第564話~海底王への報告 そして、地上へ戻る~
『ナウル火山の遺跡』を出た俺たちはトリトンの町へと戻って来た。
「今、戻ってきたよ。うまい具合に目的を果たすことができたよ」
「本当ですか?すぐに海底王陛下に報告してきます。少々お待ちください」
町の入口で門番に首尾よく地脈を封印できたことを告げると、門番は海底王に報告すべく王宮へとすっ飛んで行った。
それから待つこと一時間。
ガラガラガラ。
城門の側の側の待機スペースで待っていた俺たちの耳に馬車の車輪が回る音が聞こえてきた。
見ると、何台か馬車がこっちへ向かって走って来ていた。
それを確認した俺たちは待機スペースから出て馬車を待つ。すると。
「ホルスト様。お待たせいたしました。海底王陛下がお待ちです。馬車にお乗りください」
と、使者が馬車から降りてきて、俺たちにそう告げてきたのであった。
「わかった。すぐに行こう」
当然俺たちは使者に促されるまま馬車に乗り、王宮へと向かったのだった。
★★★
王宮へ到着した俺たちは、すぐに謁見の間へと案内され、海底王と謁見した。
「ホルストよ。この度の『ナウル火山の遺跡』の探索ご苦労であった。それで首尾よく行ったのか?」
「はい。海底王陛下。私どもは幾つもの試練を突破し、見事地脈の封印を成し遂げました」
「そうか。よくやった!さすがはホルストである」
俺の計画がうまく行ったと報告を受けた海底王は非常に喜んでくれた。
そこまでは良かったのだが、俺達にはまだ報告すべきことがある。
「それで、海底王陛下。実はまだ報告すべきことがあるのです」
「ほう、何だ」
「実は依然フソウ皇国で鍵が盗まれるという事件がありまして」
「鍵?何の鍵だ?」
「『アルキメデスの鍵』というものです。それで、その鍵なのですが、実は私たちが必死で封じようとしている邪悪な存在の魂を封じ込めておくための鍵なのです」
「邪悪な存在の魂を封じ込めるための鍵?そのような鍵があるのか?それで、お前たちがそのことを世に話すということは、もしかして??」
海底王のその問いかけに、コクリと頷きながら俺は答える。
「陛下の想像通りでございます。この度の冒険で、その邪悪な存在の魂が既に復活していた事が判明しました」
「何と!そのようなことになっていたのか!」
俺の邪悪な存在の魂が復活していたという報告に海底王は驚いた。
そして、すぐに具体的にどうなっているのか、続きを話すように求めてきた。
「それで、その魂が復活したとして、この先世界はどうなっていくのだ」
「セイレーン様のお話だと、今回で地脈の封印は完了したので邪神の本体が復活する事は無くなったので、後は頑張って魂を封印すればよいとの話です」
「そうなのか?ということは邪悪なる存在は復活しないということなのか」
「はい。完全復活はないと思います。ただし、今回の場合、邪悪なる存在はクローンというまがいもののの肉体を所有しておりまして、それを使って抵抗してくるみたいです。だから、魂を封印するには骨が折れると思われます」
「まがいものの肉体?そんなものがあるのか?」
「はい。ですから、まがいものとは言え今の邪悪な存在は一応肉体を持っています。だから、最後っ屁に何かしでかしてくるかもしれません。私どもとしては、そのことを世界の国々に伝え、警戒を促していく所存でありますが、ここ海底王国においても十分に警戒していただくようにお願いします」
「相分かった。そなたの忠告に従うとしよう」
「よろしくお願いします」
これで、海底王との公式な謁見タイムは終わりだった。
俺達の成果も十分報告できたし、プラトゥーンに警戒するように伝えることもできたので充実した時間を過ごせたと思う。
★★★
その後は、俺たちの今回の苦労をねぎらうために海底王が食事会を開いてくれた。
王宮の大広間に机が並べられ、贅をつくしたコース料理で饗応された。
「うん。今日の料理は宮廷の料理人が精魂込めて作られたということで、とてもおいしいですね。ワタクシとても気に入りました」
「そうね。りょうが少ないのがちょっと不満だけど、これはこれでおいしいから良しとするわ」
コース料理なので量は少なかったが、ヴィクトリアとセイレーン、、よく食う奴らが味だけで十分に満足した位にはおいしかったので良かったと思う。
さて、そんな感じで食事をした後は、地上へと帰ることにする。
「海底王陛下、お世話になりました」
「うむ。そなたたちも火k続き邪悪なものの魂の封印、頑張るのだぞ」
最後に海底王と別れの挨拶を交わした後、潜水艇に乗ってトリトンの町を離れる。
「『空間操作』」
そして、海上まで出たところで、魔法で一気に移動する。
向かった先は当然。
「ノースフォートレスの町。ようやく帰ってきたな」
俺達の家がある町ノースフォートレスの町だった。
「ただいま」
「あ、ホルストさん。お帰りなさい」
町の門番にそう声を掛け、そのまま家へと帰って行く。
さて、これでようやく海での冒険は終わりだ。
後は頑張ってプラトゥーンの奴を追い詰めて行こうと思う。




