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第638話~マウントオブスピリット攻略のための買い出し 寒冷地用の装備をたくさん買ったぞ~

 霊山マウントオブスピリットでの冒険のための買い出しに行った。

 先日の嫁たちとの会議の結果、マウントオブスピリットは厳しい環境の場所だという結論に達したので、攻略のためには装備の充実が不可欠だと判断したためだ。


 まずは服の買い出しに行った。

 厳しい山の環境に耐えることのできる軽くて暴漢効果の高い服を買うことにする。


「この辺りの服がお客様の求める軽くて暖かい衣服でございます」


 ヒッグス家の商館で聞いてきたお勧めの店の店主に勧められたコーナーの服を見せもらう。

 このコーナーの商品を手に取って見てみると。


「この服はとても軽い素材でできているんだな。見たことがない素材だが、何て言う素材なんだ?」

「はい。これはナフサ草という植物からできた糸で作られた生地です。この生地は軽くて熱が外に逃げにくいので、寒い場所でもとても暖かいのです」

「なるほどな。それは良い品だな」


 と中々良さそうだったので、これを使った服を買って行くことにする。


「ワタクシはこの白いコートがいいですね。生地が何枚か重なっていて、とても暖かそうです」

「ヴィクトリアちゃんが白なら、アタシはこっちの赤いのにしゆか」

「ねえ、フレデリカ、このピンクのコート良いと思わない?」

「いいんじゃないの?」


 と、嫁たちをはじめとした女性陣はかわいらしいものを選んでいた。


 え?妹たちにも買ってやっているのかって?


 そりゃあ、そうだろう。

 これから寒い所に冒険に行くのだからこの装備は必須だ。

 妹の奴が嫌いだからといって買ってやらない訳には行かないだろう。


 ということで、全員分購入して、早速着てみたところ。


「お、良く似合っているぞ」

「ありがとうございます」


 全員買った服がとても似合っていたので、それを見た俺は満足するのだった。


★★★


 服の次は野営道具を買いに行った。

 今度も商館で勧められた店に行き、「寒冷地用に暖かくて頑丈なテントを見せてください」と、要望してみた。


「お求めの商品はこちらになります」


 すると、店主がテントを奥から出してきてくれたので、その商品を見てみることにする。


 う~ん。結構大きなテントだな。

 この分ならうちの嫁たちと妹たち全員で過ごすことができそうだ。

 テントの横にはちょっとしたスペースがあり、馬車なども入れて置けそうな感じだった。


 かなり良さげな感じな品だと思った俺は、店主に商品の詳細を聞いてみた。


「これはどういった商品なんだ?」

「見ての通り、かなり大型のテントです。寒冷地用に作られていて、非常に断熱効果が高くテントの中の熱が外に逃げにくいようになっています」

「なるほどな。それは暖かくて良さそうだな。それで、肝心のテントの頑丈さはどうだ?」

「そちらも問題ありません。テントの支柱はミスリルでできていますので、設置の時にきちんとしておけば倒れるようなことはありません。それにこのテントには寒冷地用の装備として風除けの魔法を発揮する装置が付いております」

「風除けの魔法?」

「はい。これはヒッグス商会で最近開発された商品で、一定以上の風が吹いてきた場合、その風を打ち消してしまう魔法が発動する装置となっています」


 それは便利だな、と俺は思った。

 マウントオブスピリットは強い風が吹く場所だからな。

 そういう装置があるのなら、多少は風の害も防げるだろう。そう考えたからだ。


「それは良い装備が付いているんだな。それで、テントの横のスペースには馬車を入れておいたりできるのか?」

「はい、大丈夫です。そちらは本来物置用のすぺーしですが、馬車ぐらいなら馬ごと入れておくことができます。もちろんそちらも居住スペース同様断熱効果がありますので、馬も暖かく過ごせますよ」

「ほう、それは良いな。寒い場所を歩かせると馬も疲れるからな。暖かい場所ならゆっくり休めるだろう。気に入ったよ」

「お褒めいただきありがとうございます」

「よし、それではこのテントを買うとするよ。いくらだ?」

「金貨三枚になります」


 この商品がすっかり気に入ってしまった俺は即座に買うことに決めた。

 すぐさま財布を取り出して金貨を三枚取り出すと。


「それでは代金の金貨三枚だ。これでテントは俺たちのものだな」

「ありがとうございます。どうぞご自由にお持ちください」

「ヴィクトリア」

「ラジャーです」


 代金を払いヴィクトリアにテントを回収させると、店を出て次の買い物に向かうのだった。


★★★


 次に来たのは馬具店だった。

 ここへ来たのはもちろんパトリック用の馬具を買うためである。


「寒冷地用の馬の馬装と、寒冷地でも大丈夫な馬車の車輪が欲しいんだ。値段は高くても良いから良いものをくれ」

「畏まりました。それならこちらはいかがでしょうか」


 そう言いながら店主が最初に出してきたのは寒冷地用の馬装だった。

 馬の全身を覆うような大きなものでとても暖かそうな物だった。


 詳しい説明を聞いてみると。


「この馬装には魔力で作動する暖房器具が仕込まれており、どんなに寒い場所でもポカポカです。寒冷地を旅する旅人たちに好評の装備です」

「ほほう。暖房器具が仕込んであるのか。それは素晴らしいな。それならうちのパトリックも寒さによる体への負担が大分減って助かるだろう。気に入った買うとしよう。いくらだ?」

「銀貨八十枚でございます」

「それじゃあ、代金な」


 この馬装が気に入った俺は即座に買うことを決め、代金を支払った。


「それで、寒冷地。特に雪道でも馬車が問題なく走れる装備はあるか?」

「それならこちらのミスリル製のチェーンはいかがですか?」


 そう言って次に店主が出してきたのは、ミスリル製のチェーンだった。

 俺がチェーンを手に取り眺めていると、店主が商品の説明をしてくれる。


「こちらのチェーンはミスリル製のチェンでこれを車輪に巻き付けていればどんな雪道でも滑ることなく走行できます」

「そうなのか?」

「はい。何せこのチェーンには特殊な魔法がかかっており、チェーンとその魔法の効果で雪道をスムーズに移動できるのです」

「それはすごいな。気に入ったよ。それも買おう」

「ありがとうございます。金貨一枚になります」

「はい、金貨一枚ね」


 このチェーンも気に入ったので即買いした。


 服、テント、馬具とこれで目的の装備は一通り買うことはできたと思う。


「それじゃあ、一旦商館に帰るぞ」


 そして、目的の品は買えたので、俺たちは商館へと帰ることにした。


★★★


「クンクン。商館のお庭の方からとても良い匂いが漂ってきますね」


 商館に帰ると、庭から漂って来るおいしそうな匂いに反応してヴィクトリアが嬉しそうな顔になる。

 その匂いにつられて商館の庭へ行くと、百人分を一気に作れるという大釜が三つほど並べられていて、その周りでは商館で手配してくれた近所のレストランのシェフたちがスープを作ってくれていた。


 このスープは今回の冒険に持って行く物だ。

 霊山の寒さに対抗するため温かいスープをいつでも提供できるように用意したのだ。

 これをヴィクトリアの収納リングに入れておけば、いつでも温かいスープが飲めるという訳だ。


 百人分の大釜三つは量が多過ぎじゃないかって?


 そうかも知れないが、『備えあれば憂いなし』という格言もあるのでこれで良いと思う。


 ちなみに三つの大釜はすべて別の味だ。

 さすがに全て同じだと飽きるからな。違う味付けにしてもらった。

 甘口のシチューに濃い口のチキンスープ、薄味の卵スープの三種類にしてもらった。


 皆に味見してもらったところどれも好評で。


「これなら良い旅を送れそうですね」


 と、ヴィクトリアが満足するくらいの出来であった。


 そうやって俺たちがスープを試飲している間に、商館の支配人のコッセルさんがもう一つ頼んでおいたものを見せてくれた。


「ホルスト様。頼まれておいたお酒はこちらに用意しています」


 それはお酒だった。

 コッセルさんに言われた方を見ると、ワインや蒸留酒、エールなどのお酒が大量に置かれていた。


 これも寒さ対策に用意したものだ。

 お酒には体を暖める効果があるからな。寒い場所に行くのなら防寒のために用意しといて損はなかった。

 さすがに仕事中に飲むのは無しだが、夜寝る前に少し飲めば暖かくなって良いと思う。


 ちなみに全部獣人の国産のお酒だ。

 どうせ持って行くのなら獣人の国産のお酒が良いと嫁たちが言うので、コッセルさんに頼んで用意してもらったのだった。

 だから全然知らない銘柄のお酒も多く。


「これは飲むのが楽しみですね」


 と、酒豪のエリカなどは嬉しそうにしていたのだった。


 さて、これで霊山に行くために必要な物は大体そろえたはずだ。

 明日にでも霊山に向けて出発するとしよう。

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