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今ならもれなく女神がついてきます~一族から追放され元婚約者と駆け落ちした俺。 食うためにダンジョンに挑み最強の力を得たまではよかったが、 なぜかおまけで女神を押し付けられる~  作者: 暇潰し請負人
第22章 強固な結界からプラトゥーンクローンを引きずり出すために……。ホルスト、世界の果てへ赴く!
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第617話~ダム破壊作戦ファイナルステップ ダムを破壊せよ!~

 さて、神聖同盟の奴らを排除し無人となったダムの破壊作業に入ることにする。


 破壊作業、いやここは解体作業と言った方が正確かな、は早朝太陽が昇ってから開始することにする。

 神聖同盟の連中は排除してしまったので妨害者はいなくなり慌てる必要はないし、明るい方が解体作業がはかどるからである。


「警備は私たちに任せておけ」

「ああ、セイラン頼むよ」


 セイラン他数十人の蛇人たちにダムの見張りを頼んで一旦ベースキャンプに戻る。

 ベースキャンプに戻った俺たちは、まず戦闘で怪我をした蛇人と強制労働で怪我したり病気になった蛇人の治療をする。


「『範囲上級治癒』」


 ヴィクトリアが魔法で怪我を治し。


「なるほど。そういう症状ならこの薬が効果があると思いますよ」


 ネイアが持っている薬の中から病気にあった薬を処方してやり、一時間ほどで治療は終了した。

 その後は皆で簡単な食事をとり、太陽が昇る時刻までゆっくり休んだ。


★★★


 数時間後、太陽が昇って明るくなったので作業開始だ。


 作業はまずダムがせき止めてできたダム湖の水の処理から始める。

 ダム湖の水がたまったままでは安全にダムを解体できないからな。まずこのダム湖をなくすことから始める。


 実は神聖同盟を排除した後、ダムの水門を解放してダム湖の水を放流し始めていたのだが、数時間程度ではそんなに減っていなかった。

 このまま水門から放流していただけではダム湖をなくすのに何日もかかってしまうので、ここは奥の手を使うとする。


「行くぞ、ヴィクトリア」

「ラジャーです。ホルストさん」

「『神化 天風』」

「『神化 精霊召喚 風の精霊 水の精霊』」


 俺達の奥の手とは魔法による処理だった。


 まずは『天風』の魔法と風の精霊の力でダム湖の水をいったん空中にすべて吹き飛ばす。

 さらにこの空中に吹き飛ばした水を風の魔法の力で『静かなる谷』の広範囲に運んだうえで。


「さあ、水の精霊よ!今吹き上げた水を川の周辺に雨として降らせるのです!」


 雨として降らせた。


 川の周辺を中心に広範囲に雨として降らせたのは、下手に一か所に水を移動させたりすると洪水になるかもしれないのでそうしたのである。

 こうしておけば地面に振った水はやがてゆっくりと川へと流れ込んで行き、洪水になったりせず川の水量も回復していくはずである。


 実際後で聞いた話だと、数日後には川の水量も大分回復して川底が見えることも無くなったということなので、この方法は大正解だったと言える。


★★★


 さて、ダム湖の水の処理が終わったので次はダム本体の解体である。

 ダムの解体はまず魔力炉の取り出しから始めた。


「ヴィクトリア。土の精霊は何て言っているんだ?」

「はい。土の精霊はここの真下に魔力炉があると言っています」


 とりあえずヴィクトリアの土の精霊に魔力炉を見つけさせてから作業開始だ。


「『極大化 大爆破』」


 最初にエリカがダムに穴をあけ、魔力炉の本体を露出させる。


「お、魔力炉ってかなり大きいんだな」


 出てきた魔力炉はかなり大きかった。普通の民家一軒くらいの大きさがあった。

 これを今から回収する。


「エリカ、まずは魔力炉の配線を切れ」

「はい、旦那様。『風刃』」


 回収作業はエリカが魔力炉の配線を切断することから始まる。

 『風刃』の魔法で少しずつ魔力炉に繋がる配線を切り、魔力炉を丸裸にして行く。


「旦那様、終わりました」


 五分ほどで魔力炉を丸裸にすると、いよいよ回収作業だ。


「『重力操作』」


 魔法で丸裸になった魔力炉を。


「ヴィクトリア!」

「ラジャーです」


 ヴィクトリアが収納リングで回収する。

 回収した魔力炉は後でヒッグス家の魔道具工房に引き渡して解析する予定だ。


「魔力炉?私たちには不要な物だから、お前たちの好きにすればいい」


 蛇人たちから魔力炉は俺たちがもらう許可はもらっているので、これで回収作業は終了だ。


 さて、魔力炉も回収したし、後はダム本体の解体作業である。


★★★


 俺は最初ダム本体については爆破して粉々にして処理するつもりだった。

 だが、ヴィクトリアにこう言われたので処理方法を変えることにした。


「その処理方法はダメですよ。コンクリートってアルカリ性ですからね。そのまま捨てたら川がアルカリ性になっちゃいます。そうなったら川にお魚さんが住めなくなっちゃいます。だからダムの残骸の捨て場所は注意しないといけないですよ」


 ヴィクトリアの言うアルカリ性うんぬんが何かは知らないが、ダムの残骸をそのまま捨てるのがダメなことはわかった。


「う~ん」


 俺はしばらく考えた末、こちらも魔法で処分することに決めた。


★★★


「『神化 重力操作』」

「『神化 地脈操作』」

「『神化 空間操作』」

「『神化 魔法合成』。『神化 重力操作』と『神化 地脈操作』と『神化 空間操作』の合成魔法。『神化 異世界への追放』」


 ダムを魔法で処分することにした俺は『異世界への追放』の魔法を使った。

 これは四魔獣を封じ込めたこともある魔法で、異空間にものを封じ込める魔法だ。

 今回はこの異世界にダムの破片を封じ込めるつもりだ。


 俺が魔法を使うとダムの上空に黒い穴が出現する。

 これこそが異世界への入口だ。


 黒い穴の出現を確認した俺は嫁たちに指示を出す。


「お前ら、ダムをぶち壊してこの穴に破片を放り込め!」

「「「「はい」」」」


 俺の指示で嫁たちが嬉々としてダムを壊し始める。


「『フルバースト 一撃粉砕』」


 まずリネットがアダマンタイトのハンマーでダムに次々に亀裂を入れていき。


「『極大化 大爆破』」

「『フルバースト 武神昇天流 気弾』」


 エリカが魔法で、ネイアが気弾でダムを粉々の破片に変えて行く。

 その粉々になったダムの破片は。


「『極大化 精霊召喚 風の精霊』。さあ、風の精霊よ。みんなが破壊したダムの破片をホルストさんが作り出した黒い穴へと放り込むのです」


 ヴィクトリアが風の精霊を使って風を操り、俺の作った穴へと誘導しているのだ。

 まさに完璧なダム破壊作戦であった。


 え?お前はダムの破壊に参加しないのかって?


 いや、それは不可能だ。

 何せ俺は黒い穴の維持だけで精一杯でそんな余裕はないんだよ。

 ただ、うちの嫁たちは御覧の通りの猛者揃いなので、任せておいて大丈夫だと思う。


 本当、嫁たちが強くて大助かりだが、俺はこうも思うのだ。


 もしこんな強い嫁たちを怒らせてしまったら、俺の身が危ない。

 なるべく怒らせないように気を付けなきゃな。


★★★


 そうやって嫁たちが頑張ること一時間。


「ようやく終わったようだな」


 川を塞いでいた巨大なダムが跡形もなくなくなった。

 あれだけの巨大ダムを一時間足らずで破壊してしまうとは、うちの嫁たち強すぎだと思う。


 ベースキャンプからダムが壊れていく様を観察していたセイランたちも。


「さすがはホルストの嫁たちだ。たった一時間でダムを消し去ってしまうとは……すごいな」


 と、嫁たちを褒めていたくらいだしな。


 まあ、何にせよ、ダムの破壊は完了した。

 やれやれ。やっと一仕事終えたな。


 ダムが破壊したことで俺はやっとそうやって一息つけたのだった。

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