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第504話~大海溝の遺跡 地下一階灼熱地獄風ダンジョン 対決!赤鬼の赤丸戦~

 『大海溝の遺跡』地下一階のボス部屋へと突入した。


 ここまでの道中も熱かったが、ボス部屋の中はさらに熱かった。

 とは言っても、部屋の中の気温が全体的に高いと言った感じではなく、部屋の奥の方から物凄い熱気が流れてきて、そのせいで熱いという感じだった。


 ということは、部屋の奥に何かいてそいつのが熱をまき散らしているのでは?

 そう思った俺たちは慎重に部屋を進んで行く。

 すると。


「お?何かいるな」


 部屋の奥には扉があり、その前に何かがいるのを見つけた。


「『神強化』。『神眼』発動』


 俺は『神眼』を発動してそれをじっと観察する。


「うん?何かが横になっている?」


 何かが横になって扉の前に横たわっているのが確認できた。

 俺達はそれが何かを確認するために近づくと。


「うわー、小鬼ちゃんです。かわいいです!」


 突然ヴィクトリアがそんなことを叫び出したのだった。

 その声を聞き、扉の前に横たわっていた存在がムクりと起き上がり、俺たちに向かって話しかけてきた。


「どうやら久しぶりに客人がやって来たようだな。お前たちは、ここを通って『海竜の徽章』を取りに来た者たちか?」

「はい、そうですが」

「そうか。我が名は赤鬼の赤丸。ここ『大海溝の遺跡』の地下一階を守護する者。さあ、ここを通りたければ、我を倒していくがよい!」


 どうやらこの先に行くにはこの赤丸という赤鬼の小鬼を倒す必要があるようだ。


★★★


 赤丸は上半身裸で虎柄のパンツをはいた小鬼だった。背丈は銀よりも少し大きいくらいで、自分よりもはるかに大きな金棒を持っているのが特徴である。

 赤丸は俺たち全員をぐるりと見まわすと、続きを話してくる。


「さて、戦いが始まる前にまずお前たちの名前を聞いておくとするか。さあ、名乗るがよい!」


 戦いの前に赤丸が名前を聞いてきたので、名前を名乗ることにする。


「俺の名前はホルストだ。そして、こっちの四人は俺の嫁たちで、こっちの子供たちは俺の息子とその婚約者だ。それと、こっちの二人は……」

「赤丸ちゃん、久しぶりね」

「赤丸よ。元気だったか?」


 俺が嫁たちと子供たちの紹介の後、セイレーンとおじいさんを紹介しようとすると、そうやってセイレーンとおじいさんが先に顔を出してきた。

 二人を見て、赤丸が驚いた顔になる。


「セイレーン様とクリント様?!まさかこのような所へおいでだったとは!お二人がおいでということはもしや?」

「そうなのよ。私たちはホルスト君たちの手助けをしつつ、事の次第を見届けるために来たのよ」

「ということで、お前たちの戦いに介入する気は無いから、通常通りにこの者たちと戦うがよい」

「わかりました。そういう事ならこちらとしても全力でやらせていただきます。ということで、ホルストとやら準備はいいか?」

「こちらはいつでも大丈夫ですよ」

「そうか。ならば、行くぞ!」


 と、こんなやり取りの後、俺たちと赤丸の対決が始まったのだった。


★★★


「それでは、クリント様たちもいらっしゃることだし、お前たちと戦うのに手加減はいらぬようだ。ということで、こちらも最初から全力で行かせてもらうぞ!はああああああ!!!」


 対決開始直前、赤丸はそう言うといきなり本気モードに入る。


 それまで銀より少し大きい程度の小鬼の姿だった赤丸の姿がたちまち変わって行く。

 手足や背丈がぐんぐん伸び、子供らしいプニプニした体つきが筋骨竜の立派なそれに変化して行く。

 頭の上にちょこんと乗っかっていただけの角も大きくなり、気がつくと赤丸は俺の背丈の倍はあろうかという立派な赤鬼となっていた。


「ああ、あの可愛かった小鬼ちゃんが、立派な鬼さんになっちゃいました。後で抱きしめてなでなでしようと思っていたのに!」


 それを見てヴィクトリアが驚きつつも残念そうな顔をする。


 というか、ヴィクトリア。お前こいつのこと後でかわいがろうとか考えていたのか。

 お前、本当可愛げな生き物がいたら、すぐに抱き着いて行くよな。ちょっと見境がなさ過ぎやしないか?

 まあ、別にいいけど。


 それよりも、本気モードになった赤丸を倒してさっさと先へ進むとしよう。


★★★


「さあ、行くぞ!」


 戦闘開始とともに赤丸が金棒を振り回しながらツッコんできた。

 赤丸は体の大きさの割に素早く、力も強かった。


「うりゃあああ」


 そう叫びながら俺たちとの距離を詰めると、先頭にいたリネットに一撃を入れて来る。


「くっ」


 リネットはとっさに盾を構えて防御態勢を取ったが、それで防ぎきれず、竪琴後ろへ吹き飛ばされてしまった。

 赤丸の力はその位には強かった。


「リネットさん!はああああ」


 赤丸がリネットに追撃を加える姿勢を見せたので、けん制のためにネイアが突っ込んで行く。


「『『武神昇天流 連武撃』!」


 そして、赤丸に連続攻撃を加えて行く。

 ボンッ、ボンッとネイアの拳が赤丸に命中し、赤丸がよろめく。


 しかし、そんなネイアに赤丸はすぐさま反撃をする。


「ブオオオオオオ」


 口から灼熱の炎を吐き出して、ネイアを攻撃し始めたのだった。


「なんの!」


 赤丸の攻撃の気配を察したネイアは、体を捻って炎を避ける。

 ネイアの動きは素早いので赤丸の炎を難なくかわす。

 ただ、赤丸の攻撃がこれで終わるわけもなく、さらにネイアに炎を吐こうと息を吸い込んだのが見えた。


 ネイアが危ない!

 そう感じた俺は赤丸に突っ込んで行く。


「うおおおおお」


 そして、赤丸に一撃を加えて行く。


「うぬ!」


 俺の攻撃を受けた赤丸は思い切り吹き飛び、壁に激しい音を立てながら激突する。


 今だ!

 そう思った俺は赤丸に追撃を加えるべく剣を構えて突撃して行く。


 壁に激突した赤丸は隙だらけだったので、このまま攻撃すれば勝利できるのか思って突撃して行ったのだが、そうは簡単には行かなかった。


「はあああああ」


 迫りくる俺に赤丸が強力な反撃を放ってきたのだった。


★★★


「『鬼神一撃粉砕撃』」


 追撃しようとした俺に赤丸はそうやって必殺技を放ってきた。

 かなり重そうな攻撃だった。


 このままではやられる!

 そう感じた俺はこちらも必殺剣を放つことにする。


「『神強化』。『一点突破』!」


 魔法で体を強化して準備もそこそこに必殺剣を放って行く。

 急いで放った一撃だったが、威力は十分だったようだ。


 ドガシャーーーン!!!

 技と技がぶつかり合いすさまじい衝撃波が周囲に走り、俺と赤丸が同時に弾き飛ばされる。


 ただ、この時俺はこの衝撃波に対抗した。


「『重力操作』」


 魔法を使って空中で体勢を立て直し、衝撃波で弾き飛ばされた赤丸に一気に迫る。

 そして……。


「どうだ、まだやるか?」


 俺は壁に激突して身動きが取れなくなっていた赤丸に剣を突きつけ、そう問うのだった。


「参った。我の負けだ」


 それに対して赤丸はあっさりと負けを認めたのだった。

 かなり強くていかにも武人という感じの鬼であった赤丸は、潔さも武人らしくて清々しいやつであったのだった。


 こうして俺たちは地下一階のボスを倒したのだった。


★★★


 赤丸とはその別れ方も爽やかなものだった。


「それでは、皆様、お気をつけて」

「ああ、ありがとう。それでは先へ行くよ」


 赤丸はそうやって丁寧な言葉で俺たちを見送ってくれたのだった。


「それでは赤丸。達者でやるのだぞ」

「またね」

「クリント様、セイレーン様。気を使っていただきありがとうございます」


 赤丸は俺の後にも挨拶をしてきたおじいさんとセイレーンにも丁寧に挨拶をして来たから、本当に礼儀正しい奴なのだと思う。

 そう言えば、赤丸の必殺技の名前に『鬼神』とか入っていたから、もしかして赤丸って鬼の中でも上位の存在なのかもしれなかった。


 まあ、いいや。どの道、地下一階はクリアできたことだし。

 これでようやくこの灼熱地獄風ダンジョンはクリアだ。


 さて、次はどんなダンジョンが待っているのだろうか。

 楽しみではあるが、できる事なら簡単なダンジョンがいいな。


 そう思う俺なのであった。

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