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今ならもれなく女神がついてきます~一族から追放され元婚約者と駆け落ちした俺。 食うためにダンジョンに挑み最強の力を得たまではよかったが、 なぜかおまけで女神を押し付けられる~  作者: 暇潰し請負人
第22章 強固な結界からプラトゥーンクローンを引きずり出すために……。ホルスト、世界の果てへ赴く!
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第583話~フソウ皇国皇王への謁見 その2 白狐との宴にて転移魔法陣装置の情報を得る~

 白狐の屋敷に移動した俺たちは、早速宴を開始した。


「ヴィクトリア」

「ラジャーです」


 俺に言われてヴィクトリアが収納リングから用意してきたお酒や料理を取り出し、机の上に置いて行く。

 それを白狐の配下の人間の姿に化けた狐たちが、皿に盛り付け、お膳に乗せて俺達の前に並べて行く。


 五分もしないうちに並べ終わると、宴の開始だ。


「かんぱ~い!」


 俺が音頭を取って挨拶をすると、全員が飲み始め、食事を食べ始める。


 宴で飲む酒は主にはさっき市場で買っておいたフソウ酒だ。

 白狐はフソウ酒が好きで、お神酒として捧げられたフソウ酒をよく飲んでいるらしいので、白狐の好みに合わせたのだ。


 フソウ酒は無色透明な水のような酒だが、見た目に反してアルコール度数は高い。

 ただ飲み心地はすっきりとしているので、とても飲みやすくはある。


 飲みやすいので、嫁たちもどんどんと飲んで行き、あっという間に酔いが回って行ったようで。


「あら、ホルストさん。何だか今日はとても素敵ですね。もっと近寄ってもいいですか?」

「ホルスト君。今日のホルスト君は輝いて見えるよ?もっと仲良くなりたいな」

「ホルストさん。今日は離さないですよ」


 と、何だか知らんが酔っぱらったヴィクトリアとリネットとネイアの三人が俺に迫ってくる始末だった。


 お前ら、白狐や他の狐たち、それに子供の前でそんなことをするなよ。

 俺的には嬉しいけど、恥ずかしいだろうが!

 酔っぱらっているとはいえ、いい加減にしろよ!


 本当、酒豪であるエリカが一人だけ正気で、「いい加減にしなさい!」と止めてくれなかったらどうなるかと思うと、冷や汗ものだったぞ。


 まあ、いいや。


 ヴィクトリアたちが暴走しかけたこと以外は、白狐やその眷属、他のみんなも飲めや、歌えやの楽しい宴をできたとと思うので、俺としては満足だ。


★★★


「ホルスト様、先程の件についてお話ししましょうか?」


 宴もたけなわになった頃、白狐がそう俺に話しかけてきた。

 どうやら神聖同盟の装置について知っていることを話してくれるようだ。


「ああ、よろしく頼むよ」


 もちろん俺は白狐の提案を了承し、宴会場を離れて別室に向かったのだった。


★★★


「それで、白狐。神聖同盟の装置に心当たりがあるということだったが、どういう事なんだ?説明してくれないか?」


 白狐と一緒に別室に移動した俺は、白狐と向かい合って座ると、単刀直入に質問した。

 それに対して、白狐は淡々と説明を始めてくれた。


「これは私の友人のヤマタノオロチから聞いた話なのですが、ホルスト様はヤマタノオロチがいる『火の山』のことはご存じですね」

「ああ、知っているよ」


 俺は『火の山』のことは当然知っていた。

 確かフソウ皇国の禁足地で火山地帯で地脈のエネルギーの活発な地域だ。


 あそこにはプラトゥーンの体の一部から生まれた魔獣『キングエイプ』が封じられていたはずだ。

 初めての四魔獣との戦いで、ヤマタノオロチと協力して戦って何とか封印に成功したのは今となっては良い思い出である。


「それで、その『火の山』がどうかしたのか?まさか神聖同盟の装置がそこにあるのか?」

「いいえ、そうではありません」


 白狐が『火の山』の話をするものだから、てっきり装置が『火の山』にあるのだと思った俺は、そう質問したのだが、白狐から返ってきたのは否定の返事だった。

 ただ、白狐の話は『火の山』で終わりではなく、続きがあった。


「実は『火の山』を突っ切り、『火の山』の山からさらに南の方向へ行くと、『静かなる谷』と呼ばれている場所があるのです」

「『静かなる谷』?そこはどういう場所なんだ?」


 『静かなる谷』。


 聞き覚えのない地名だったので、俺は白狐に問い返した。

 すると、白狐はこう答えるのだった。


「『静かなる谷』は、海底火山から火の山へと続く太い地脈の流れの終着点にあたる場所なのです」

「海底火山から火の山へと続く地脈の終着点かあ。なるほどなあ。海底火山と火の山は同じ地脈の上にあったのか。だからキングエイプと地脈の封印の場所が違っていたのか」


 白狐の説明を聞いた俺は、なぜキングエイプの封印場所と地脈の封印の場所が違っていた理由にようやく思い至った。

 他の地脈では四魔獣のすぐ近くに地脈の封印があったのに、キングエイプの側に地脈の封印は無く、海底火山にあった。

 それはこの二つの地点が同じ地脈で繋がっていたからだと可能だったという訳か。


 そして、その地脈の長さを利用し、魔獣と地脈の封印を別にして封印を解きにくくしていたという事か。

 多分他の場所では地脈がそこまで長くなかったので、できない芸当だったのだと思う。


 ヴィクトリアのお父さんが別れ際に、「あそこは特殊な場所だから、四魔獣と封印の遺跡を分けている」と言っていた意味がようやく分かったのだった。


「うん。あそこの地脈の終着点ね。それはわかった。それで、神聖同盟の奴らがそこに装置を置いていると思う理由は?」

「それは簡単な話です。あそこは地脈が沈み込んで行く場所故入り組んだ渓谷になっているので、大掛かりな装置を作っても気がつきにくいのです。それにあそこは『火の山』を越えた先にあるほとんど人が立ち入ることがない場所です。あそこにわざわざ行く人間などまずいません。それに」

「それに?」

「ヤマタノオロチの管轄は火の山なので、その先の『静かな谷』は入っていないのです。ですから、あそこなら我ら神獣の目も欺けると思うのです」

「なるほどな、よく分かった。色々教えてくれて、ありがとうな」

「いえ、どういたしまして。ホルスト様たちには娘の件でもお世話になっているので、当然のことです」


 これにて、白狐からの説明は終わりだった。


 話が終わった俺たちは別室を出ると宴会場へと戻って行った。


★★★


 一番重要な用件が終わったので、宴会場に帰った俺はゆっくりと宴を楽しんだ。


「ほら、エリカ。もう一杯くれ!」

「はい、旦那様。お注ぎします」


 もう遠慮する必要がないので、エリカをはじめとする嫁たちに順番にお酌をしてもらって、随分と飲んだ。


 それは白狐も同様だったようで。


「さあ、私にもお酒をください」

「はい、白狐様」


 と、配下の狐たちに酒を注いでもらってたくさん飲んで、とても楽しそうだった。


 こうして、俺たちと白狐との宴は成功に終わり、俺たちは楽しい一時を過ごせたのだった。

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