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第718話~ドワーフの国の巨大地下墳墓 地下五階 後編 闇の獅子レグルスとは?~

 ルック王から得た情報にあった神聖同盟に最近加わった獅子の魔物。それは闇の獅子『レグルス』ではないか。

 そうネズ吉が教えてくれたので、詳しい話を聞くことにする。


「なあ、ネズ吉。その闇の獅子……レグルスだったかな?って何者なんだ?」

「レグルスは元神獣の魔物です」

「ガルーダと同じ元神獣か……」


 ガルーダの時もてこずったのに……厄介な話だ。

 また元神獣が現れたと聞いて、俺は頭が痛くなった気がした。


 それはともかく、それだけでは情報不足なのでもっと情報を仕入れることにする。


「それで、そのレグルスってどんな神獣だったんだ?」

「レグルスは元々は『光の獅子』と呼ばれて、天界の守護を担当していた強力な神獣でした」

「レグルスは元々『光の獅子』だったのか。それがなぜ『闇の獅子』と呼ばれるようになったんだ?」

「それは簡単な話ですね。レグルスはプラトゥーンの眷属だったのですが、プラトゥーンが神々によって追放された時に一緒に追放され、その時に堕天して『闇の獅子』となったのです」

「え?レグルスってプラトゥーンの眷属だったの?」

「はい。そうです」


 なんてことだ。

 元神獣というだけでも面倒くさそうだったのに、さらにはプラトゥーンの眷属だったなんて……。

 その上、天界の守護をしていたとか。

 となると強い上にプラトゥーンへの忠誠心も高いんだろうな。


 レグルスがプラトゥーンの眷属だと聞いてそんな考えを抱いた俺は、さらに頭を痛くするのだった。


★★★


 俺とネズ吉の話はまだ続く。


「レグルスがプラトゥーンの眷属で天界の守護を任されていたというのはわかった。それでレグルスの強さはどのくらいなんだ?」

「中々のものですよ。何せプラトゥーンというかつての主神の眷属ですからね。ですから、プラトゥーンが封印された時に一緒に異空間に封印されたのです。その封印はこの世界の地脈と連動した強固なものだったのですが、各地の地脈で神聖同盟の連中が四魔獣を復活させたりして、地脈をいじったせいで、封印の効力が緩んだのだと思います」

「それで、その緩んだ封印を誰かが解いたと?誰が?」

「多分プラトゥーンではないかと思います。プラトゥーンは一応神です。例えクローン体でも、神の力を使えば異空間にアクセスして弱くなった封印を解くことは可能です」

「そうなのか?ヴィクトリア」

「ワタクシもネズ吉ちゃんと同意見ですね。ひいおじい様くらいの力があれば、クローン体とはいえ、その元神獣の封印を解くことは可能だと思います」

「マジか……」


 ネズ吉とヴィクトリアの意見を聞く限りではは、プラトゥーンクローンがレグルスの封印を解いたので間違いなさそうだった。


 そして、二人が言うようにプラトゥーンクローンが自ら封印を解くようなことをしたということはそれだけレグルスが強敵だという証拠でもあった。

 かなり追い詰められているプラトゥーンクローンに役に立たない奴を復活させたりする余裕などないのだから。


★★★


 レグルスの強さが分かったところで、次はその具体的な能力について聞いてみようと思う。


「レグルスが強いのはわかった。それで、ネズ吉。レグルスがどんな攻撃をしてくるのか知っているか?」

「その辺。実はあまり詳しくはないのですよね。ただ『光の獅子』と呼ばれていたころは、光の閃光を放ったり、光を一か所に集めて爆発させたりできたようです。それが『闇の獅子』になったということは、闇の力でそれらと逆のことができるのではないかと思います」

「なるほどな」

「まあ、その辺は直接対峙した時に『世界の知識』の魔法で調べてみた方がよろしいかと思いますよ」

「そうだな。その手があったな」


 確かに俺の『世界の知識』の魔法ならその辺のこともわかりそうだ。

 戦う時になったら使うことにしよう。


「それで、ネズ吉。レグルスについて他に知っていることはあるか?」

「拙者の知っていることはこのくらいです」

「そうか、分かった。色々教えてくれてありがとうな」


 最後にネズ吉にそうお礼を言って、ネズ吉からの情報収集は終わりだ。

 次は再びルック王と話してこの後のことを考えようと思う。


★★★


 ネズ吉との話が終わった俺は再びルック王に話しかけた。


「ルック王。今私たちの話を聞いてお分かりになったと思いますが、相手は中々の強敵のようです」

「そのようだな」

「ですから連中に確実に勝つためには私どもとしても万全の態勢を敷きたいと思います」

「うむ。そうするのが良いだろうな」

「なので、連中と戦う偵察などの準備をする拠点をお借りしたいのですが、どこか良い場所はありませんか?」

「拠点となる場所か……そうよな」


 俺のお願いに対してルック王は少し考えた後、良いことを教えてくれた。


「そうだ。実はここの部屋と地下墳墓の頂点の部屋の間には隠し部屋があるのだ。そこを使うがよい」

「隠し部屋ですか?」

「その通りだ。ここと地下墳墓の頂点を繋ぐ下り階段の途中に隠し部屋があるのだ。元はここを建造する時の物置場として使っていた部屋だが、建造後も取り壊さずにそのままにしておいたのだ。ここの下り階段は他のところと違って特殊で、出口のところが壁になっていて横のスイッチを押さないと頂点の部屋に進めないようになっているのだ。神聖同盟とかいう連中は壁があるせいで下り階段の存在に気がついていないみたいなので、下り階段途中の隠し部屋ならお前たちも連中に気づかれずに行動できるだろう。それに、あそこなら通気口で地下墳墓の頂点とも繋がっているから、そこを使って頂点の偵察もできるだろう。そこを使うがよい」

「そんな部屋があるのですか?ありがたく使わせてもらいます」

「まあ、遠慮なく使うがよい。階段の途中に部屋に入るためのスイッチがあるから探してみるがよい」

「わかりました。やってみます」

「では、頑張るがよい。それでは地下への階段を開放するからそこから行くがよい。それと、連中を倒したら褒美として英知の品々やその他財宝ををやるから戻ってくるのだぞ」

「はい」

「それでは行ってくるがよい」


 ルック王がそう言うと、ガガガという音と共に部屋の壁の一角が動き、そこに下り階段が現れた。


「さあ、行くぞ」


 そして、俺たちはそこを通って先へと進むのだった。

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