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遊戯原則


 真っ暗な部屋に俺は居た。

 足を付ける地の概念はなく、天井という概念もない、まるで真夜中の大空に放り出されたような感覚。

 俺は辺りを見渡してみるが建物はおろか人っ子一人見当たらない。


『どーも。未来の魔王様』


 人っ子一人、見当たらなかった筈である。俺は突如聞こえてきた声に驚きながらも、声の発生源を見る。

 場所的は、俺の目の前。見間違いではなかった。確かに、目の前にいる。先までは誰もいなかった筈である。俺は目を擦り、再度それを見る。


『やだなぁ、まるで幽霊を見るみたいに』

「……違うのか?」

『違うよ。僕は君たち基準で言うと神様ってやつさ』


 神様って……。と、そこまで言い掛け、俺は辺りを見渡す。現実ではあり得ないであろうこの空間。俺自身が宙に浮いているという事実。目の前のこの少女にしてもそうだ。

 この、非現実的な空間が雄弁に訴えてくる。目の前の少女が、本物の神であると。


「マジ、なのか?」

『大マジだよ』


 目の前の少女は呆れた目で見てくる。

 いや、そんな目で見られても。


「で? その神様は俺になんの用なんだ?」

『うんうん。呑み込みが早いね。流石、僕が選んだ人間』

「いや。呑み込んだ訳じゃねーぞ。理解が追い付かなくて考えるのをやめただけだ」

『実はねぇ、僕たち神様の間でとある遊びをすることなってねぇ。君を、その遊びの駒にしたくてねぇ』

「……駒、だと?」


 思わず声に苛立ちが籠る。

 にしても、遊びの駒、ねぇ。人間を駒にしてする遊びとは随分と壮大な遊びだことで。


『まあまあ。そう怒らないで。ちゃんと拒否権もあるんだから。ちゃんと説明するから落ち着いて』


 そう前置き、神様は話し始めた。

 おおよそ1000万年前。神々は些細なことが切っ掛けで喧嘩を始めた。それは口論から殴り合いへと発展し、神々の住む天界は荒れに荒れた。1000年ほど続いたその喧嘩は、別の神の提案によって一旦は沈静化した。その提案とは、知識の神が言った『我々の付属を俗世へと送り込み、その中で誰が王となるかを競おう』という提案だった。後にこれは「五柱遊戯」と名付けられることとなり、それぞれの五柱の神々が行う、定番の遊戯となった。

 そして、この遊戯を始めるにあたって神々は話し合い、七つの原則を造った。それを遊戯原則と名付けその原則とは、

『一つ』

転生することを強制してはならない。転生を拒否した場合速やかに送り返すこと。

『二つ』

前世の記憶を持ったまま転生させ、記憶は五歳から覚醒させること。

『三つ』

転生させる者には自身の加護に加え、五つの魂技(こんぎ)を与えること。

『四つ』

ある程度プレイヤーの融通を通し、転生場所を選ぶことが出来る。特別な地位(貴族、王族等)の転生は禁止。

『五つ』

魂技選択中、または転生間際に質問をさせることを絶対とする。質問時間は問わない。

『六つ』

特別な災が起こらない限り転生者との連絡は禁止とする。

『七つ』

決着は最後に残った、または最後まで降参しなかった者とする。


『これを以て遊戯原則とする。また、それに従えないものは神としての格を降格し、以降、神としての格を永劫に昇格しないものとする。これが、五柱遊戯。君に挑戦してもらう予定の遊びだよ』

「ほほぉ……」


 五柱遊戯、ねぇ。

 ……ん? ちょっと待て。


「なあ、遊戯原則に、転生って単語があると思うんだが……もしかして、俺って死んでるの?」

『え、今?』


 少女は驚きの声を上げる。

 なんでも、俺は会社の帰り道に居眠り運転のトラック運転手に跳ねられたそうな。いや、マジで記憶がない。


「じゃあ、仮に五柱遊戯を断ったら俺はどうなるんだ?」

『当然、記憶を消してまた転生だよ。輪廻転生って聞いたことない? それだよ』


 ふ、むぅ……記憶を消すのはちょっとやだな。


「分かった。参加しよう」

『おぉ! そう来なくっちゃ!』


 少女は嬉しそうにその場で一回転する。

 少女の格好がスカートなため一瞬パンツが丸見えになるが、俺はロリコンじゃない。すぐに目をそらした。黒だった。


「それで? 五柱遊戯の内容は?」

『簡単さ。【勇者】【賢者】【魔女】【剣王】の中で三人を倒す。または忠誠やら洗脳やら殺し合いやらで、こっちは全員降参させれば君の勝ち。逆に、その四人に負ければ、または降参させられれば君の敗けだよ』

「なんだが、物騒なのが並んでるな。それで? 俺は何になるんだ? 俺だけ称号的なのがない、なんてことはないんだろ?」

『うん。君は【魔王】だよ』

「もっと物騒なのが俺なのかよ」


 勇者、賢者、魔女、剣王……それに、俺が魔王か。なんだか、その四人で(魔王)を倒す面子なような気がするんだが……。


『君の心配はもっともだ。君の世界でのそれらはどちらかと言えば正義側。魔王は悪の印象が強いからね。でも、これから行く世界は違う。それらは……まあ、勇者は別だけど、どれも、今まで出現したことのない、どちらかといえば創作話に近い存在だからね』

「ふーん。なら、良いんだが……」

『そう? なら、他に質問は? なければ次に行くけど』

「ふむ……そうだな。なら、五柱遊戯の結果死んでしまったらどうなるんだ? あと、勝ったらなにかご褒美的なのは合ったりするのか?」

『死んだらそこでゲームオーバーだね。その場合、遊戯に参加してくれたお礼として記憶を持ったまま、その世界の数千年後に転生させてあげる。勿論、多少能力値を上げてね。で、勝ったら僕たち神様から素敵なプレゼントを。生き残ったらその世界での生存権をあげるよ。勿論、これからあげる能力はそのままでね』

「……だったら、向こうに行って早々に降参したら転生したもん勝ちじゃないのか?」

『それをするなら覚悟してね。遊戯原則その6は遊戯中の駒との接触、連絡がダメなだけで、それが終われば僕たちは手を出し放題。教会に御告げを出して指名手配にしたり、自然災害を引き起こして殺そうとしたり……直接は難しいけど、間接的になら、簡単に殺せるからね』


 釘を刺されてしまった。

 いや、やろうとなんてしてないけど。


『他、質問は?』

「もうないな。次に行ってくれ」

『はーい。確認だけど、遊戯原則その2は大丈夫だよね?』

「ああ。前世の記憶を持ったまま転生し、記憶は五歳から覚醒させる。特に質問はない」

『うん。りょーかい。お次は、遊戯原則その3。魂技の付与だね。正直、これが一番面倒で時間が掛かるんだ。早々に決めてくれると助かるよ』

「なるべく善処はするが……話から察するに、俺が選ぶんだろ? どれくらい数があるんだ?」

『えっとね……大体100くらい』

「100か……」


 100の内選ぶのは五個って考えると多いな。

 そんなことを考えていると、目の前の少女は先ほどの説明に補足をいれた。


『ああ、でも、実際選べるのは100もないよ』

「え、そうなのか? ってことは、俺は選べない魂技もあるのか。なんでだ?」

『んーとね、この五柱遊戯では「それっぽさ」が大事なんだよ』

「それっぽさ?」

『そう。例えば、勇者が闇属性の魔法を使ったら「それっぽく」ないでしょ? 魔王も同じで、聖属性の魔法を魔王が使ったら、それっぽくない』

「あー、なるほど。それっぽいってそういう意味か」


 100というのは勇者、魔王、賢者、魔女、剣王関係なく、すべての総数のことで、俺が実際に選べる魂技の数は30とそこら辺程度なのだそう。そうなってくると少ないな。


『それじゃ、魂技を出していくから、よーく吟味してさっさと終わらせてねぇ』


 少女はそう言い、手を横に振った。すると、それがトリガーだったのか、少女の背後に幾つものウインドウが現れ始める。それらには一つずつに文字が掛かれており、やがて、それら一つ一つが魂技であることが分かった。


「おぉ……こうやって見ると壮大だな」

『ははは……そう思っていられるのも今のうちさ。次期にこの量が鬱陶しく感じてくるさ』

「なんかネガティブだなお前」


 目の前の少女は置いておいて、俺は少女の背後にあるウインドウを一つ目の前に持ってくる。


「魂技:振動。触れたものに振動を与える、か。あ、レベルがあるんだな。レベル1が振動付与。……あれ、レベル1までしかないのか?」

『いや。ここで見れるのはレベル1までってだけだよ。最大レベルは5まである』

「このレベル1の魂技はすぐに使えるのか?」

『まあ、そうだね。使えはする。ただ、「使える」と「使いこなす」は別だからね。今の振動を例に上げれば、「使える」状態だと揺らしただけで魔力がすっからかんになって、最悪死んじゃうね』

「魔力を使いすぎると死ぬのか……」

『まあ、大袈裟だけど、その認識で間違いはないよ』


 ふ、む。魔力を使いすぎると死ぬ。……ということは、俺が魔力を使うのは危ないのか? いや、使いすぎるとって話だし、それは飛躍し過ぎか。

 だが、(魔王)が戦わないってのもカッコいいな。魔王っぽい。「ふん。貴様らなど、俺の配下だけで十分だ」なんて魔王らしいじゃないか。

 俺は配下を召喚する魂技を探す。すると、面白そうな魂技を見つけた。


「使役か……面白いじゃないか」


 魂技:使役。あらゆる生き物を使役させるという力みたいだ。


『おっ。使役ね。いいんじゃない? 魔物を統べる王で魔王。カッコいいじゃん』

「だろ? ()()くは魔物の軍団とか作ったりして相手を圧倒させてやりたい!」

『ははっ。その意気だよ。……あぁ、そうそう。全部決まる前に言っておこうか。この魂技は絶対にもらってもらうよ』

「ん? これは……『魔王』?」


 少女が俺の前に持ってきた魂技の名は『魔王』。その説明欄には「魔王といえば、ということが出来る」と書いてあった。


「なんだよ、魔王といえばって……って、これはレベル5まであるんだな」

『うん。これはそれぞれの参加者全員に似た魂技があってね。ほら、『勇者』『賢者』『魔女』『剣王』。全部ある。それぞれの効果は似ているんだけどね』

「ほぉ。それで、効果は……」

_ _ _ _ _ _

【魔王Lv.5】

魔王と云えばということが出来る。

Lv.1:超身体強化

身体を超強化させる。

Lv.2:魔王覇気

レベルの低い相手を平伏、混乱、気絶させる。

Lv.3:魔王剣召喚

魔王剣を召喚する。

Lv.4:付属召喚

魔石を使い悪魔を召喚する。

Lv.5:魔王領域

魔王の造る城の中において様々な融通が効くようになる。

 ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄

「なるほど……質問いいか?」

『勿論。じゃんじゃん聞いてよ』

「ならまずレベル2から。レベルってなんだ?」

『そのまんま。これから君が行く世界にはレベルの概念があるんだよ。魂技やら技能は違うけど、人のレベルは魔物やら人やらを殺すと貯まるよ』

「……レベルは分かった。今出てきた技能ってのは?」

『魂技の劣化……的な? 魂技は先天的なものしかないけど、技能のほとんどは後天的に入手できるもの。君の世界風に言うと、スキルだね』

「なるほど。それの入手方法は?」

『やり続けること。例えば剣術って技能があるんだけど、これは魔物と剣で戦い続けると獲得できる』

「ふ、む。じゃあ次。魔王剣ってのは?」

『それはこれからカスタマイズするけど、魔王専用の剣だよ。他の人が持つことは出来ない』

「なるほど。じゃあ、次。魔石ってのは、俺の思ってる魔物のなかにある核って認識で合ってるか?」

『合ってるよ。質問されそうだから先に答えると、レベル4の悪魔ってのはこんな感じだよ』


 目の前の少女は俺の横を指差した。そこには、おとぎ話や神話に出てきそうな頭にヤギの(つの)を持ち、背中には漆黒の翼。胴体は人間というThe・悪魔といった感じの模型が置かれていた。


「おぉ。本当に悪魔だな」

『そりゃね。その悪魔の強さは使った魔石の質によって変化する。低質な魔石を使えば低質な悪魔が出来るし、上質な魔石を使えば上質な悪魔を作れるよ。それから、一度出した悪魔はもう二度と魔石に戻すことは出来ないから注意してね』

「ふむ……」


 俺はふと思う。この悪魔もそうだが、使役した魔物を一体どうやって保管しておこうか。一体、二体とかなら問題はない。俺の後ろに付かせればいい。だが、軍隊規模となると話は変わる。その量を俺の後ろに付けるのはもはや祭りか何かだ。早急に考えなければならない。

 だが、取りあえず今は保留だ。今は、『魔王』の質問が先だ。


「じゃあ次。レベル5だ。魔王城ってのは分かる。だが、融通が効くようになるってどういうことだ?」

『うーん。そのまんま、としか言えないね。まあ、これは単純に自分の能力が上がるとか……正直、解釈次第だね』


 解釈次第と来たか。融通、ね。俺の言葉に魔王城が従ってくれるとか? いや、それは融通というより命令に近いのか。


『質問は終わり? なら、先に魔王剣のカスタマイズに入りたいんだけど、大丈夫?』

「ああ。問題ない」


 俺がそう答えると、目の前の少女は再び手を振り、再度ウインドウを出した。そのウインドウには、一振の剣のデータと思われるものが書かれていた。

 魔王剣は片刃の剣だ。持ち手は黒に統一され、刃は紅で作られている。刃の根元、持ち手上部には赤い真珠のようなものが嵌められている。


「ん? これが魔王剣?」

『そそ。カッコいいでしょ』

「ああ。なんだか、昔の黒歴史を掘り起こされている気分……ってか、これ見覚えがあるぞ……?」

『そりゃね。これは君のご実家の自室のタンスの奥にある極秘ノートの中から--』

「やっぱりかテメェ! 人の黒歴史を勝手に掘り起こしやがって!」

『まあまあ。僕は好きだよ? この見た目』

「クソッ……待て。まさか、俺は異世界で自分の考えた超黒歴史を振り回さなきゃいけないのか……?」

『あー……そうなるねぇ』

「ふざけんなよ……?」


 過去の黒歴史を振り回すなんでどんな罰ゲームだ? なるべく魔王剣は使わないようにしよう。俺は心にそう決めた。


『それはともかく、カスタムしていくよ。この魔王剣をどんな性能にしたい?』

「性能って言われてもな……どんなことが出来るんだ?」

『色々だよ! ほら、君が中二病を患っていた時を思い出して! 魔王といえばどんなことをする?』

「やかましい。うーん……」


 どんなこと……あ。なら、あれはどうだ?


「なら、使役した魔物や悪魔を保管できる空間とかって作れないか?」

『お、いいね。出来るよ。でも、それをすると他に出来ることがかなり少なくなるけど……大丈夫?』

「問題ない。ってか、まだ出来ることがあるのか……特にないし、何かおすすめとかないのか?」

『僕のおすすめは形状変化だね。自分の思う形に魔王剣の形状を変えられるって力さ』

「ほう。良いじゃないか。それにしよう」

『りょーかい。それで作るよ』


 俺は目の前の少女がウインドウを弾くのを横目に、他に何かいい魂技がないかと探してみる。

 少しの間探していると、カスタマイズが終わったのか少女は俺に身体を向けた。


『よーし、終わったぁ。さてさて、どうだい? 何かいい魂技はあった?』

「うーん、【魔眼】と【黒魔法】がいいと思ったんだが……どうだ?」

『どうだって……選ぶのは君だろうに。でも、いいと思うよ。どっちもそれっぽいし、強い。でも、魔眼を使うなら注意してね。それぞれの駒には僕ら神の加護が付くから状態異常は掛かりにくくなってるから』

「なんだそれ初耳だぞ」


 少女曰く、それぞれのプレイヤーにはそれぞれの神様の加護が付くらしい。というかよく見りゃ遊戯原則にあったな。そして、その加護はかなりの高性能らしい。曰く、状態異常の耐性。能力値の増加。病気への耐性。成長速度加速。全言語翻訳等々。様々なものが備えてあるらしい。高性能すぎんだろ。


「というか、それがあるならもっと早く言えよ。効果が重複するかもしれないじゃないか」

『五人の平等を取るための遊戯原則その5だよ。そんなの聞いてない! なんてのは聞かないほうが悪いって話さ。僕たちに責任を擦り付けないでくれ』

「むぅ……」


 まあ、言いたいことは分かるが……。

 ってことは、まだ俺の知らないことが大量にある可能性があるのか……。こりゃ、積極的に質問したほうがいいな。


「まあ、それはいい。取り敢えずこの四つは決定。あと一つだな……」

『あとは無難に空間魔法とか? 異空間収納って言って、物を異空間に仕舞ったり出来る力に、レベルが上がれば転移も出来るよ』

「まあ、無難だな。それでいいか」

『りょー。……よし。これで魂技が決まったね。あとは、遊戯原則の4だね』

「ある程度プレイヤーの融通を通し、転生場所を選ぶことが出来る、ね。貴族、王族への転生なんて希望はないが、どの程度までなら融通が効くんだ?」

『うーん。過去の例で言えば、【魔女】の子が山の頂上にポツンと転生ってのはあったね。まあ、その時は若干抗議はあったけど、それっぽいしルールの範囲内だからね』

「なるほど……」


 転生場所か……正直、どこでもいいんだよな。というより、向こうの地理を知らないし。これも聞いておいたほうがいいのかもな。

 ってなわけで聞いてみた。

 向こうの異世界の名前は「ディアレス」。それぞれ二つの大陸と島国で出来ていて、一番大きい大陸がルーナ大陸。次いで大きいのがホール大陸という。これはそれぞれルーナ()(三日月)の形とホール(円形)の形をしていて、どこかの部族の言語から取った言葉らしい。あとの二つは島国で、一つがパルリナ列島のパルリナ国という幾つもの島国が合わさってできた国、例えるならインドネシアに近い形式の国。最後の一つが完全に独立し、他国との輸入輸出を全くしない異質の国であるコビリア王国という島国である。


 ここまで聞いて俺は考える。候補以前に、まずは二つの島国は除外する。移動に不便だし。となるとあとは二つの大陸。……うん。どちでもいい。


「お前的おすすめは?」

『そうだねぇ……君の家族構成にもよるかな。どうする? 親の居ない孤児に産まれるか、家族団欒の小さな農村で産まれるか。どっちがいい?』

「……ふむ」


 俺がこれからなろうというのは恐怖の象徴である魔王。そんな存在になろうという目標を、果たして家族はどう受け入れるであろうか。自分の子供が、世界を相手にしようとしている。俺の息子がそうであれば、全力で止めるだろう。


「孤児で頼む。国はどこでも構わない」

『へぇ。ドライだね、君。まあ、いいんだけど。となると……うん。ここなら都合がいいね。君が行くのは、ドーン大陸の真ん中よりの内陸王国ドリタランに転生させるよ。あとは何か質問はない? するなら今のうちだよ』


 それから俺は向こうの世界についての質問を捲し立てた。向こうの常識。魔法の会得方法。金銭感覚etc…。目の前の少女の顔色がハッキリ変化するまで質問してやった。

 だいぶ知識欲が満たされたころ、俺は目の前の少女への質問をやめた。


「まあ……これくらいか」

『君、心配性なの……? もう喋りたくない』

「すまなかった。もう質問はないよ」


 すると少女はニッコリと笑みを浮かべる。質問のマシンガンが終わったのがよほど嬉しかったらしい。


『それじゃ、転生させるよ。良き異世界ライフを、未来の魔王様。僕に勝利を導いてね』

「まあ、ほどほどに頑張るよ。それじゃあな」


 少女--神様は手を振るう。

 すると、俺の足元にいきなり魔法陣が展開された。それにおっかなびっくりしていると、俺の意識はプツリと途絶えたのだった。


 結局何があったという方へのために簡単にステータスを置いておきます。

_ _ _ _ _ _

本名:ケルニス

年齢:5歳

Lv.1

〔能力値〕 

魔力 3.000/3.000

攻撃 900

魔攻 1.100

防御 800

魔防 800

速度 400

《獲得魂技》

【魔王Lv.5】

魔王と云えばということが出来る。

【使役Lv.1】

生き物を使役できる。

【空間魔法Lv1】

空間魔法の才能が付く。

【黒魔法Lv.1】

黒い魔法が使える。

【魔眼Lv.1】

様々な魔眼が使える。


《加護》

【魔神の加護】

 ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄

 転生場所はドーン大陸のドリタラン。容姿は特に決めなかったため神様の好み次第。

 こんな感じです。能力値と容姿に関しては魔王様は特に質問してなかったので知らない状態です。


 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。ブックマーク登録や評価、感想をいただけるとモチベが爆上がりします。また、「ここおかしくない?」、「ストーリー矛盾してない?」ということがありましたら感想で指摘していただければ幸いです。

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