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閑話休題78~その頃の妹 売れるものは何でも売って借金を返します!~

 皆様、こんにちは。

 レイラ・エレクトロンです。


 競馬で負けて借金を背負ってしまった私は、借金を返すために必死に頑張っています。

 とりあえず借金を少しでも減らすために色々と売り払いました。


「もうこっちの服やローブは着ないかな。こっちのアクセサリーももう使わないかな」


 まずは着なくなった服や使わなくなったアクセサリーを売りました。


 ほとんど使っていなかったとはいえ、中には気に入っていたものもあったのですが、こうなっては仕方ありません。

 部屋の中を捜索して売れるものをマジックバッグに詰めて古道具屋に持ち込みます。


「すみません。こちらの商品を買い取ってほしいのですが……」

「買い取りですね?査定しますので少々お待ちください」


 そうやって古道具屋に持ち込むと、古道具屋の店主さんは喜んで買い取ってくれました。


 とは言っても、そこは商売。

 値段はそれなりにしかつけてくれませんでした。


「全部で銀貨二十枚になりますが、それでよろしいですか?」

「少し安くないですか?もう少し何とかなりませんか?」

「それでは銀貨二十一枚では?これ以上は上げられませんよ」

「わかりました。銀貨二十一枚でお願いします」


 私も粘ったのですが、銀貨二十一枚が限界でした。

 仕方なくそれで手を打つことにします。


「毎度あり」


 お金を受け取った私は店主に見送られて店を出ました。


 これで借金を少し減らすことに成功したわけですが、これではまだ心許ない気がしました。

 何せ借金には利息というものが付きます。

 それを含めて仲間たちに隠れてアルバイトで返すにはもう少し元金を減らして返済額を減らしたいところです。


 何か手はないかな?

 そう思いながら通りを歩いていると、あるお店が目に入りました。


「『髪の毛買い取ります。美容室アップル』?」


 そこには小さな美容室があって、売り物のウィッグが展示してあった。

 ウィッグは私の髪と同じくらいの長さで、値段は一つ銀貨二十枚くらいでした。


 銀貨二十枚か。


 私はしばらく立ち止まって悩んだ後、意を決してそのお店に入りました。


★★★


「あの。私の髪の毛を買い取ってほしいのですが」

「はい、喜んで買い取らせてもらいます。こちらへどうぞ」


 店へ入った私は髪の毛を買い取ってほしい旨を伝えると、そのまま女性店主に案内されて椅子に座らされてカット開始だ。


 今現在私の髪の毛は腰に届くくらいの長さがある。

 これを切るとなるのなら、本来は感傷に浸りながら名残惜しく切りたいところだが、生憎と店主はそんな暇を私に与えてくれない。


「では、切りますね」


 その一言で私の髪を目の横くらいの位置で容赦なく切って行く。

 え?そんなにバッサリ切るの?と思ったが、外に置いてあったウィッグは結構長かったので、あのくらいのウィッグを作るのには根元近くから切る必要があるのだと思う。


 ジャキ、ジャキ。

 大きな音を立てながら女性店主は私の髪を切って行き、切った髪を大事そうに机の上に並べて行く。


 ああ、私の髪の毛がなくなって行く~。もったいないよ~。

 髪の毛が切られるたびに私は心の中に髪の毛が惜しいという気持ちが沸き起こり、ハサミの音が耳に届くごとに背中にゾクゾクという嫌な感触を覚えたものだったが、今の私はまな板の上のコイ。されるがままでいるしかない。


 どうせ髪なんて、また伸びるんだから、レイラ、今は我慢よ!

 そう自分に言い聞かせて頑張って耐えた。


 五分もしないうちに長い髪がなくなると、仕上げのカットをする。


「なるべく可愛くしてください」

「了解よ。任せて!」


 私の最後のお願いを店主は快く聞き入れてくれて、残った私の髪を丁寧にカットしてくれた。

 その結果。


「あら、かわいいじゃない」

「そうですか?」


 私の髪型は可愛い感じの耳出しショートになった。

 襟足が少し短くなりすぎて刈り上げ気味になっているのが若干気になりはするが、町に行けばこの位の長さの女の子がたくさんいるので、これならば町で恥ずかしい思いをすることは無いだろうと思う。

 私は十分に満足した。


★★★


 家に帰ると仲間たちにショートヘアを驚かれた。


「どうしたの?その髪?」


 と、しつこく聞かれたが、「気分転換に切っちゃった」と誤魔化しておいたら、「そうなんだ」と、みんな納得してくれた。


 ちなみに私の髪の毛は銀貨十枚で売れた。

 ウィッグの売値が銀貨二十枚だったのでもうちょっと高く売れないかと交渉してみたのだが。


「この髪をいじってウィッグにしなければならないのにお金がかかるから、これ以上は無理ね」


 と言われてしまって、それ以上の値段では買い取ってもらえなかった。


 うかつなことに値段交渉をしたのが髪の毛を切ってしまった後だったので、私の方に価格交渉力がなく、この値段で売らなければ折角切った髪もゴミになるだけなので、これで手を打つしかなかった。

 残念だが諦めるしかなかった。


 とはいえ、これで借金が大分減ったので後は頑張って働こうと思う。


★★★


 大分借金が減ったとはいえ、借金返済のために追加で働くのはきつかった。

 冒険者としての仕事やボランティアの仕事などもあるので、アルバイトは日銭をもらえる単発のバイトを中心にやった。


「姉ちゃん、コロッケ三個ちょうだい」

「はい、コロッケですね。ありがとうございます」


 お総菜屋さんで売り子をやったり。


「レイラちゃん。そっちのベッドメイキングが終わったら、部屋のごみを捨てておいてね」

「は~い」


 ホテルの清掃の仕事をしたりと本当にいろいろとやった。

 短くなった髪の毛が頭皮から吹き出た汗でびちょびちょになるくらい一生懸命やった。


 これだけ一生懸命やっているのに借金は中々減らなかった。

 考えれば当たり前だった。

 これらのバイトで得られるお金はせいぜい銅貨数十枚程度。それに対して借金の残りは銀貨数十枚。

 普通の仕事で稼いだ分の内、自分のお小遣いの分も返済に回しているとはいえ簡単になくなるはずがなかった。


 とはいえ、借金を減らすためには働くしかない。


「今日も頑張るぞ!」


 そう自分にい聞かせて、私は今日も働くのだった。


★★★


 そんな中、私は懲りずにまた来てしまった。

 どこにかって?もちろん、競馬にだ。

 というのも。


「今日は頑張ってくれたね。おかげで大分売り上げがあったよ。だから臨時で賞与をあげよう」


 と、今日働いていた総菜屋さんの売り上げが良かったので、臨時で銅貨十枚余分にもらえたのだった。

 本当ならこのお金は借金の返済に回すべきなのだろうが、私は我慢ができずに競馬に来てしまったのだった。


 それで、その銅貨十枚で馬券を買った。

 だが。


「行け~!そこだ!マジンオー!差し切れ~!……ぎゃ~」


 当然、私が賭けた馬は見事に負け、闘技場に私の悲鳴が響いただけで終わってしまった。


★★★


 その帰り、私は思った。


 ああ、また懲りずに競馬に負けてしまった。

 ちょっと余分にお金が入ったと思えばすぐこうだ。

 私って、良いことがあったらすぐに調子に乗るし……本当に反省しない女だ。


 そうやって後悔したがもう遅い。使ったお金は戻ってこない。

 こうなったら私にできる事は一つしかない。


「なんとか兄嫁に借金のことがバレる前に借金を返せますように!そのために頑張って働こう!」


 そう最後の願いと決意を口にしながら、私はとぼとぼと家に帰ったのだった。

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