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第550話~ナウル火山の遺跡 第三階層 初期都市 後編 VS.ミノタウロス~

 入り口の扉を開けて中へ入ると、物凄く獣臭い臭いがした。


 もしかして、ここのボスって獣型の魔物だったりする?


 そう思いながら奥へと進んで行くと、奥の方には玉座らしきものがありそこには誰かが座っていた。


「何だ人型の魔物か。てっきり獣型の魔物かと……」


 俺がそこまで言った時、玉座に座っていた何者かが立ち上がってこっちへ向かって来た。

 そして、その何者かの頭を見た時、俺はギョッとした。


「頭が牡牛で体は人間の魔物!?」


 というのも、ここのボスは体は人間だが頭は牡牛の魔物だったからだ。

 そんな俺の驚きに対して、ヴィクトリアのおじいさんが説明するように言う。


「あれこそ異世界からこの世界へとやって来た半人半獣の魔物。ミノタウロスよ」


★★★


 おじいさんの説明はまだ続く。


「私のオヤジがまだ封印される前。セイレーンの前の海神の話よ。ある時、とある世界で人間が海神への供物として牡牛を捧げたのよ。その牡牛が見事なものだったので海神は喜んだのだが、いざ献上する時になって人間の王がやはり牡牛が惜しくなってその牡牛を横取りしたのよ。それで怒った海神が王の妃に呪いをかけ、妃が産んだのがミノタウロスよ。その後ミノタウロスはその世界から異世界へ追放されたのだが、どうやらその追放された異世界から出てきて、ここの地下迷宮を支配したようだな」


 セイレーンの前の海神の呪いで生まれた怪物ねえ。

 しかも異世界から来た、と。

 最初の世界の『漆黒の霧』と言い、この世界っていろいろな化け物が他の世界から来ていたんだな。


 と、変なことに関心を抱いた俺だったが、まあどこ出身だろうと関係ないか。

 さっさと倒して、遺跡の場所を教えてもらうだけの話だ。


★★★


 ミノタウロスとの戦いが始まった。


「ココマデクルトハ、ニンゲンメ。ヤルデハナイカ!ダガ、ソレモココマデダ。シヌガヨイ!」


 牛の頭ではあるが、ミノタウロスは人語を理解し話せる様で、そんな捨て台詞を吐くと俺たちに襲い掛かって来た。

 バカでかい両手斧を大きく振りかぶり、俺達へ迫ると襲い掛かって来る。


「危ない!」


 俺はとっさに指示を出し、全員を後ろに下がらせる。

 ドッゴーンと、すさまじい音とともにミノタウロスの斧が俺たちがいなくなった後の地面に命中する。

 ミノタウロスに攻撃された地面は爆発を起こし、立間土地深さ十メートルほどの穴が生じる。


 危なかった!下手に攻撃を受けたりせず、避けて正解だった。

 俺は自分の直感に従って正解だったとホッとした。


 そして、それと同時にミノタウロスのことが大分わかって来た。

 奴は、その行動を見るに、どうやらパワーで押してくるタイプの魔物の様だった。


 ならば対処法はある。

 さて、反撃開始だ。


★★★


 俺は仲間たちへ指示する。


「奴は下手に複数で攻撃するよりも一対一で仕対応が楽だと思う。だから俺が前で出てミノタウロスを攻撃する!お前たちはもしもの時のために待機しろ!」


 そう言い残すと、前へ出てミノタウロスに一対一の勝負を挑んでいく。

 ミノタウロスが大きく斧を振り下ろしてくるのに対して、俺は剣を横に薙ぎ払うように振るう。

 交錯する剣と斧。


 次の瞬間。


 スパーン!という音とともにミノタウロスの頭に生えてある角のうちの一つが空中へと飛んだ。

 俺がミノタウロスの斧を避けると同時に、薙ぎ払った剣でミノタウロスの角を切り落としたのだった。


「ギャアアアア!!!!」


 角を切り落とされたミノタウロスが絶叫する。

 それと同時に、ミノタウロスの全身から生命力や魔力といった力が抜け出て行くのが感じられた。

 どうやらミノタウロスにとって角こそが力の源だったようで、その片方を失った今急激に力を失ったようだ。


「今がチャンスだ!」


 そう判断した俺は、もがき苦しむミノタウロスに近づくと、


「『フルバースト 究極十字斬』」


必殺剣で一気に決着を図る。


「グハッ!」


 その一撃でミノタウロスはバラバラに切り裂かれ、断末魔の悲鳴を残して絶命した。


 こうして俺たちはミノタウロスを倒したのだった。

 後は依頼を成し遂げた証拠としてミノタウロスを回収し、警備隊へ報告するだけである。


★★★


 ミノタウロスを見事倒し、その遺骸を回収した俺たちは地上へ帰ろうとした。


「『空間……』」


 そうやって、魔法を使って地上への転移門を開こうとしたところで、ヴィクトリアのおじいさんが話しかけてきた。


「ちょっと待ちなさい」

「何でしょうか、おじいさん」

「お前たちに一つ良いことを教えてやろう。あそこの壁の所、隠し部屋があるぞ」

「隠し部屋?本当ですか?」

「もちろんだ。お前の作ったマップを見てみろ。ちゃんと書いてあると思うぞ」

「どれどれ」


 おじいさんに言われた俺はマップを確認してみる。すると。


「お!確かに部屋みたいなものが奥にあるな」


 確かに部屋らしきものがあったので、そっちの方へ行ってみる。


「えい!」


 そして、問題の壁を思い切り押してみると、パカッという音とともに壁に扮した隠し扉が開き、隠し部屋が現れたのだった。


「本当に隠し部屋があったな。それでは行ってみるとしますか」


 こうして隠し部屋の中へと俺たちは入って行くのだった。


★★★


「うほー。お宝がいっぱいだ!」


 隠し部屋に入って中を見た俺は、思わずそううなった。

 隠し部屋は十メートル四方ほどの広さだったのだが、その中は金銀財宝といったお宝でぎっしりと埋まっていたのだった。

 それを見て嫁たちも喜んでいる。


「これでまたお金が増えて、私たちの幸せな生活に一歩近づきました」

「やったですね。これでまたおいしいお菓子が買えますね」

「やはり何回冒険しても、こうしてお宝を手にする瞬間はたまらないよね」

「すごい財宝ですね。これだけの財宝を隠し持っているとか、ミノタウロスってがめついんですね」


 と、三者三様の感想を漏らしている。

 まあ、うちの嫁たちってあまり物欲はない方ではあるが、お宝が目の前に現れると喜ぶからな。

 俺も嫁たちのそんな笑顔を見るのは嬉しい。

 だから頑張ってミノタウロスを倒してお宝をゲットできて良かったと思う。


 それはともかく一つ気になったことがある。


「ミノタウロスはこの町の人たちを襲っていた。だとしたらこのお宝の中には町の人たちから奪った物があるかもしれない。そう言うのは町の人たちに返すべきなのでは?」


 折角の金銀財宝だが、もしこの中にこの町の人たちからミノタウロスが略奪したものがあるのなら町の人たちに返すべきだろう。

 俺がそう考え、どうやって返そうかと思っていると、ヴィクトリアのおじいさんがこうアドバイスをくれた。


「お前、もしかしてこの宝を町の人たちに返さなければならないと思っていたりするのか?だが、そんな必要はないぞ」

「そうなのですか?」

「そうだ。警備隊の者も言っておったであろう。魔物たちが現れて人々を襲っていたと。この迷宮の魔物たちは人を襲うだけで物を略奪などしなかったのだ。町さえ手に入れればまとめて自分たちの物になるのだからそんな必要はなかったのだ。だからここの財宝は、異世界からやって来たミノタウロスが異世界から持ってきた物なので、遠慮なくお前たちの物にするがよい」


 ふーん。なるほどね。ここの多からは別に町の人たちの物ではないのか。

 ならば遠慮は無用だな。


「それならば、ここのお宝はいただきますね」


 ということで、俺たちは無事にミノタウロスの財宝をすべて手に入れることができたのであった。


★★★


 その後、ミノタウロスの遺骸を警備隊に引き渡した俺たちは国王陛下と無事に謁見することができた。

 そして、謁見した国王陛下は俺たちにこう声を掛けてくれた。


「ホルストよ。この度の地下迷宮の魔物退治ご苦労であった。これで魔物の脅威も去り、町の者たちも平和に暮らせるであろう」

「ははっ!お褒めいただきありがとうございます」

「それで褒美の件だが、その他たち何やら遺跡の情報が欲しいそうだな」

「はい、その通りでございます」

「そういう事なら、王宮の老学者が詳しいであろう。彼に聞くがよい」

「はっ!ありがとうございます」


 ということで、すぐに老学者が呼ばれ、話を聞くことになった。

 老学者は遺跡を探しているという俺達の話を聞いてすぐにピンときたようで、こんな情報をくれた。


「この王宮の一角に『開かずの間』になっている場所がある。そして、その部屋には伝承があってな。『この国にやがて魔物が襲ってくる時が来る。その時に勇者が現れこの国を救ってくれるだろう。その勇者を開かずの間に案内せよ。開かずの間の扉には勇者を導く遺跡がある』と。お前たちが探しているのはそこのことであろう」


 あまりにもドンピシャな伝承でちょっと驚いたが、そこで間違いなさそうだった。

 そんなわけで。


「国王陛下。その『開かずの間』。私どもが利用しても構いませんか?」

「もちろんだ。好きにするがよい」


 国王陛下に許可をもらった俺たちはその開かずの間へと向かったのだった。


★★★


「これはセイレーン様の紋章」


 開かずの間に着いた俺は、その扉にセイレーンの紋章が描かれているのを見て驚いた。

 間違いなくここがそうだと確信した俺はそっと扉を押した。

 すると。


「おっ。扉が開いたぞ!」


 今まで誰も開けるのに成功した者がいないと聞いていた扉だったのに、何の抵抗もなくあっさりと開いたのだった。

 そのまま中に入ると、すぐ目の前に転移魔法陣があった。


「さて、ようやくこの階層もクリアだな。次へ行くぞ!」


 そして、俺たちは転移魔法陣へと入り次の階層へ向かうのだった。

 さて、次はどんな階層なのだろうか。

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