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第501話~大海溝の王者 巨大タツノオトシゴ~

 巨大タツノオトシゴが現れた。

 こっちへ向かってどんどん近づいて来ているそうだ。


 それを聞いた俺はすぐに戦闘準備に入る。

 席から立つと剣を掴み、外へ出る準備を整える。


 今回は俺一人で敵と戦うつもりだ。

 何せ潜水艇を一歩出れば高水圧の世界だ。

 何が待ち受けているかわからない。

 そんな危険な場所に家族を連れて行くわけにはいかない。


 俺は嫁たちと子供たちを呼ぶとこう宣言する。


「今回は俺一人で行ってくる。お前たちはノーチラス号を守ってくれ!」

「旦那様、お一人で行かれるおつもりですか。それは危険すぎます。私たちもお連れ下さい!」

「「「そうです。連れて行ってください!」」」


 そんな俺に対して嫁たちはそう懇願してくるが、俺は首を縦に振らない。

 逆に嫁たちを諭しに行く。


「ダメだ!いくら『海竜の加護』の効果があるとはいえ、外は危険すぎる。それにもし俺が負傷したりしたらその魔法の効果も解除されてしまうかもしれない。そうなったら、お前らにも被害が出てしまう。だから、お前たちは俺の代わりにホルスターたちを守ってくれ!頼むよ!」


 そう言いながら、俺は嫁たちを一人一人順番に抱きしめて行く。

 そうすると嫁たちもやっとわかってくれたのか、無理について行くとは言わずに。


「わかりました。旦那様がそこまでおっしゃるのなら、私たちは旦那様の無事を祈りながらお待ちしております。みなさんもそれでいいですね?」

「「「はい。ホルストさん、お気をつけて。無事に帰って来てくださいね」」」


 そうやって俺の無事を祈って、待つつもりになってくれたようだった。


「わかった。必ず帰ってくるよ。それと、ホルスターたちのことはよろしくな。それじゃあ、行くな。空間操作』」


 そして、俺は魔法を使って巨大タツノオトシゴの下へと出陣して行くのだった。


★★★


 潜水艇の外の世界は黒一色で何も見えなかった。

 本当なら潜水艇の光が見えてもよさそうなものだが、家族が戦闘に巻き込まれたりしないように潜水艇から少し離れた所に転移したので、それすらも見えていない。

 一応、出陣する時にエリカに『永続光』の魔法もかけてもらっているのだが、この程度の光では周囲の闇に対抗できそうになかった。


 そこで、潜水艇の外へ出ると同時に魔法を使う。


「『神強化』。『神眼』発動」


 神眼を発動する。

 すると一気に視界が明るくなり周囲二キロくらいまでは見渡せるようになった。

 俺の『神眼』ならば『永続光』の弱い光源でもこの位視野を広げることができるのだった。


 ただ視野を広げたは良いがまだ敵の姿はつかめていない。そこでさらに『生命エネルギー感知』を使う。


「お、あっちだな」


 すると俺の左方向から巨大な生命エネルギーを持った奴が近づいてくるのを感じた。


「『重力操作』」


 俺は魔法を駆使して、うまく重力を操れば高水圧下でもうまく動けるとセイレーンが教えてくれたのでその通りにやった、

そちらの方へ近づいて行く。すると。


「お、あれが巨大タツノオトシゴか」


 うまい具合に巨大タツノオトシゴと接敵することができた。


 ということで、戦闘開始だ!


★★★


 巨大タツノオトシゴは巨大な海中生物だった。全長三十メートルくらいはあった。


 ドラゴンに似ているからこの名前らしいのだが、ドラゴンと異なり手足はない。

 ただ、胸や背中の辺りはドラゴンのような固い鱗で覆われており、防御能力は高そうだった。


 それとドラゴンを名乗るにしては顔が緩い。普通のドラゴンの様に生還中付では全くなく、顔の線が緩くて見る人が見れば妙に愛嬌のある顔に見えるかもしれない。


 それでも凶悪な魔物であることに違いはない。


「ブオオオオオ」


 俺を発見するなり巨大タツノオトシゴはいきなり冷気ブレスを放ってきた。

 見かけによらず凶暴なやつだと思う。


 巨大タツノオトシゴの冷気ブレスは結構強力で、周囲の海水を凍らせながら俺に迫って来る。


 こんな高水圧の中でこんな攻撃を受けるのは危険だ!

 そう考えた俺はすぐに対応する。


「『神強化』!『重力操作』!」


 魔法で盾にブレス耐性を付与して防御しつつ、重力操作で場所を移動し、冷気ブレスを避けにかかる。

 そうやって避けた瞬間、ブオオオオと俺の側を冷気ブレスが通過する。


 危ない!間一髪だった!

 俺は一瞬肝を冷やしたが、これで敵の初撃をうまくいなすことができた。


 さあ!反撃開始だ!


★★★


 巨大タツノオトシゴの初激の冷気ブレスをうまく避けた俺は、一気に巨大タツノオトシゴへと接近する。


「ブオオオオ」


 そんな俺を巨大タツノオトシゴは再び冷気ブレスで迎撃してくるが。


「そんな馬鹿の一つ覚えな攻撃では俺にダメージは与えられないぞ!」


 今度は止まった状態ではなく、高速で動いている状態なので『魔力感知』を駆使してホイホイと避けることができた。


 そうこうしているうちにどんどん巨大タツノオトシゴに接近して行く。

 すると。

 ブーーーン。

 と、今度はその巨大な尻尾を振り回して攻撃してくる。


 強力な攻撃だと思うが、この程度の攻撃、俺は何度も受けてきた。

 だから逃げずに反撃する。

 愛剣クリーガを力強く握り、思い切り振り下ろす。

 ドガーン。力と力がぶつかり合う音がする。そして……。


「やったぞ!」


 俺の方が競り勝ち、見事巨大タツノオトシゴの尻尾を切り落としてやることに成功する。


「グモオオオオ」


 尻尾を切断された巨大タツノオトシゴは、絶叫をあげ立ち尽くす。

 この隙を俺が逃すわけがない。


「『極大化 天雷』!」


 巨大タツノオトシゴに向けて雷属性魔法を放つ。


「グググ」


 俺の魔法をもまともに食らってしまった巨大タツノオトシゴは、感電してしびれてしまったのか、ピクリとも動かなくなった。

 それを見て、俺はとどめを刺しに行く。


「『フルバースト 一点突破』」


 『生命エネルギー感知』で巨大タツノオトシゴの心臓の位置を把握すると、そこへ向けて必殺剣を放つ。


「グフウウ」


 俺に心臓を貫かれた巨大タツノオトシゴは断末魔の悲鳴を残しながら大海溝の闇の中へと消えて行くのだった。


★★★


「「「「お帰りなさい」」」」


 巨大タツノオトシゴを倒し、潜水艇へと戻った俺を嫁たちが温かく出迎えてくれた。

 そんな嫁たちを俺は一人一人抱きしめて安心させてやる。


 もちろん、嫁たちだけでなく他のメンバーも俺に温かい声をかけてくれる。


「パパ、お帰りなさい。あっという間に大きい魔物を倒してくるなんて、さすがパパだね」

「ホルスト様、ご無事で何よりです」


 子供たちもそうやって俺の顔を見てうれしそうにしてくれたし、セイレーンとおじいさんも。


「よく巨大タツノオトシゴを倒してきたわね。本当、無事に戻って来てくれてよかったわ」

「ふむ、巨大タツノオトシゴを無傷で倒してくるとは、やるではないか。まあ、無事で何よりだ」


 そんな風に俺の無事を祝ってくれたのだった。


 ただ、俺を見る時のおじいさんの視線がちょっときつかった。

 多分、俺とヴィクトリアがおじいさんの目の前で堂々と抱き合っていたのが悔しかったのだと思う。


 本当なら文句の一つも言いたかったに違いないが、時と場所をわきまえて我慢したという感じのようだ。

 それを見ると、本当におじいさんはヴィクトリアのことがかわいくて、仕方がないのだと思う。


 そんな感じでみんなから無事を祝ってもらえた俺はなんとなくホッとした気分になり、よくあんな場所から無事に帰ってこられたなと、つくづく思う次第なのであった。


 さて、こうして巨大タツノオトシゴも倒したことだし、これでこの大海溝の高水圧エリアも何とか突破して遺跡まで辿り着けそうだ。


 ということで、いよいよ遺跡の探索の開始だ!

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