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今ならもれなく女神がついてきます~一族から追放され元婚約者と駆け落ちした俺。 食うためにダンジョンに挑み最強の力を得たまではよかったが、 なぜかおまけで女神を押し付けられる~  作者: 暇潰し請負人
第22章 強固な結界からプラトゥーンクローンを引きずり出すために……。ホルスト、世界の果てへ赴く!
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第603話~セイランとの交流~

 俺が助けた蛇人は、スネークヘッド族の族長の息子セイランと言う男だった。


 自分の名前を名乗り、お礼を言ったセイランだったが、それ以上は何も話さなかった。

 それ以降は俺たちのことをじっと見ているだけである。


 蛇人は人間嫌いだ。

 そう聞いていたので、多分セイランも俺たちのことを警戒して、俺たちのことをじっと見て観察しているのではないと想像している。


 ただ、俺たちを見るセイランの目にはとても好意的な色も混ざっていたので、実はそこまで警戒していないのかもしれない。

 本当、本心がどこにあるのかよく分からない奴である。


 それはともかくまずはセイランを治療してやることにする。

 俺が戦っている間に水を吐き出させて意識を取り戻してはいたが、まだ本格的な治療は行っていなかった。


 それでこれから治療を始めるわけだが、何せセイランはあの食肉植物に水中に引きずり込まれていたからな。

 その時に怪我をしたのだろう。

 体中擦り傷だらけだった。


 それにあの食肉植物、毒もまいていたからな。

 表面上は何ともないように見えるが、もしかしてセイランも毒を飲んでいるかもしれない。

 その可能性がある以上、セイランにも毒消し薬は飲ませておくべきだと思う。


 以上の方針で、セイランの治療を開始だ。


 まずはヴィクトリアが治癒魔法をかけてやる。


「『上級治癒』」


 ヴィクトリアの魔法でセイランの全身の傷がたちまち癒えて行く。

 さすがはヴィクトリアの治癒魔法である。効果抜群であった。


 それで、次は毒消し薬を飲んでもらうことにする。


「ネイア」

「はい、どうぞ」

「ほら。セイラン、こっちの薬も飲んでくれ」


 ネイアに言って毒消し薬を出してもらい、それをセイランに渡した。

 セイランはそれを受け取るだけは受け取ったが、受け取ったままじっと薬を見つめるだけで飲もうとはしなかった。


 う~ん。これはもしかしてこの薬に何か変なものでも入っていると思われたかな。

 まあ、蛇人は人間嫌いらしいからやっぱ警戒されたか。


 とはいえ、飲まずに本当に毒で死なれても困る。


 さて、どうすべきか……。


 俺はセイランの気持ちを理解しつつもどうすれば飲んでもらえるか考えた。

 その結果。


「おい、セイラン。そのビンを貸してみな」


 セイランからビンを受け取り、ふたを開け、一口飲んだ。

 これは俺が薬を一口飲んで、この薬に害が無い事を示すためである。


 俺がそうやって一口飲んだ後は。


「ほら、何とも無いだろう。これは単なる毒消し薬だ。さっきお前を襲っていた魔物は毒をまき散らしていた。もしかしたらお前も毒を飲んでいるかもしれない。だからこの薬は飲んでおいたほうがいい」


 そう言いながらもう一度セイランに薬を渡した。すると。


「わかった。人間の薬なので、何か入っていたらと思って飲むつもりは無かった。だが、お前が飲んだのを見て何も入っていないことがよく分かった。飲ませてもらおう」


 と、言いながらようやく飲んでくれた。

 そして、飲んだ後はこう言って謝って来た。


「よく考えたら、お前たちは命の恩人だ。その恩人が好意でくれた薬を何かが入っているのではないかと疑うのは非常に失礼だったな。謝罪させてもらう。すまなかった」


 そう言いながら、セイランは頭を下げてきた。


「別に謝る必要はないよ。蛇人が人間をよく思っていないなのは承知している。だから、お前が俺たちのことを多少疑ったところで仕方がないと思っている。だから気にするなよ」

「そうか。そう言ってもらえるとありがたい。ところで、まだお前の名前を聞いていなかったな。命を助けてもらったのに、その命の恩人の名前も知らないのではきちんとお礼もできない。是非お前の名前を教えてくれ」

「俺の名前はホルストだ。それで、こっちにいるのは俺の家族だ」

「そうか。ホルストというのか。良い名前だな。それでは、命の恩人の名前もわかったことだし、もう一度きちんとお礼を言わせてもらおう」


 そう言うと、セイランは俺の正面でキチンと相対し、頭を下げながら、きちんとお礼を言ってくれたのだった。


「私の名はセイラン。スネークヘッド族の族長の息子だ。ホルスト殿。この度は私を助けていただき、ありがとうございました」


★★★


 この一連のやり取りの後、ようやく俺たちに対する警戒心を解いてくれたのか、セイランは色々と話してくれるようになった。


「そうか。お前は嫁や子供たちと旅をしているのか。それは良いことだな」

「ああ、そうだな。俺も良いことだと思う。お前さんには嫁はいるのか?」

「俺はまだ結婚はしていない。父と母、それとまだ幼い二人の弟たちと一緒に暮らしている」

「そうなのか。まあ、家族仲良く暮らすのはいいことだと思うよ」

「私もそう思うよ。お前の方こそ、たくさんの嫁さんたちや子供たちと仲が良さそうじゃないか」

「当たり前だろ。家族は俺の宝物だからな」


 こんなたわいのない家族についての話から始まり。


「なあ、蛇人って普段何食べてるんだ?」

「蛇人は主に狩りで生活している。だから、必然的に肉をよく食べるが、木の実とか果物とかもかなり食うな」

「そうなんだ」

「で、お前たちの方こそ何を食うんだ?」

「俺たちも大体のものは食うよな。お前たちのように肉や果物も食うし、その他チーズやケーキなんかのお菓子も食うぞ」

「ケーキ?何だ、それは?」

「甘くておいしい食べ物さ。食べたいんだったら、うちの嫁さんが大量に持っているから後で食べさせてやるよ」

「それは楽しみだ」


 と、食べ物の話をしたり。


「そういえば蛇人って酒も飲んだりするのか?」

「ああ、飲むぞ。何せ私たちが信仰する蛇神様はお酒が非常に大好きと言われているからな。だから蛇神様に倣って、私たちも酒を非常に好み、多くの酒を飲むのだ」

「ふ~ん、お前たち、酒が強いのか。うちのエリカとどっちが強いんだろうな」

「なに?お前の嫁さんも酒に強いのか?」

「ああ、そうだ」


 と、酒のことまでとにかく色々と話した。


 そうやって段々と打ち解けて行くうちに、俺は物ごとの核心にあたる部分をセイランに聞いてみた。


「ところで、セイラン。一つ聞いてもいいか?」

「なんだ?」

「お前、こんな辺鄙な場所にある底なし沼で一人でボートに乗って何をしていたんだ?差支えなければ教えてくれないか?」

「それは……」


 俺のこの質問に対して、セイランは一瞬言いにくそうな顔をしたが、やがて話してくれる気になったのか、物凄く真剣な顔になるとこう言うのだった。


「実はこっちにはきれいな水を探しに来たんだ」

「きれいな水?」


 きれいな水を探していると聞いた俺はどういうことなのだろうと思った。


 聞く話だと、蛇人たちはきれいな水がある場所に集落をつくるということだった。

 それなのにきれいな水を求めてこんな辺鄙な所へ来るというのは意味が分からなかった。


 俺はセイランに質問を返した。


「なあ、セイラン。きれいな水を探しに来たって言うのはどういう事なんだ。良かったら話してくれよ」

「実は……」


 その質問に対してセイランから返ってきた答えは、驚くべきものだった。

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