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企画参加作品

夏のホラー2020:山手線代官山駅の怪

作者: 桜桃露雨


 JR山手線…渋谷駅と恵比寿駅が最終列車を見送りシャッターを閉じた瞬間に現れる代官山駅

 Bタンクにけん引された2軸の客車が今日も入線してくる。

 客車は4人掛けのクロスシートの向かい合う客室ごとに外部に扉がある文明開化を思い起こす古びた車両だ。

 詰襟にサーベルをぶら下げた駅掌が帽子を顔が見えないほど深くかぶり汽車を見送る…

 蒸気溜りを満たした蒸気が…シュウシュウと吹き出す汽車。

 誰にも見えない代官山駅だが稀に終電車を逃したものが迷い込む…客車に乗り込むと駅掌は扉を外についている閂で閉めて回り、安全を確認後に汽笛を一声し駅から滑り出る汽車。

 乗客はその瞬間すべての…存在自体がこの世から消え去り、今まで一緒に遊び歩いていたはずの友人すらすべてを忘れ去ってしまう…最初から存在しなかったように。

 今日も、代官山駅の扉が開くだろう。

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