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今ならもれなく女神がついてきます~一族から追放され元婚約者と駆け落ちした俺。 食うためにダンジョンに挑み最強の力を得たまではよかったが、 なぜかおまけで女神を押し付けられる~  作者: 暇潰し請負人
第22章 強固な結界からプラトゥーンクローンを引きずり出すために……。ホルスト、世界の果てへ赴く!
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第586話~嫁たちとの作戦会議 静かなる谷について~

 こんにちは。エリカです。


 今から今後の方針についての作戦会議をします。

 今回の議題は、『フソウ皇国における特殊魔法陣装置の捜索方針』です。

 今の所神聖同盟の装置がある可能性の高い場所の情報は『静かなる谷』だけなので、今回はこれについて話し合うことになりました。


 最初に会議の口火を切ったのは旦那様でした。


「それでは会議を始めるぞ。まずはエリカ。『静かなる谷』についてわかっていることを話してくれ」

「はい。旦那様」


 旦那様の指示を受け私はは、一冊の本を取りだしました。

 その本を見たヴィクトリアさんが私に聞いてきました。


「エリカさん、その本は?」

「私がこの国の図書館から借りてきた『静かなる谷』に関する地誌です」


 私が出したのは『静かなる谷に関して書かれた地誌でした。

 皇王陛下との謁見まで数日あったのでその間に図書館に行って探し出してきたのです。


 珍しい本だったので探すのも大変だったのですが、結構分厚い本だったのでそれ以上に中身を読み解いてまとめるのにも苦労しました。


 しかし、これもアリスタ様の神命を成し遂げ、その後皆と楽しい家庭を築いていくためです。

 このくらいの苦労何ともありません。

 むしろこのくらいの苦労で事態が先に進むのなら安いものです。


 そんな訳で、今回は私が調べてきた内容を参考にして旦那様が話を進めてくれるはずです。


 え?『静かなる谷』の情報はこれだけなのかって?

 ええ、この本しか情報はないのです。

 他のみんなも冒険者ギルドへ情報収集に行ったのですが、何せ禁足地のさらに向こうにあるような場所です。


「『静かなる谷』?そんな名前の場所があるってことくらいは聞いたことがあるなあ」

「『静かなる谷』だって?あそこに行くのは止めときな。あそこに立ち入って帰って来た冒険者はいないぜ」


 そんな情報とも言えない情報しか得ることができなかったみたいです。

 残念ですが仕方ないですね。


 ということで、私が今から『静かなる谷』について話しますので、旦那様、その後のことは頼みますよ。


★★★


 会議を始めるにあたって、最初にエリカが『静かなる谷』について書かれた地誌の内容を要約して話してくれた。

 それによると。


「『静かなる谷』は『火の山』を越えた先にある切り立った崖が並ぶ深い渓谷です。古来より地の力の終着点と呼ばれている場所で、この谷を越えると不毛の大地となり、しばらく何もない平原が続いた後、陸がなくなって海が見えるようになるそうです」

「なるほど。地の力の終着点ね。だから『静かなる谷』で地脈のエネルギーの及ぶ豊かな土地は終わりで、その先は不毛の土地、さらには海になる訳か。白狐の言っていた通りだな」


 じゃあ、『静かなる谷』の土地の状態はどうなんだろうか。

 そう思った俺はエリカに質問してみる。


「ふーん。『静かなる谷』までは確かに地脈が続いているようだな。それで、肝心の『静かなる谷』はどどんな場所なんだ」

「この本によりますと、『静かなる谷』は切り立った崖の多い場所で、一見太陽の光があまり届ない感じがして、植物などあまりないように思えるそうなのですが、意外にも植物は多いそうです」

「そうなのか?」

「はい。地脈が近いせいか、その大地は地脈から流れてくる栄養で満ちている上、一日のうちの何時間かは真上から強力な日光が降り注ぐので、十分に植物は育つとのことです」

「ふむ。なるほどな」


 深い谷と聞いて植物は少ないのかなと思っていた俺は、エリカから意外な説明を聞いて驚いたのだった。


 ただそこは深い谷。

 全部が全部、植物が生えた森という訳ではないようで。


「ただし。『静かなる谷』には植物の生い茂る森も多いのですが、ここには高い所から水が多く流れて来るので沼地や池などの湿地帯になっている個所も多いそうです。まあ、これは仕方がありませんね。『水は高き所から引く気所へ流れる』。これは自然の摂理ですから。湿地帯の移動は大変でしょうが、ここは頑張るしかないでしょう」


 とのことだった。

 『静かなる谷』の地理情報はこの位だったが、エリカの話にはまだ続きがあった。


「それと、『静かなる谷』には正体不明の人たちが住んでいるようです」

「正体不明の人たち?」

「はい。正体不明の人たちです。何でもよそから来た人たちを排除し、自分たちで独自の生活を維持する孤高の民族らしいですよ」

「よそ者を排除ねえ。そんなのがいるのか」

「はい。いるみたいですよ。ということで、接触してしまったらまず生きては帰れないそうなので正体不明という事らしいです。ただ蛇神様を信仰しているということはわかっているそうです」

「蛇神様?ヤマタノオロチのことかな?というか、何で正体不明なのにそんなことがわかるんだ?」

「なんでも蛇神様をかたどった人形が発見されたことがあるそうで、それで蛇神様を信仰しているとわかったそうです」

「なるほど。エリカのおかげで『静かなる谷』については大分わかったな。ありがとう」


 これでエリカの説明は終わりだった。


 ということで、そろそろ『静かなる谷』攻略の話に移ろうと思う。


★★★


「さて、エリカの話を聞いたところで、『静かなる谷』に行く上で何か意見はあるか?」


 エリカの話が終わった後、俺は嫁たちに意見を求めた。

 すると、まずリネットが手を上げてきた。


「はい。アタシから言ってもいいかな?」

「いいよ」

「アタシの意見としては、『静かなる谷』に沼とか多いんだったらそれ用の装備を持って行った方がいいと思うな」

「なるほど、確かにな」


 確かに沼地とか湿地帯は普通の装備では動きづらいからな。

 そういった装備は確かに必要だと思う。


「よし、リネットの案は採用だな。出発前に装備を買っていくとしよう」


 ということで、リネットの案は採用となった。

 リネットの次に提案してきたのはネイアだった。


「『静かなる谷』には正体不明の人たちが住んでいるという話ですが、私たちが『静かなる谷』へ行く以上その人たちとの接触は避けられないと思いますが、どうでしょうか?」

「そりゃあ、そうだな。多分接触するだろうな」

「でしたら、その人たちのことを事前にもっと知っておく必要があると思います。幸いなことに彼らは蛇神様を信仰しているという話です。でしたら、『静かなる谷』へ行く前にヤマタノオロチの所へ寄って情報の収集をしていくのはいかがですか?」

「ヤマタノオロチに会って行くのか。確かにそれは良いアイデアだな」


 ネイアの言うことはもっともだった。


 何者かは不明だが、彼らがヤマタノオロチを信仰しているというのならば、ヤマタノオロチが彼らのことについて知っている可能性は高そうだった。


 目的地の『静かなる谷』はとても複雑な地形らしいので、そこから神聖同盟の連中の装置を発見するのは大変だと思う。

 ならば、少しでも捜索の足しになることはしておきたかった。


「うん。ネイアの案も採用だな。他に意見はあるか?」

「はい!」


 今度手を上げたのはヴィクトリアだった。


「何だ?ヴィクトリア」

「ワタクシとしてはヤマタノオロチちゃんの所へ行くのならお酒をいっぱい持って行ってあげたらいいと思います。ついでにお肉とかも。そしたら、ヤマタノオロチちゃんも機嫌よく話してくれるんじゃないかと思います」


 そのヴィクトリアの話を聞いた俺は、うん?と思った。

 それって、お前がただ単に御馳走食べてお酒飲みたいだけなんじゃ……。


 一瞬そう疑ってしまった。


 でも、ヤマタノオロチって大酒飲みらしいから、酒やおつまみを持って行ってやるのは悪くはないかも。


 ただヤマタノオロチは酒が大好きらしいことを思い出すと、(俺の考え過ぎかな。ヴィクトリアを疑い過ぎかな)と思い直し。


「そうだな。確かにヤマタノオロチに手土産を持って行くべきだな。よし!湿地帯用の装備を買うついでにお土産も買うか」


 と、賛成したところ。


「やった!これでまたおいしいお酒が飲めそうですね」


 と、自分では聞こえていないと思っているのだろうが、ヴィクトリアが小さい声でポツリと呟くのが聞こえてきた。


 それを聞いてしまった俺は、やはり自分が飲み食いしたかっただけかと呆れたが、結局のところヤマタノオロチに手土産が必要なのは間違いないので、何も言わないことにした。


★★★


 こんな感じで会議をした結果。


「それじゃあ、まずは町で湿原用の装備やヤマタノオロチへのお土産など必要な物品を購入。そして、ヤマタノオロチの所へ行って情報収集。然る後に『静かなる谷』へ向かう。この方針でいいな?」

「「「「はい」」」」


 ということで話がまとまり、会議終了と相成ったのであった。


 そんな訳で、明日は買い出しにキョウの町へ行こうと思う。


 ここで買い物をするのは久しぶりなので、楽しみにすることにして、この日はゆっくり休むのだっと。

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