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第557話~ナウル火山の遺跡 第七階層 前編 嫁たち、おじいさんからの報酬をとても喜ぶ~

 第七階層は今までの階層、いや今までのどこのダンジョンでも見たことがないエリアだった。


「宮殿エリア?しかも物凄く清掃が行き届いていてきれいだ」


 転移門を抜けた先には物凄く豪華な宮殿があったのだった。


 宮殿エリア自体は他のダンジョンでも見たことがあるが、あっちは宮殿でも朽ち果てた感じだった。

 それに比べてここは破損とかもなくきれいなままだった。


 ただし、人気は全くなかった。

 猫の子一匹の気配すらない。

 こんなに手入れが行き届いた宮殿なのに物凄く静かだな、と思っていると、横からヴィクトリアのおじいさんが説明してくれた。


「ここはここまで来られた者のための休憩場所として私が用意した特別な場所だ。ゆっくり休んで行きなさい」


★★★


 おじいさんが特別に用意したと豪語するだけあって、ここの宮殿での休息はとても快適だった。


「ようこそ、いらっしゃいませ!」


 宮殿の中に入るとたくさんの美人メイドさんたちが待ち構えていて、それらのメイドさんが全力でお世話してくれるのだった。


「うわーい。ふかふかのベッドです~。気持ちよく寝られそうです~」


 ヴィクトリアはメイドさんが用意してくれた久々のふかふかのベッドで、久しぶりに気持ちよさそうに横になっているし。


「う~ん。ここのお酒はちょっとアルコールが強い気がしますけど、とても甘みがあっておいしいですね。それにこのおつまみの鮭のチーズ焼きという料理もとてもお酒に合いますね。最高です」


 エリカもメイドさんが出してくれた美味しいお酒とおつまみに舌鼓を打っていたし。


「ネイアちゃん。ここのお風呂は泡立っていてとても気持ちいいね」

「そうですね。リネットさん。この泡風呂っていうお風呂は、見た目も良いし、肌触りも良いですね。その上、このお風呂ってお肌にも良いそうですよ」


 ネイアとリネットはメイドさんが準備してくれた仲良く泡のお風呂を満喫しているし。


「銀姉ちゃん。ここのプリン。とても甘くて、おいしいよね」

「本当だね。おいしいね」


 ホルスターと銀はメイドさんにおやつのプリンを作ってもらって、嬉しそうに食べていた。


 俺もここのメイドさんに肩を揉んでもらってくつろいでいる。


「お加減はいかがですか?」

「うん、とても気持ちがいいよ」


 ここのメイドさんはマッサージがとてもうまく俺としても十分に満足している。


 なお、ここのメイドさんたち、人間ではない。


「ここのメイドは全員魔道人形なのだよ」


 そうヴィクトリアのおじいさんが教えてくれた。

 まあ、ここの宮殿に来た時、生命の気配がしなかったので生物がいない気がしていたのにメイドさんたちが大勢いたものだから驚いたものだったが、おじいさんの説明を聞いて納得できた。


 というか、魔道人形って機械の一種だよね。

 それなのに見た目が人間と区別がつかず、とても美人でとても親切だとかちょっと信じられなかった。

 精巧過ぎてとても人間に作れる代物ではないのだ。


 その点をおじいさんに聞いてみたところ。


「実はな、神々の中には人形をこよなく愛する神がいてな。そいつに頼んで作ってもらったのよ。どうだ。よい出来であろう」


 との話だった。どうやらここの人形たち神様お手製の品ということのようである。

 なるほどそれならばこれだけの動きをするのも納得できるのだった。


 さて、メイドたちの性能の良さの原因もわかったことだし、ここにいる間はのんびりと休憩を楽しむことにしよう。


「メイドさん。今度は腰の辺りを揉んでください」

「畏まりました」


 ということで、俺は引き続きマッサージをしてもらい、至福の時を過ごすのであった。


★★★


 そうやってのんびりしながら、旅の疲れを癒していると。


「ちょっと来なさい」


 と、おじいさんに呼ばれた。

 俺と仲間たち全員でおじいさんについて行く。

 すると、おじいさんはとある部屋の前で立ち止まると、俺たちにこう言うのだった。


「この部屋にはこの遺跡をここまで来られた者たちに渡すべく特別な品を集めておる」

「特別な品ですか?」

「その通りだ。この世界でかつて作られた魔道具や異世界の文明の利器。そういった品がここにはある。どれもお前たちの生活を豊かにしてくれるものだ。まあ、ここまで来た者たちへのちょっとした報酬だ。好きなだけ持って行きなさい」


 どうやらおじいさんはこの部屋に俺たちに対する報酬を用意してくれているらしい。

 まあ、ここまで来るのに大変苦労したからな。

 その苦労に見合った分の報酬をくれるというのだろう。

 そういう事なら遠慮なくもらうとしよう。


「では、ありがたくいただきます」


 そう言うと、俺たちは部屋に入って中の品物を見てみるのだった。


★★★


 部屋の中は見たことがない品物でいっぱいだった。


「旦那様、旦那様。この機械、先っちょの泡立て機がグルグル回っています。なんかすごいですね」

「ああ、エリカさん。それはハンドミキサーです。卵とか小麦粉とか、かき混ぜるのに便利な機械ですよ」

「そうなんですか?まあ、これなら混ぜるのに力を使わなくてお料理に便利ですね」


 エリカはハンドミキサーとかいう機械を見つけて、先っぽをグルグル回して使い方を試しているし。


「ホルスト君、見て、見て。このうちの潜水艇のスクリューみたいなのが付いている機械。勝手に回って風が吹いているよ」

「ああ、それは扇風機ですね。夏に使うと、程よい風が吹いてきて気持ちいいんですよ。あ、それとその回っているのはスクリューではなくてファンって言うんですよ。まあ、似たようなものなんでどっちでもいいですが」

「そうなんだ。確かに夏とかにこの風は気持ちいいだろうね。それに訓練で汗を流した後なんかにも、これは良さそうだね」


 リネットは扇風機とかいう風を起こして涼を取る機械が気に入ったようで、早速自分に使って涼んでるし。


「この蓋を閉じると、水が出てくる機械は何に使うのでしょうね。とても不思議な機械ですね」

「それは自動食器洗い機ですね。中に食器を入れると水が出てきて、勝手に洗ってくれるんですよ。仕事とかで忙しい人には便利な品ものですよ」

「自動食器洗い機ですか。世の中にはすごいものを作る人もいるんですね。私も皆でいる時はいいんですけど、仕事が忙しくて家に帰れない時、寮に泊まった時にこういうのがあると楽でいいですね」


 ネイアは俺たちと離れて寮に泊まったりした時に便利そうな自動食器洗い機とかいう機械に興味を示しているし。


「ねえ。銀お姉ちゃん、このお馬さんのお人形、背中に何か鍵みたいなのが付いているよ。何だろうね?」

「こっちの狐さんのお人形にも付いているね。何だろうね」

「ああ、それはゼンマイを回して動かすおもちゃですね。ほら、このゼンマイを回すと……」

「あっ。本当だ。お馬さんが動いた!わーい」

「こっちの狐さんも動きましたよ」


 と、ホルスターと銀は珍しいおもちゃを見つけて喜んでいる。


 かくいう俺も。


「なあ、ヴィクトリア。この足元が動く機械。これ何に使うんだ?」

「ああ、これはルームランナーというトレーニングマシンですね。雨とかで外で運動できない時に室内で歩く運動をするのに使うんです。ここのスイッチで床の動くスピードを変えられるので、きつい運動をしたいときは速く動かせばかなりの運動になりますよ」

「本当か!それは使えそうだな」


 と、俺はルームランナーとかいうトレーニングマシンを気に入ったのだった。

 これは雨の日や夜に訓練するのに使える。そう思ったからだ。


 というか、ヴィクトリア、お前ってここの品物に詳しいな。何でそんなに詳しいんだ?


 そう思った俺が聞いてみると。


「まあ、ワタクシも一応女神で異世界に行ったこともありますからね。こういう便利な品物のことは結構知っているんですよ」


 とのことだった。


 そうだ。すっかり頭の片隅から抜け落ちていたけど、こいつって女神様だったんだっけ。

 全然そんな気配を感じないから、こいつのこと普通の人間みたいに思っていたけど、確かに女神だった。

 となれば、こういう異世界の品に詳しいのも当然なのかもしれない。

 一応神様って色々な世界を管理しているそうだから、色々と知っているものなのだと思う。


 なお、そんな女神らしくない女神であるヴィクトリアが気に入った品は。


「ワタクシはこの低反発枕が良いですね。とても寝心地が良いんですよ」


 何か知らんが枕だった。これを使うと首がいたくなくて良いらしい。

 あまりにもヴィクトリアにふさわしいチョイスだったので、やはりヴィクトリアはヴィクトリア何だと、俺はホッとできた。


★★★


 そんな風に俺たち全員お気に入りの物を見つけたわけだ。


 ただ、この部屋には他にもいろいろと便利そうな物が置かれている。

 それで、おじいさんはこれらを全部くれるという。


 これらの品の大半は俺たちの世界にはないものばかりだ。

 それらを俺たちの世界に持ち込んでしまったら、もしかして文明のバランスが崩れてしまうのでは?


 ガラにもなくそんな心配をしてしまった俺はおじいさんに聞いてみた。


「おじいさん。これらの品物を本当に持って帰ってもいいのですかね。あまり見たことがない品物ばかりなので、これらを持って帰ったりしたら、世界の発展とかそういうのに影響が出たりしませんか?」


 それに対しておじいさんはこう答えるのだった。


「そんな心配は無用だ。これらの品はこの世界でも生産可能なものばかりだ。これらを持って帰っても、文明がどうとかそういう事にはなりはせんよ。というか、これらの品を量産して広めれば、この世界の発明家の意欲を刺激して文明が良い方向に発展して行くと思うぞ」


 ふーん。おじいさんの見解によると、これらの品の普及はこの世界のためになるとのことだった。

 ということなら遠慮せず持って帰って、世界中に普及させて、更なる文明の発展を促すことこそ俺たちの責任だと思う。


 そう考えた俺はおじいさんにお礼を言う。


「わかりました。それでは持って帰って、色々と普及させて文明が発展するように頑張ってみます」

「うむ、期待しているぞ」


 こうして俺たちは珍しいものを色々手に入れたのだった。


 果たしてこれらが普及した世界がどのようなものになるのか。

 非常に楽しみである。

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