を迫ったのだろうと・・・。

その答えは、今は分からなかった。

でも、これから先。藤谷が本当に『そんな面倒な事』をどこまで続けてくれるのかで、答えが出るのだろうと僕は思う事にした。

それは、藤谷の善意が余りにも大きいと思えたので、それが無くなってしまった時のための予防線だったと思う・・・。



 それから約1ヶ月の間、平日の放課後は殆ど毎日だった。

それは、学校から持ち帰った問題が書かれたプリントとか、その他の宿題や課題を、僕が藤谷と一緒にするようになった日々だ・・・。

放課後のホームルームが終わって、僕がカバンを肩に掛けようとする度に、藤谷は毎日、「僕んちで一緒に、お勉強しようよ・・・。」って誘って来るので、その度に僕は(あの日、彼は「週に2日ぐらい。」とか言ってなかったっけ?)って思い「え?今日も?」と答える事が、週に3回ほどあるようになって居た・・・。


 藤谷に招待され彼の家に上がった僕らは、先ずは2階に在る彼の部屋に入り、荷物おを置く。

それから藤谷は僕にオヤツを出すと、直ぐにシャワーを浴びに1階に行ってしまう。

そして僕は毎回、藤谷家の2階のエアコンの効いた彼の部屋で、ローテーブルに置かれたオヤツをのんびり食べながら、一人で待たされた・・・。

それから暫く待つと、シャワーを浴びてリラックスした藤谷が階段を上って部屋に入って来る。

と、同時に。湯上がりの、いい匂いが部屋中に広がる。

僕はいつも放課後の汗臭い・・・多分、少しだけ・・・の、ままだったので、そうした良い匂いを敏感に感じていた。

だから内心(藤谷だけがサッパリとしてリラックスできるのは不公平じゃないのかな・・・。)と、思ったりもしたが、しょうがない事なので諦めていた。

だだ、少し汗臭い僕とは逆の感覚で、シャワーを浴びた後とかは臭いに敏感にるから、放課後の僕の体臭は、藤谷にはどう感じられてるのか気になってしまう事も度々あった。

そしてそれは、体育があった今日みたいな日は尚更だった・・・。

シャワー後の彼の服装は、夏だから(だと思う)、いつも真夏らしい軽装だった。

そんな今日は、少し()れた下着用の白い丸首のTシャツと、横にスリットの入った、淡い水色の短パン。

そして、足はいつも素足だった・・・。

ここに来るようになってから数日が経った時に、僕は藤谷に「ずいぶん使い込んだシャツと短パンが多いんだね・・・。」と言った事があった。

すると彼は「これ?・・・ああ。僕はヨレヨレになったのを着るのが好きなんだ。何か・・・自分がそれだけ使い込んだ証って感じがして・・・変かな?」と、言った。

僕は「いや・・・。別に変では無いし、ここは藤谷の家なんだから、良いんじゃないか・・・。」と、こちらから批判ぎみに聞いたのに、最後は僕が彼の服装を肯定する事になったのを憶えている。

その藤谷のいつもの服装は、軽装って言うか、部屋着なのだろうと、僕は思っていたのだけれど、彼はその服装で夜も寝るのか?とか。

冬はどうするのか?とか、少し気になっていた。

藤谷がローテーブルを挟んで僕と差し向かいの座布団に座ると、彼の湯上がりのいい匂いは、彼の体から立ち(のぼ)る柑橘類のような体の匂いと混ざり、僕を癒してくれた・・・。

つまり僕は『藤谷の足の匂い』を知ってから『彼の匂い全般』が好きになってるんだと思う・・・。

それは自分でも変だと思ったりしたが・・・誰にも内緒であれば、問題ないと思う事にしていた。

ただ・・・藤谷が僕の前に座ると、僕はそれとなく深呼吸をしてしまうので(きっと、藤谷にはバレてるんだろうな・・・。)と、思ってはいた。

いつも藤谷と僕は、一緒にオヤツをちょっと食べながら、学校での他愛ない出来事とかを話した。

それまで、家に戻ってからは、友達以外の他人とオンライン・ゲームをする事が多かった僕にとって。藤谷と学校の事を話すのは、それまで無かった『青春らしい青春』って感じの日々を、再認識させて貰えてる気がしていた。

ただ、僕は藤谷との、こうした日々が終わったら、きっと元の生活パターンに戻ってしまうんだろうなぁ・・・とも、思っていた・・・。

30分程度の藤谷との雑談が終わると、僕らはローテーブルのオヤツを退()け、テーブルの盤面(うえ)をウエットティッシュで拭いて綺麗にし、それと入れ換えに筆箱や、教科書、宿題のプリントを渡されてたらそれを出して、彼と一緒に勉強を始めた。


こうした事は、このところの『僕と藤谷の平日の日々のローテーション』と、成っていた。



 そして、話を戻すと。

今日の僕と藤谷は、科学の勉強をして居た。

付き合わされて見ると、藤谷は学習とテストの達人だった。

約1ヶ月も彼の間近で一緒に勉強をすると(道理で藤谷は主要5教科の成績が良い訳だ・・・。)と、思った。

頭が良いって、単に記憶力が良いとかってものでも無いんだなって、思い知らされた。

藤谷は【記憶力が良い×要領が良い】なのだ。

【要領が良い】は【応用が利く】にも繋がってるらしく、応用問題の理解も早くて正確だった。

僕の勉強の仕方は、藤谷のそれと比べたら、ただ【愚直】だった。

それは、以前から好きで読んでた、好きな漫画のキャラクターが言われてた『褒め言葉』だったのだけど・・・僕のこれまでの勉強の仕方として表現した場合の意味は、良い意味では無かった・・・。

文字通り【愚】で真っ【直】ぐに、勉強をしてただけで『勉強の仕方』について、あまり考えて来なかったんだなって思ったのだった。

だから僕は、藤谷から学べる事は、勉強だけでは無かった。

藤谷は、僕が初めて藤谷家に来た日から『放課後からの、自分が自由に使える時間の使い方』を、大切にして居た。

だからこその、帰宅後のシャワーであり、リラックスできる服装であり、その後のオヤツであると、分かった。

藤谷にとってのオヤツは『今日も学校で頑張った自分へのご褒美』では無い。

勉強前のリラックスの延長と、適度な糖分と塩分の補給でもあると分かった。

だから、オヤツを沢山用意してても、以外にも彼は、少ししか食べないのだ。

藤谷は『自分が勉強をする気が起きるように、自分を仕向ける方法を知っている』のだ・・・。

それと比べたら、僕の勉強を始める時間はまちまちだったし、やり始めると集中は出来るものの、問題を解く制限時間を『自分で決める』とかして無かった・・・。

更に、効率を上げる為の休憩をどう入れるとかは、全く考えて無かった・・・。

プリント等のテスト形式で無い問題の場合は、考えても分からない事は、直ぐにタブレットPC等で答えを調べてから、問題を逆算し『どうしてその答えになるのかを考える』とか。

暗記ものは、兎に角、その『暗記したい事を夢に見る程に繰り返して覚える』とか・・・。

今となっては。僕は藤谷から、そんな『学習の極意』を間近で教えてもらい、見習う事ができてる事に、段々と感謝の気持ちが湧いて来ていた・・・。



 「この辺で休憩にしようよ。」

僕にそう言った藤谷は、「ふぅ~。」っと、一呼吸して、背中にあるベッドの縁に背中をもたれ掛けた。

これも良く見る光景になってたけど、彼の方にだけ背もたれがあるのは、少し不公平に思える事もあった。

僕が背もたれを使うには、後ろの壁まで下がらないと成らないからだ・・・。

しかし(ここは彼の部屋で・・・僕は客人では無くて・・・。)って思ったところで(僕は藤谷にとっての何だろう?)って、考えた。

そして(まあ、普通に考えればクラスメイトであり、友人って事なんだけど・・・。)って考えたところで(まさか『不肖の弟子』なんじゃ・・・。)って思った・・・。

「確かに、そうだな・・・。」僕は溜め息交じりの小声でそう言って、ちょっと気力を削がれるのを感じた・・・。

「君も、たまにはこっちに来なよ。」藤谷はそう言って、自分の右側の床を軽くポンっと叩いた。

僕は(君のペットじゃ無いんだから・・・。)と、思ったけど「べつに、そっちに行かなくても、僕も後ろに下がれば、壁がある。」と、ちょっと不機嫌に言った。

すると藤谷は「そう。じゃあ、僕はちょっとベッドに横になろうかな。」と言って、一度立ち上がると、ベッドに腰掛けてから、ゴロンっとベッドの上に仰向けに寝転がり、目を閉じた・・・。

藤谷は、普段は寝転がったりしないのだけど、僕は(今日は体育の授業もあったし、疲れてるのかも。)と、思い、僕も少し休もうと、座布団を後ろにずらし、壁に、もたれ掛かった・・・。

そうして一休みしながら改めて見る藤谷の服装は、とても涼しげだった。

生地の薄いTシャツは、彼の身体のラインを浮き上がらせていた・・・。

仰向けの藤谷の横顔は、丸みがあり整っていて、顎から首へのカーブも綺麗で、とても女性的に見えた・・・。

縒れた白いTシャツの伸びた襟首からは、丸みのある肩にある鎖骨の窪みが見え、首から胸の膨らみかけた所までも見えていた・・・。

そして、シャワーの時以来(あれっきり)見てない彼の身体のラインは、重力で貼り付いたTシャツを通して見えた。

少し膨らんで見える胸から、引き締まってるって訳でも無いけど、意外と膨らんでもいない腹・・・。

呼吸で上下する胸の所には、あのポッチが2つ、プクッと浮き上がっていた・・・。

更に、これも意外と縒れてる淡い水色の短パンは、藤谷が横たわる時にズレタのか、太股のスリットが大きく上に(めく)れ、その下に履いてる白に緑の縞柄のボクサーブリーフらきし物まで見えてしまっていた・・・。

ブリーフに包まれてる彼のアレの膨らみは、短パンの前をこんもりと膨らませている・・・。

僕はそんな無防備な彼を見て、半分は得体の知れない興奮を覚え、もう半分は(僕も随分と信用されてるもんだな・・・。)とか、思った。

確かにこれは、女の子の部屋に遊びに来てる時の光景なら、そうだったのだろうけど・・・(まあ・・・男同士だからな。)と、僕は思って冷静さを取り戻し、一人で苦笑いした・・・。

それでもまだ僕の視線は彼から離れる事はなかったので、視線は自然と、ムッチリとした太股から膝、モッチリとしたふくらはぎ、へと進み、最後に足へと行った。

そして爪先を見た時。

僕が、あれ以来忘れかけていた光景が、そこにあった。

藤谷の足指の爪がキラキラとした光を反射してるのだ・・・。

しかもそれは、僕が初めて見た時よりもずっとハッキリとしていた。

だから僕は、あの時に感じた違和感は、間違いじゃ無かったと分かった。

(藤谷って・・・足の爪に何か塗っているのか・・・?)

僕はそう思ったが、男が足の爪に色を(つけ)る訳が無いと思ったので、それは爪の保護の為の、何かなのだろうか?とも、思った。

しかし、藤谷は何か特別なスポーツとかしてる訳も無いので、では何の為の保護なのか・・・。

(案外、爪水虫とかってヤツで・・・それで薬を・・・?)

しかし僕は爪水虫の薬を塗った事は無いので、やっぱり良く分からなかった。

(まあ・・・いいか。)って思った時・・・。す~・・・す~・・・っと、寝息が聞こえた。

藤谷は、僕が一緒の部屋に居るにも関わらず、寝てしまったらしい・・・。

(本当に・・・寝たのか?)僕はそう思って、5分程も藤谷の様子を見て居た。

しかし、藤谷は本当に寝たらしく、呼吸をする以外は全く動きが無かった。

そこで(さて・・・どうしようかな・・・。)と、僕は思った。

取り敢えず一人で勉強の続きをしようかと、休めてた背中を壁から剥がし、教材が並べられてるローテーブルへと近付いた。

しかし、僕の視線は目の前にある教材では無くて、さっきよりも間近に見える藤谷の寝姿に向けられてしまった・・・。

さっきも注目してしまった、藤谷の胸のポッチは、より近くで観察できた。

僕はシャワーの時に見た彼の乳首の色や形を思い出し、白いTシャツの上に残像として重ねた・・・。

僕は、このままでは、いけない事をしてしまいそうだった・・・。

それで「ふ・・・藤谷ぃ~・・・勉強しないのか~?」と、遠慮がちに声を掛けてみた・・・。

しかし、彼は全く反応しない・・・。

(男同士でも、寝てる相手を勝手に触るのは・・・痴漢・・・なのかな?)

僕はそんな事を考えて居た。

それで僕は(彼の身体に触りたいのか・・・?僕は?)って思って驚いた・・・。

動揺したから「いや、僕にはそんな趣味は・・・。」って、小声で自分に言ってみた。

すると尚更(いや・・・あるのか?・・・無いのか?)と自問を繰り返し、そろそろと立ち上がって藤谷を見下ろして居た・・・。

「藤谷ぃ~・・・早く起きないと、知らないぞ・・・。」

僕は最後通告の様な事を小声で言って、彼に近付いた・・・。

理性が外れそうになった僕だったが・・・まだ『外れそう』なだけだった。

だから(勝手に身体に触れるのは・・・その・・・失礼だ。)と思って、そもそも(これが気になってた。)と思い出した、藤谷の足の爪を近くで見せて頂く事にして、自分の中の自分と折り合いを着けた・・・。

(何か・・・また危なかった・・・。)僕はそう思いながら腰を屈め、彼の両足の爪先を観察させて貰った。

(ごめん藤谷・・・ってか、寝てる君が悪い。)



 つづく


つづく!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ