第716話~ドワーフの国の巨大地下墳墓 地下四階 その3 ネクロマンサー討伐完了!~
ネクロマンサーさえ倒せば三体のアンデッドも冥府に帰らざるを得ない。
そのネズ吉のアドバイスを受け、俺たちはネクロマンサーを倒すことに全力を注ぐことにする。
まずは嫁たちに指示を出す。
「俺がネクロマンサーを倒すから、お前たちはアンデッドたちの相手をしてその隙を作ってくれ!」
「了解!」
俺の指示に嫁たち力強く頷く。
この分なら嫁たちにアンデッドは任せておいても大丈夫だ。
そう確信した俺はネクロマンサーを倒すべく動き始めたのだった。
★★★
「皆さん、旦那様がネクロマンサーと一対一で戦えるため私たちは頑張りましょう」
「はい!」
俺の指示を受け、エリカが指揮を執って三体のアンデッドに戦いを挑んだ。
「『聖属性付与』」
そうやってリネットとネイアの武器に聖属性を付与した後。
「リネットさん、ネイアさん。旦那様が戦える状況を作れるようアンデッドを抑えてください。私とヴィクトリアさんもできる限り援護しますので頑張ってください」
「「任せて!」」
そうやって二人を前線に送り込むと。
「ヴィクトリアさん、行きますよ」
「わかりました」
「『極大化 光の矢』」
「『極大化 精霊召喚 火の精霊』。さあ、火の精霊よ。悪しきアンデッドを攻撃しなさい」
「……」
「さて、火の精霊だけでは手が足りないのでワタクシも攻撃ですね。『極大化 聖光』」
そうやって自らもヴィクトリアと一緒に激しく援護を始めた。
その甲斐があってか。
「ホルスト君。敵の防壁に隙ができたよ!」
「さあ、今のうちにネクロマンサーを倒してください」
「任せておけ!」
敵の態勢に隙を作ることに成功し、俺はネクロマンサーと一対一の対決の場を持つことができたのだった。
★★★
エリカたちが作ってくれた隙を利用してネクロマンサーへと近づいた俺は、ネクロマンサーと一対一で戦うことになった。
「ネクロマンサー・キール。覚悟しろ!」
「ふん、若造が生意気な!」
そんな短いやり取りの後戦いが始まる。
まず先制攻撃を仕掛けたのは俺の方だった。
「『極大化 天罰』」
と、まずは強力な聖属性魔法で攻撃する。だが。
「『暗黒障壁』」
ネクロマンサーは闇属性の防御障壁を作りだすと、あっさりこれを防いでしまった。
これには正直俺も驚いた。
『神属性魔法』である『天罰』の魔法がこうもあっさりと弾かれるのはさすがに想定外だったからだ。
そして、ネクロマンサーは俺が驚いた隙を狙って攻撃を仕掛けて来る。
「『暗黒波』」
そうやって闇属性のエネルギー波を放ってくる。
これをまともに食らうのは危険だ。
そう判断した俺は。
「『神強化』。『聖属性付与』」
剣と盾に急ぎ聖属性付与をし対抗する。
盾を前面に構え、『暗黒波』に突っ込んで行き、剣で『暗黒波』を真っ二つに切り裂いた。
スパッと真っ二つに切り裂かれた『暗黒波』は、そのまま部屋の壁と天井に激突し、大爆発を起こした。
その衝撃は部屋全体を激しく揺らすほどであったので、やはり直撃していたら危なかったと思う。
必殺の『暗黒波』をかわされたネクロマンサーは。
「『暗黒……』」
再び『暗黒波』を放ってこようとしたが、それは俺が食い止めた。
「おりゃああああ!!!」
気合を入れて、高速でネクロマンサーへと接近し剣で斬りつけたのだ。
「くっ」
ネクロマンサーは魔法の詠唱を中断すると一歩後ろ下下がって俺の攻撃を避けた。
それを見た俺はそのまま決着をつけようとさらにネクロマンサーへ迫るが。
「甘いわ!『暗黒剣』」
と、魔法で闇属性ので剣を作り出すと、俺に接近戦を仕掛けてきた。
キン、キン、キン。
俺とネクロマンサーの剣が激しくぶつかり合う。
この激しい攻防はしばらく続いたが、相手は元大司祭のネクロマンサー。
接近戦の経験に乏しかったようで、次第に形勢は俺に有利に傾いて行き、奴が防戦一方の守勢に回ったところで。
「チェストーーー!!!」
「ぐはっ」
気合一閃!ネクロマンサーの腕を切り落とさしてやることに成功した。
『魔力感知』で探ってみると、ネクロマンサーは腕を切り落とされると同時に大量の魔力も喪失していた。
多分『暗黒剣』とやらを維持するために腕の方に魔力を集中していたからだと思う。
ネクロマンサーが大量に魔力を失った今こそがチャンスだ!
そう感じた俺はとどめを刺しに行く。
「『神化 天火』」
「『神化 天罰』」
「『神化 魔法合成』。『神化 天火』と『神化 天罰』の合成魔法『神化 神の業火』」
弱ったネクロマンサーに対して合成魔法『神化 神の業火』を放った。
大量に魔力を失っていたネクロマンサーは先程のように『暗黒障壁』の魔法で俺の魔法を防御できずにまともに魔法を食らってしまい。
「ああ、バカな!この私が破れるなど……!!!」
と、断末魔の叫びを残して消滅して行った。
かなりの強敵で苦戦はしたが、奴の敗因は俺に接近戦に持ち込まれたところだと思う。
接近戦になってしまえば得意の魔法など使う暇がないのだから。
完全に俺の作戦勝ちである。
こうして俺はネクロマンサーを倒すことに成功したのだった。
★★★
俺がネクロマンサーを倒すとすぐに嫁たちが近寄って来た。
「旦那様、ご無事ですか?」
「ああ、何とかな。そっちはどうだった?」
「私たちも無事です。三体のアンデッドたちも旦那様がネクロマンサーを倒すと同時に消えました」
「そうか。それは何よりだ」
どうやら嫁たちも無事だったようだし、アンデッドたちも消え去ってしまったようだった。
すべてが計画通りに行き、俺は大変満足した。
★★★
「では、先へ進みましょう」
ネクロマンサーを倒した俺たちはヴィクトリアのその一言で移動を再開した。
部屋の奥に先へ行くための通路があったのでそこを進んだ。
通路をしばらく進むと、下り階段があったのでそこを降りた。
階段を降り切ると、目の前には先程と同じような豪華な扉があった。
扉にはさっきと同じように神代文字で文章が刻まれていた。
早速ヴィクトリアに読んでもらうと。
「『The King’s Chamber.』。『王の部屋』と書いてあります」
とのことだった。
『王の部屋』。
どうやら俺たちは地下墳墓の中心部に到着したようだった。




