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今ならもれなく女神がついてきます~一族から追放され元婚約者と駆け落ちした俺。 食うためにダンジョンに挑み最強の力を得たまではよかったが、 なぜかおまけで女神を押し付けられる~  作者: 暇潰し請負人
第22章 強固な結界からプラトゥーンクローンを引きずり出すために……。ホルスト、世界の果てへ赴く!
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第611話~ヤマタノオロチを召喚して事情を説明し、蛇人たちの協力を取りつ受けることに成功する~

 今から蛇神様を呼ぶ。


 俺のその発言を聞いて、セイラン、族長、司祭の三人が信じられないという顔をしながら、呆然としている。

 まあ、普通はそうだろうと思う。

 神獣であるヤマタノオロチを召喚するなど普通なら簡単にできる事ではないからである。


 それはともかく、しばらくして呆然自失状態から立ち直ったセイランが質問してきた。


「ホルストよ。蛇神様を呼び出すって本当なのか?人間にそんなことができるものなのか?」

「普通なら無理だろうけど、俺は蛇神様とそういう契約を結んでいるから、俺が呼んだらきてくれるぞ」


 俺はそれだけ言うと、立ち上がり、目の前の三人にこう提案するのだった。


「まあ、ここで細かく説明するより実際にやってみた方が早いだろう。今からこの村の広場に蛇神様を呼び出すことにする。ついては、折角だからこの村の人たちにも蛇神様を見てもらいたい。だから村人たちを村の広場に集めて欲しいんだ。セイラン、お願いできないか」


 村人を集めたのは、村人たちにヤマタノオロチの姿を見せれば、族長もこれ以上文句を言えないだろうと考えたからだ。


「わかった。そうしよう」


 俺の意図が分かったのか、セイランは俺の提案を了承した。

 そして、俺の頼み了承してくれたセイランは、村人たちを集めにすぐさま屋敷を出て行くのだった。


 さて、それでは準備ができ次第ヤマタノオロチを召喚するとしよう。


★★★


 ヤマタノオロチを召喚するにあたっては、見かけだけは立派な感じの儀式を準備した。

 具体的には、エリカに特に意味がない魔法陣を村の広場の中央に描かせ、その周囲にヴィクトリアが大量のキャンドルを設置し、さらにリネットとネイアが完全武装で魔法陣の真横に立って、厳かな雰囲気を演出した。


 ちなみに今回使ったキャンドルは嫁たち愛用のアロマキャンドルだ。だから広間には良い香りが漂っていた。


 え?ヤマタノオロチを召喚するのにこんな魔法陣はいらないだろうって?


 そりゃあ、そうだ。俺の『神獣召喚』の魔法ならすぐさま召喚できる。

 だからこれらの儀式の準備はすべて演出のためだ。


 こうやって厳かな雰囲気の中で召喚した方が、村人たちの印象に残るので、こっちの方が俺達がヤマタノオロチに認められた者であると強く村人たちに印象付けられる。


 そう計算しての行動だった。


 それでは準備もできたことだし、見かけだけの儀式を開始することにする。


★★★


 セイランの村の村人全員が見守る中、俺は儀式を開始した。


「アブラカタブラ。ゼノオーガ……」


 と、適当に考えた呪文を口にする一方で、心の中では「『神獣召喚 ヤマタノオロチ』」と、『神獣召喚』の魔法を唱える。

 すると、俺の目の前が一瞬真っ白に光ったかと思った次の瞬間。


「これは皆様。お久しぶりです」


 と、俺たちに挨拶をしながらヤマタノオロチが目の前に現れたのだった。


★★★


 ヤマタノオロチが現れて、途端に村人たちが驚き慌てふためく。


「なんて真っ白な蛇なんだ!」

「見ろ!あの巨大な尾や口を!あれに踏まれたり飲まれたりしたら、大変なことになるぞ」

「ああ、恐ろしい!」


 といった感じで、戦々恐々としていたのだが、これは司祭の言葉で何とかなった。


「皆の者、落ち着きなさい!山のように巨大な体。白い鱗に覆われた神々しいお姿。これぞ。伝説の蛇神様に違いない!さあ、皆の者、蛇神様に祈りをささげるのだ!」


 その司祭の言葉で村人全員が「はっ!」っと我に返ると、一斉に地面にひれ伏し。


「蛇神様。ありがたや」

「蛇神様。どうか我らにお力を!」


 そうやってひたすらヤマタノオロチにお祈りを始めたのだった。

 その中には当然のように族長もいて。


「まさか。蛇神様にお会いできるとは。ありがたや。ありがたや」


 さっきまで俺のことを疑わしげに見ていたくせに、ヤマタノオロチに対してそうやって地面に頭をこすりつけ、何度も何度もお祈りの言葉を言っていた。


 それを見て、何だかな、とは思ったもののさすがの族長もヤマタノオロチを信仰する心は厚いんだなと感心するのだった。


★★★


 それはともかく、俺はヤマタノオロチにここへ呼んだ用件を伝えることにした。


「それで、な。ヤマタノオロチよ。お前をここへ呼んだのは、な。俺たちがお前に認められた者だと証明してほしくて呼んだんだ」

「証明?それは異なことを申されますな。あなた様には、私が認めたあかしとして私の鱗をお渡ししていたはずですが」

「それが、な。そこにいるこの村の族長が、鱗がお前に貰った物かどうか疑わしいって、信じてくれないんだ」

「なんと!そのようなことが!」


 俺に事の経緯を聞いたヤマタノオロチはとても驚き、やがてちょっと怒った顔をしながら族長を睨みつけ、ドスがきいた声でこう言うのだった。


「族長よ。そなた、私がホルスト殿に差しあげた鱗を私があげた物ではないと疑ったりしたのか?」


 そうやってヤマタノオロチに睨まれてしまった族長は完全にビビってしまって。


「いえ、あの、その。何と言いますか。一応蛇神様が遣わした方々のことは信じていたのですが、蛇神様が渡した鱗かどうか確信が持てなかったので、万が一のことを考えて……」


 と、しどろもどろな言い訳をするのみだった。


 これに対してヤマタノオロチの方の態度ははっきりしていた。

 その程度の族長の言い訳では満足せず。


「要するに、お前は私が渡した鱗ではないかもと疑ったという訳だろう。私が認めた者以外に鱗を渡すわけがないであろう。そんなこともわからぬとは……族長ともあろう者が情けないぞ!」


 そうやって族長を厳しく追及するのだった。

 こうなっては族長も抵抗のしようがなく。


「も、申し訳ありません!」


 最後はひたすらヤマタノオロチに謝るのみだった。


 このまま行けば、族長の権威は失墜し、村人たちからの信頼もなくしそうな雰囲気であった。

 そうなってはまずかった。

 このまま族長の権威が失墜してしまってはこの村が混乱する可能性がある訳だが、それは俺の望む所ではない。


 それに族長が失脚してしまっては、息子のセイランも困ってしまうことになる。

 友人であるセイランがそんなことになるのは絶対避けたかった。


 ということで、俺は助け船を出すことにした。


「まあ、ヤマタノオロチ。そんなに族長を責めてやるなよ」

「しかし、ホルスト様……」

「俺たちは別に何とも思っていないからさ。それに族長には村を守るという重大な責任があると思うんだ。だから俺たちがお前の鱗を持ってきたとしても、一応は疑ってかかって万が一に備えねばならないっていう族長の立場もよくわかるんだよ。だから、そのくらいで族長のことは許してやってくれ。それよりも、族長に俺たちのことを頼んでくれよ」

「わかりました。ホルスト様がそうおっしゃるのなら族長のことは許すとしましょう。そういう事で、族長よ。ホルスト様にきちんと謝罪するのだ」

「はい。ホルスト様、蛇神様。皆様方に失礼な真似をして申し訳ありません」


 ヤマタノオロチに言われて族長が謝ってきたので、「別に気にしていないから構わないよ」と、俺も族長のことを許し、和解が成立したのだった。


 それを見て、ヤマタノオロチは族長にこう言ってくれたのだった。


「それでは、族長よ。こうしてホルスト様とのわだかまりも解けたことだし、以後は協力してホルスト様のお手伝いをするのだ。わかったな?」

「ははーー。必ずや!」


 と、こんな感じで俺たちは蛇人の協力を取り付けることに成功し、協力して神聖同盟のダムの討伐することになったのであった。


★★★


 その夜、嫁たちと話し合った。

 場所はセイランの屋敷の離れだった。俺たちが正式に『蛇神様に認められた者』と認定されたので、族長が「ここをお使いください」と、離れを貸してくれたのだった。


 ちびっ子二人を寝かせた後、俺と嫁たちだけで話し合った。

 話し合いの内容は例のダムの件についてだったが、そんなに長い話し合いではなかった。


「旦那様。こんな豊かな自然がある場所にダムなどを造って環境破壊を行う神聖同盟を見逃すわけには行けません!」

「その通りです。こんな場所で環境破壊をするなどもってのほかですよ」

「その通りだね」

「これはそのダムをぜひぶち壊さなければなりませんね」


 と、ダムを破壊する方向で全員の意見が一致したからである。

 というか、それ以外の結論はあり得ないので、この結論でよいと思う。


 話し合いの後は久しぶりにみんなで寝た。

 全員で少しお酒を飲んで眠くなった後、俺の上下左右に嫁さんたちが布団を置き並んで寝た。

 夫婦生活こそなかったものの久しぶりに嫁さんたちの良い匂いを嗅ぎながら寝られたので、俺的には大満足の夜だった。


 そして、満ち足りた気分で眠りにつきつつ俺は思うのだった。


 ようやく神聖同盟の装置の一つに辿り着けそうだ。明日から頑張るぞ。

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