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閑話休題77~その頃の妹 ギャンブルで大負けする~

 レイラです。


 この前、借金をしてギャンブルの負けを回避して以来、ギャンブルの調子が思わしくありません。


「さあ、来い!来い!テイオウフォートレス!来て、私の負けを取り戻してくれ!さあ、そのまま差し切れ!差し切るんだ!あと少し!あと少し!……ギャアアアア。クビ差で負けた!ああ、惜しい!」


 今も私が賭けた馬がクビ差で負けてしまいました。

 これで今日は六連敗です。

 本当に調子が悪い。


 いや、今日だけではない。最近はずっとこんな調子だ。

 よく考えたらここ十日ほど一レースたりとも当たっていない。


 あれ?細かく計算していないけど、もしかしてすごく負けているのでは?

 そう考えた私は、終始メモを元に急いで計算してみる。すると。


「げっ。ここ十日で銀貨三百枚以上負けているじゃない!」


 いつの間にか銀貨三百枚以上負けていることに気がついてしまった。

 それまでの勝ちが確か銀貨二百枚行くか行かないかくらいだったから、気がついたらトータルでも負けていたことになる。


 しかも、競馬で勝つ度に私はお菓子を買ったり、欲しかったものを買っていたりしていたから、お小遣いを相当無駄遣いしたことになる。しかも。


「レイラさん、帰ったらお小遣いを何に使ったか、ちゃんとチェックしますからね」


 と、私が万が一にも無駄遣いをしないよう兄嫁にそう言い渡されている。

 そんな兄嫁にお小遣いが大分減っているのがバレたら大変だ。


「レイラさん。お小遣いが大分減っているようですが、何に使ったのですか?」


 そうやってお小遣いの使い道を追及されるに決まっている。

 私の競馬での負け分はかなりの金額で、お菓子を食べたなどという言い訳では通用しそうにない。


「大変だ!このままでは兄嫁にお仕置きされる!」


 そう思った私は、何とかこの状況を打破しようと、のたうち回るのだった。


★★★


 翌日、私は再び競馬をしに来た。


 手にした資金は銀貨百枚。

 手持ちのお小遣いでは足らないので、お金を借りてきた。


 もちろん前に投資した時のような闇金業者ではなく、冒険者ギルドと提携している普通の金貸しだ。

 冒険者を始めたばかりの冒険者にもお金を貸してくれるような業者で、ここで借金をして装備を整える子も多い。

 それで、ここでお金を借りた。


「それでは、こちらが貸出金の銀貨百枚になります」


 ギルドカードを見せて身分を証明したら、そうやって割と簡単にお金を借りることができた。

 意外にあっさりとしているなと思ったが、前に兄貴と一緒にダンジョンに行ってお宝を手に入れたりして、それをギルドに売ったりしたので、ギルドへの貢献が認められて、多少私の信用度が上がっているのだと思う。


 それで、この資金をどう生かすかというと。


「単勝オッズ二倍。一番人気のシュガーマリオンの馬券を銀貨百枚分下さい!」

「毎度!」


 大本命の一番人気の馬の馬券の一点買いだった。

 この馬はこのレースの圧倒的一番人気で、勝利間違いなし!と、私が思えるような馬だった。

 他にも気になる馬はいたが、今回はこれで行こうと思う。

 だって銀貨百枚くらい稼げれば兄嫁の目は誤魔化せるわけで、一番固い所に賭けて必要な分だけ稼げれば十分だからだ。


 それはそうと、そろそろレースが始まる。

 各馬が順番にゲート入りして発走準備完了だ!


「さあ、シュガーマリオン君。頑張ってね!」


 ゲートに入ったシュガーマリオン号を見ながら、私は必死にそう祈るのだった。


★★★


「ギャアアアアア!!!シュガーマリオン、何で負けちゃうのよおおおお!!!」


 シュガーマリオン号がブービーでゴールを駆け抜けるの見た私は、そうやって肺の空気を全部吐き出すかのような勢いで絶叫した。


 結論から言うと、私はこの大勝負に負けた。

 シュガーマリオン号はスタートダッシュが良く、道中一番手をキープしていたが、最後の直線で一気にごぼう抜きにされてしまった。


「ヒイイイイイ」


 その光景を見た私は悲鳴をあげたが、私にはシュガーマリオンが惨敗した姿を拝むことしかできなかった。

 そして、レースが終わった後に残ったのはハズレ馬券の山だけ。


 それを見た私はただ呆然とするだけだった。


★★★


 レースで敗北した後、家に帰った私はご飯も食べずに自分の部屋に直行した。


「レイラ。大丈夫?」


 ご飯も食べずに部屋に入った私を見て仲間が心配してくれたが、


「大丈夫だから心配しないで」


とだけ返しておいた。


 それはともかく私は布団の中で身悶えした。

 どうやっても気持ちが落ち着かなくて、変に頭を掻きむしったりもした。

 おかげで髪の毛が何本か抜け、それが汗でべっとりの手にくっつき気持ち悪かった。


 そうっやってじたばたしているうちに少し気持ちが落ち着いてきたので、今後のことを考えてみる。


 今回のことで私は銀貨百枚の借金を背負ってしまった。

 一発逆転を狙って、単勝一点買いという大勝負をして負けてしまったからだ。


「いいか。ギャンブルって言うのは負けているからと言って一発逆転を狙うものじゃねえぞ。そう言うのはたいてい負けると相場が決まっているからな」


 そんなことを師匠が言っていたのを思い出したが、今更手遅れだった。


 そう言えば、今の不調は師匠の教えに背いて借金をしてギャンブルをした時から始まっている。

 あの時はたまたまうまく行ったので借金など大したことないと思ってしまったが、今回は完全に失敗して火だるまになってしまった。


 やはり師匠の教えは正しかったのだ。守るべきだったのだ。

 私は自分の行いを後悔した。


 そして、この背負ってしまった借金をどうするかと考える。


 銀貨百枚の借金。今の私なら返済可能だと思う。

 兄嫁に管理されている口座から返済するのは無理だが、現在の所それなりの依頼を受け、それなりに稼ぐことができているので、頑張れば少しずつでも返していけると思う。


 問題はそれだと確実に兄嫁にバレてしまうことだ。

 何せ私がお金を借りた業者はギルドと繋がっているのだ。

 兄嫁が私の行動に不信を感じ、その気になって調べれば簡単に借金がバレてしまうだろう。


 そして、兄嫁が本気を出せば私が競馬をしていたことも簡単にバレてしまうだろう。

 その上で、借金と競馬。その二つが兄嫁の頭の中で結び付けば……私がどうなるか容易に想像がつく。


 どうしよう。本当にどうしよう。

 鬼の顔になった兄嫁を想像するだけで私は震えが止まらなかった。


 しばらくそうやって震えた後、気を取り直して私は作戦を考える。

 そうだ!とりあえず借金を急いで返済しよう!兄嫁に借金のことを気づかれる前に!

 そのためにバイトを増やしてお菓子も我慢しよう!

 幸いなことに兄貴や兄嫁はしばらく帰ってこないようだから、多分何とかなる!


 そうやって方針が決まった私はようやくホッとした。

 そして、すっかり精神的に疲れてしまったのでそのまま寝てしまった。


 しかし、この時の私は知らなかった。

 この後しばらくしたら兄嫁が帰ってきてしまうことを!

これにて、第20章終了です。

いかがだったでしょうか。

楽しんでいただけていれば幸いです。


21章は鋭意製作中です

頑張って書いていますが、まだ完成していません。

今まで通りに、二日に一回のペースで投稿していく予定ですが、投稿が多少不定期になる可能性もありますので、続きが気になる方はブックマークをしていただくと更新がわかって便利かと思いますので、是非ご利用ください。


あと、このページ下の★の評価や作品の感想などいただけますと、作者のモチベーションが上がりますので、そちらもお願いします。

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