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だいちゃんと仲間達の大冒険3  作者: 青空夢花
1/1

雲の王国はハラハラドキドキだよ


3人は言われた通り、道なりに歩いて行きました。

明るいトンネルの中をしばらく歩いていると、萌ちゃんが驚いたように言いました。



「トンネルがだんだん大きくなってる~」



美佳ちゃんと夏海ちゃんもキョロキョロ

(゜゜;)(。。;)しながらうなづきました。



「確かに最初の頃より、かなりトンネルが大きくなっているわね」



美佳ちゃんは、そう言うと、首をかしげました。しかも、先に進めば進むほど大きくなっていくのです。




「どうなってるの?

何か不思議の国に来ちゃった…みたいな…感じだわ」



夏海ちゃんがそう言った瞬間、



「キャッ‼」



美佳ちゃんが、悲鳴をあげました。



「どうしたの、美佳ちゃ…」



夏海ちゃんも言いかけて、



「キャッ(σ≧▽≦)σ」



と言いました。



「背中に羽が生えてる」



3人同時に言いました。



そうなのです。このアトラクションは、花の妖精に会いに行くのではなく、自分自身が『花の妖精』になれるんです。




「エエッ((((;゜Д゜)))。ウソ~」



3人は目を丸くして驚きました。つまりトンネルが大きくなったのではなく、3人の体が小さく小さくなっていったのです。




「信じられな~い(^o^)v。だけど、嬉し~い」



3人はウキウキソワソワした足どりで歩いて行くと、その先には花畑がどこまでも広がっていました。




「ひょっとしたら、私達…空を飛べるんだよね

(*^_^*)」



「美佳ちゃん、そうだよね。ほら、背中に羽が生えてるもの」



「わ~い、わ~い。

萌ちゃん、妖精さんになっちゃった」



萌ちゃんは、そう言うと背中の羽根をバタバタ羽ばたかせて、ふわりと舞い上がりました。




「うわ~、美佳ちゃん、夏海ちゃん…見て‼

萌…、お空を飛んでるよ~‼」



興奮して叫ぶ萌ちゃんを見て、「私も…」と、夏海ちゃんも羽根を羽ばたかせて、空高く飛び上がりました。

もちろん美佳ちゃんも飛びました。



3人は嬉しくて嬉しくてたまらないと言うように、空を飛び、疲れると花びらの上で休んだり、喉が乾くと花の蜜を吸いました。




「やっぱり来たわね」



聞き覚えのある声に振り向くと、先程のひまわり達でした。



ヒマワリA「絶対来ると思ったわ」



ヒマワリB「私も…」



そう言いながら、ひまわり達は嬉しそうです。



ヒマワリC「ひょっとしたら、妖精に会えると思ってた?」



「は…はい」



美佳ちゃんと夏海ちゃんは答えました。




ヒマワリC「やっぱりね。

でも、自分が妖精になれる方が楽しいでしょ?」



「うん…楽しい」



萌ちゃんは元気に答えます。




「でも、ビックリしました~。

マンガでは見たことあったけど…、まさか…私達が本当に空を飛べるなんて…夢のようです」



美佳ちゃんははしゃいで言いました。



ヒマワリD「私達も、皆が来るのを楽しみにしていたのよ」



ヒマワリE「だって、いつも同じメンバーでしょ。飽きてしまうわけよ」



ヒマワリA「歌ったり、おしゃべりするのも飽きてくると、ケンカごっこしたり…ね、フフフ…」



「さっきのはケンカしていたんじゃないんですか?」



美佳ちゃんが驚いたように言うと、



ヒマワリB「違うわよ。私達仲良しだもの、ねっ」



ヒマワリA「第一、皆同じような顔していて、誰が酷い顔なんて言えないわよ」




「確かに…(^_^;)」



夏海ちゃんは納得したように言いました。



すると、



「あ~ら、あなたたちもここにいたの?」



またしても後ろから聞き覚えのある声…。



「あ~、その声は健太郎ね」



夏海ちゃんは、振り返りなから言いました。



「ちょっと~、年上なんだから、呼び捨ては無いんじゃないの?


健太郎姉さんとか言ってくれない?」



健太郎は少し怒ってみせました。



「健太郎のお姉ちゃん」



萌ちゃんがふざけて言いました。



「まあ、なんていい子なのヾ(=^▽^=)ノ」



健太郎が頭を撫でようとすると、



「やっぱり、健太郎のお兄ちゃんだなぁ~」



ニタニタしながら萌ちゃんが言ったので、健太郎はガクリとしています。



「ハハハ…。さあ、健太郎行くぞ!!」



後ろの方から桃花さんが声をかけました。



「はあい、待って~。桃花ちゃ~んヾ(=^▽^=)ノ」



健太郎はそう言うと、桃花さんがいる方に行ってしまいました。




「はぁ~、桃花さん…やっぱり素敵だわ~(*´-`)」



夏海ちゃんがうっとりして言いました。



「女性だって分かっていても…やっぱりドキドキしちゃうよね~」



美佳ちゃんもため息をつきました。



美佳ちゃんと夏海ちゃんを交互に見ながら、萌ちゃんが、



「もっといっぱい遊ぼうよ」



と言いました。



「あ~、ごめんごめん」


「うん、行こう」



美佳ちゃんと夏海ちゃんが言い、3人は飛び立って行きました。その後ろ姿を見送りながら、



「こればっかりはねぇ…」


ひまわり達はため息をつくのでした。



「アトラクションがいっぱいあるから迷っちゃうね。


ねえ、ケインのおすすめのアトラクションってある?」



だいちゃんが尋ねました。



「みんな面白いけど、僕の好きなアトラクションは、『季節の丘』かな?」



「何か広い公園みたいなイメージ?」



要君が、興味無さそうに言いました。



「まあ、見た感じは広い公園に見えなくもないかな?」



ケインはニヤッと笑いました。



「まずはその…何とかの丘っていう所に行ってみようよ」



マイケルが言いました。



「うん」



ケインはにっこり笑いました。



「このアトラクションは一番遠い所にあるから汽車に乗って行くんだよ。


ほら、あれが駅だよ」



子供達の頭上10 m 位の所に駅らしきものがありました。駅まではガラス張りになったエレベーターで上がって行きました。



駅のホームは前も後も一面ガラス張りになっていて、遊園地が見渡せます。



「どう? 良い眺めでしょ」



ケインがニコニコしながら言いました。



「ホントだ!!

スゲーいい眺めだ!!」



だいちゃんは興奮して言いました。



「この遊園地おっきいね~。でも…下を見るとちょっと恐いかも…」



要君は、感動しつつも少し恐がっています。



「季節の丘は、あの辺なんだ」



「あの白っぽい山のある所?」



マイケルは怪訝な顔をしています。



「そう、あの雪を被った山だよ。」




マイケルは暑いアフリカから来たので、雪を見たことがありません。だから白い山が不思議に思えたのでした。



「つまり、あの山でソリに乗って遊ぶってことなのね」



要君が言いました。



要君はスキー場には行ったことがありましたが、スキーは出来ないので、ソリで遊んだり雪合戦をしただけでした。



「スキー場とは行っても、スキー滑れないからな~」



だいちゃんもあまり乗り気では無いようです。それよりも楽しそうなアトラクションはたくさんありそうに思えました。




「雪って冷たいんでしょ。僕寒いとこ苦手なんだよね」



マイケルも他のアトラクションの方に目が行ってしまうようです。




そんな3人にケインは笑顔で言いました。



「楽しいから行こう♪」



大人しそうなケインが半ば強引に言うので、3人は仕方なくついて行くことにしました。




ホームにはだいちゃん達の他にもたくさんの子供がいました。




「やあ、ケイン(^O^)/

今日は誕生日だね。おめでとう」



「ありがとう、ボブ」



「今日は地球の友達がたくさん来ているから賑やかで嬉しいね」



「うん、嬉しい(*^_^*)」



たくさんの子供達が気軽に話しかけてきます。



「ケイン王子お誕生日おめでとうございます」




そう言って声をかけてきたのは、駅員の服を着た



《熊》 ( ̄□ ̄;)!!



…でした。




だいちゃんと要君とマイケルの3人は、ビックリして目がテン(・・;)になり、固まってしまいました。




「そんな…驚かないで下さいよ。別に襲ったりなどしませんから」



クマの駅員さんはニカッと笑うと、



「まもなく汽車が参ります。」



と言いました。



しばらくすると、汽車が滑るようにホームに入って来ました。




汽車は黒っぽい車体で、旅行で見たSLに似ていました。そして、その頭からは蒸気が出ていました。



おおよそ、この未来型の遊園地には似つかわしくない外観です。汽車のドアが開くと、




「どうぞお乗り下さい。」



クマの駅員さんはそう言うと、自分も乗ってしまいました。



「あれっ? 駅員さんも乗っちゃった」



3人はビックリしています。




「地球では駅員は汽車に乗らないんですか?」



「乗らないですよ。

だって次のお客さんが、困っちゃうよ…ね~」



だいちゃんが言うと、クマの駅員さんは笑って言いました。



「それなら大丈夫。次の汽車には狸さんが乗るから…」



「は~、なるほどね」



3人は妙に納得したのでした。



「ドアが閉まりま~す。それでは、季節の丘行き発車しま~す」



子供達は、それぞれ好きな所に座りました。椅子もレトロな感じですが、座り心地はとても良いようです。



汽車は静かに動き出しました。眺めが良いからとだいちゃん達は先頭に座りましたが…。



汽車が動き出してすぐ、



「ワッ‼」

「キャー‼」

「ドキッ‼」



子供達はビックリして大声を出しました。



線路があるのは駅だけで、後は線路が無かったのです。



どうなってんの?



「まあ、じゅうたんも円盤も線路無かったし、同じようなものだと思えば良いじゃん」



「まあね」



要君の意見に納得するだいちゃんとマイケルでした。



「この汽車は大空さんのアイデアなんだよ。子供の頃に読んだ童話に、こういう汽車が出てきたらしいよ」



ケインの話に、だいちゃんと要君はなるほどと頷き、汽車の窓から見える眺めを楽しみました。



マイケルは、窓の景色を見ながらも、その童話を読んでみたいと思いました。



「アトラクションの90番から100番までは、この汽車で移動するんですが、皆さんは何番で降りますか?」



熊の駅員さんが言いました。



「100番‼」



子供達がいっせいに言いました。



「全員終点の『季節の丘』まで行くようですね。それでは、途中は通過します」



キラキラと流れる川のように輝く星を飛び越えて、龍のように体をくねらせながら、汽車は途中の駅を通り越して行きます。



そして、ついに『季節の丘』に到着しました。



駅のホームに降りると、ドリームスターの子供達の後ろに続き、ガラス張りになったエレベーターに乗り込みました。




下まで降りて来ると、目の前に『ようこそ季節の丘へ』と書かれた看板がありました。




看板の横には、西洋のお城を小さくしたような建物があり、ドアに『受付』と書かれています。



子供達の後に続いて入って行くと、



「ケイン王子お誕生日おめでとうございます。今日も楽しんで下さいね」



受付の若い男性が笑顔で言いました。



「有難う。今日もよろしくね」



ケインはそう言うと、スキー場の方に歩いて行きます。



「ねえ、ケイン。僕スキー出来ないんだけど…」



要君が言いました。



「僕は寒いのが苦手なんだよね」



マイケルが言いました。




「そんなの平気だよ」



ケインが何でもないように言います。




「平気って、…もしかして今からそりで遊ぼうとしてるの?」



だいちゃんは、わざわざここまで来て、そり遊びは無いよな~と思いました。




「違うよスキーだよ。


でも心配いらないからね。このスキー板は歩ける人なら、1才の赤ちゃんでも滑れるからね」




「エエッ、ほんとに?」


「最初からそう言ってよ」



だいちゃんと要君は安心してにっこり笑いました。



ケインは2人の喜ぶ顔を見て、次にマイケルに言いました。



「マイケル、このスキー場は寒くないんだよ。気温は18℃位。動いていると丁度良いよ。




「そうなの? うわっ、楽しみになってきた(*^O^*)ヒャッホー」




皆はスキーの板をセットすると、リフトで頂上に向かって行きました。



頂上に着くと、まずケインがスイスイ滑り降りて行きました。



「よーし次は僕が滑る」



ケインが身軽に滑り降りるのを見て、マイケルも滑って行きました。



マイケルは滑りながら、僕天才かも…と思いました。



続いてだいちゃんと要君が並んで滑りました。



初めてスキーをしたのに、自分でも信じられない位上手に滑っています。まるでスキーの選手になった気分です。



「こんなに上手ならオリンピックに出られるかもね」



要君が話しかけます。



「僕もそう思ってた」



だいちゃんも笑顔で言いました。




「わ~っ、楽しい(*^O^*)」



楽しくて夢中で遊んでいたら暑くなってきました。




「暑くなってきたでしょ。…この反対側のスキー場ですべろうか。


こっちは普通のスキー場とほぼ同じ温度になってるんだ」




このスキー場は、手前側が温かく、後ろ側が寒くなっているのでした。



リフトも手前から頂上までのものと、頂上から向こう側に行くものとあります。




「便利だね。それじゃ、少しだけこっちで滑ろうかな 。


そんで、また寒くなってきたら…こちら側で滑れば良いね」




だいちゃんと要君とケインは寒い方に行きましたが、マイケルは暖かい方でずっと滑りました。




しばらく遊ぶとお腹が空いたので、レストランに入りました。




「何にする?」



「どんなものがあるのかな?」



そう言いながらメニューを開くと、マイケルが持ったメニューはケニア料理に、だいちゃんや要君のメニューは日本料理に変わりました。




すごいな。

感心しながら、子供達はそれぞれの国の料理を注文しました。




「山のふもとでは、『かまくら祭り』と言うのをやっているんだよ」



ケインが言いました。



「かまくら? それは何なの?」



マイケルが尋ねました。




「それは…。

行ってからのお楽しみということで。…それじゃ、食べ終わったら行ってこよう(^o^)」



ケインはにんまりと笑いました。




「賛成‼ 


テレビでしか見たことないから、僕も見た~い(^O^)/」



だいちゃんは元気に言いました。




「僕も~(^O^)/」



要君も大きな声で元気に言いました。




2人を交互に見ながら


「僕も…」


マイケルも言いました。




「うん、分かった。

それじゃ、デザートはかき氷にする?」



「エエッ、かき氷? 」



だいちゃんと要君は顔を見合わせました。



「美味しいよ、あったかいかき氷」



「エエッ、あったかいかき氷? そんなの聞いたことないよ~」



だいちゃんと要君は声を揃えて言いました。




「これは健太郎さんのアイデアなんだよ」



「へえ~。そうなんだ…ちょっと食べてみたいな」



だいちゃんと要君とマイケルの3人は、かき氷を注文しました。味は好みで…。



「不思議だね。食感はかき氷なのに…あったかくて美味しいね」



4人はニンマリしながら食べました。そして、食べ終わると、さっそく『かまくら祭り』を見るために歩き出しました。




『季節の丘』の駅を通り越して、さらに坂道を降りた所にたくさんの『かまくら』がありました。




「これは桃花さんのアイデアなんだよ。桃花さんは北国で育ったから、ぜひ『かまくら』を置いて欲しいと言ったので作ったんだけど、割と人気あるんだよ。


皆、こんなユニークな建物は見たことないからね

(*^_^*)」



ケインが笑顔で説明するのを、3人は興味深いようすで聞いていました。




「へえ~、これが噂のかまくらか~」



要君が、そう言いながら中を覗いた瞬間…。



「あ~‼」



と大きな声を出しました。



「エエッ、どうしたの?」



だいちゃんも中を覗きこんで、



「あ~っ!!

桃花さんと健太郎だ!!」



と、驚いて言いました。




「…んもう、何よあなた達。ビックリするじゃないの、大きな声だして」



健太郎が言いました。2人はかまくらの中央にあるコタツに入り、テーブルの上で餅を焼いていました。



健太郎が焼き上がった餅に醤油を付け、焼き海苔を巻いて



「桃花ちゃん、は~い」



と言って食べさせようとしているところでした。



「と…突然入って…く…くるなよ。ノック位して…」



桃花さんは真っ赤になって言いました。




「ざぁ~んねんでした。どこにもドアはあ~りません」



マイケルがニカッと笑って言いました。



「ま…まあ、と…とにかく入りなさい。ミカンもたくさんあるし…(^_^;)」



桃花さんが言いました。



「それじゃ、お言葉に甘えて失礼しま~す(^o^)」



だいちゃんがかまくらの中に入って行きました。



「水入らずのところをすいませんねえ(´Д`)」



要君が入って行きました。



へえ、これがかまくらっていう建物か~。中に入ると以外と広いんだね

(゜_゜)(。_。)」



マイケルも入って行きました。



「お邪魔しま~す(*^_^*)」



最後にケインが入って行きました。




「あ~ら、ケインも一緒だったの? お餅も焼けてるからドンドン食べてね。


きな粉やゴマやあんもあるから、好きなのをつけて食べてね(^-^)」



健太郎がニッコリ笑って言いました。




6人で餅を食べたり、ミカンを食べたり、おしゃべりしたり楽しく過ごしていましたが、突然…



「あ~( ̄□ ̄;)!! 大変だ~‼」



マイケルが叫びました。



「ど…どうしたの(・・;)?」



驚いてだいちゃんが尋ねると、



「ここにいつまでもいたら、遊ぶ時間が無くなっちゃう!!」



マイケルは焦ったように言いました。




「大丈夫だよ。3日間もあるんだから…ねえ、だいちゃん(^o^)v」



要君が言いました。



「そうだよ、マイケル。

のんびり楽しもうよ(^-^;」




だいちゃんは、立ち上がろうとするマイケルの手を引っぱって座らせました。



要君もだいちゃんも、生まれて初めて入った『かまくら』に、感激していて、もう少しいたかったのです。




拓也君達は…



拓也君と優太君と翔君の3人は、皆と別れた後パンフレットを見ながら、どのアトラクションで遊ぶか相談していました。




「俺はジェットコースターがいいな」



拓也君が言いました。



「僕はお化け屋敷に行きたい」



優太君が言いました。大人しそうな優太君ですが、以外に怖いのが好きなようです。



「僕はゴーカートがいい。7才以上…だから大丈夫だよ。僕もう7才になったもん」



パンフレットを見ながら翔君が言いました。




その時、



「君達、一緒のグループにならない?」



後ろから声をかけられ、3人が振り向くと、そこにいたのは、拓也君よりずっと背の高い女の子と、5才位の双子の女の子でした。




「どうする?」



拓也君が、優太君と翔君を交互に見ながら言いました。



「僕は別にいいよ(^-^)」「僕も賛成(^O^)/‼

拓也君は?」



優太君と翔君は笑顔で言いました。




ところが拓也君は、

「う~ん( ̄~ ̄;)」

腕組みをして迷っているようです。



拓也君の頭には、お姉ちゃんの美佳ちゃんが浮かんだのです。



日頃は優しいんですが、クドクドと説教したりしてうるさいな~と思うことがたまにあるんです。



せっかく楽しんでいる時に、うるさく言われたら嫌だな~と思ったのです。



拓也君が考え込んでいると、



「お兄ちゃん、私達と一緒に遊ぶのが嫌なの?」



双子の女の子達は、今にも泣き出しそうです。



「あ~、ごめんごめん。

僕達で良かったら、一緒に遊ぼう(^_^;)」



拓也君は(泣き出されたら大変と)焦って言いました。



すると、双子の女の子達は、安心したようににっこり笑いました。

o(^∇^o)(o^∇^)o



「有難う」



少女はウインクすると、拓也君と握手しました。



双子の女の子達は、翔君が気に入ったみたいで、翔君の両方の手をそれぞれつなぎました。




少女はそんな妹達を見てクスッと笑うと、



「私はマリア、12才よ。それから…この子達は私の妹で、リンダとジェニー。5才になったばかりなの。アメリカから来たわ、よろしくね」



そう言ってマリアは優太君や翔君とも握手しました。




「お兄ちゃん、一緒に遊ぼうね~」



にこにこ(o^-^o)しながらリンダとジェニーが、翔君を見ながらつないだ手を揺すっています。



翔君は嬉しそうにニヤニヤしています。




「一応、俺は拓也」



「僕は優太で、そこにいるのが弟の翔です」



「拓也と優太と翔ね。覚えたわ。一緒に楽しく過ごそうね」



マリアが言いました。




「ところで、何で遊ぼうか」



優太君が言いました。




すると、



「コーヒーカップ

\(^_^ )( ^_^)/」



リンダとジェニーが声をそろえて言いました。




拓也君と優太君はガッカリです。


( ̄□ ̄;)!! ( ; ゜Д゜)



ここまで来て、それは無いだろう…と、心の中で思いました( ̄~ ̄;)。




「それでいいよね」



マリアが有無を言わせない感じで言いました。




「エエッ( ; ゜Д゜)…う、うん…い…いいよね、拓也君」



優太君が拓也君を振り返って言いました。




「…い…いよ( ̄~ ̄;)」



拓也君はガッカリうなだれながら言いました。




これならお姉ちゃんの方がマシだよ。


嫌な予感がしたけど、ズバリ的中しちゃったよ。




そんな拓也君を見ながら翔君が言いました。



「拓也君元気ないね。どこか体の調子でも悪いの?」


「べ~つに( ̄~ ̄;)」



拓也君はそっぽを向いて、大きなため息をつきました。



コーヒーカップは、翔君とリンダとジェニーが同じカップに乗り、拓也君と優太君とマリアが同じカップに乗りました。




翔君達はとても楽しそうにキャーキャー言ってますが、拓也君達の方はとても静かです。






437


「君達は大人しいね、ハハハ…」



マリアは陽気に笑いましたが、拓也君と優太君は顔を見合せ苦笑いです。

(-_-;)(^_^;)




「楽しかった~」



リンダとジェニーは大喜びです。




「次は何がいい?」



マリアが言うと、



「あの電車に乗りたい‼」


2人は元気に答えます。

その指差す方を見て、



「やっぱり、こうなるわけね」



拓也君がガッカリ肩を落として呟きました。





438


それは幼児が乗る小さな電車の形をした乗り物で、グルグル同じ所を回るタイプのものでした。



「勘弁してよ」



拓也君は頭を抱えました。もちろん優太君もガッカリです。



翔君とリンダとジェニーは嬉しくてたまらないと言うようにはしゃいで電車に乗り込みました。




「拓也と優太は乗らないの?」



マリアが声をかけます。



「うん、僕らはここで見ているよ(;^_^A」



優太君が答えます。拓也君はうんざりしたように、ため息をついています。





439


そう? じゃあ行ってきま~す」




マリアと他の子供達は、

「行ってきま~す」

と元気に手を振りました。



それに応えるように(仕方なしに)手を振る拓也君と優太君。



しっかし、同じ所をグルグル回っているだけで何が面白いんだろう…



と、拓也君は思うのでした。



『そうだ 』



ふと、拓也君は名案を思いつきました。そしてニンマリ笑うと、優太君に耳打ちしました。



「エエッ( ; ゜Д゜)…マ…マジ? 」



優太君はビックリして大きな声を出しました。






440


拓也君は、慌てて優太君の口をふさぐと



「行くぞ‼」



と手をつなぎました。



「で…でも…」



拓也君は、ためらう優太君の手を引っ張るようにして走り出しました。



「あ~、お兄ちゃんが逃げた~‼」



後ろの方で、翔君の声がしましたが、拓也君と優太君は振り返らず一目散に逃げました。





441


ハァ-ハァ-…

ハァ-ハァ-…



「ここまでくれば大丈夫だね」



優太君は、そう言うと振り返りました。



「安心したら小腹がすいちゃった。喉も渇いたな~」



拓也君が言いました。

すると、



「あれっ、『おかしのいえ』だって。渡りに舟とはこの事だね。きっと、飲み物もあるよね」




拓也君はウッシッシと嬉しそう。



それは色とりどりの可愛らしい建物で、いい匂いがします。



きっと、ケーキやクッキーやアイスクリームなどがたくさん売っているのでしょう。




「ムフフ…

食べ物や飲み物は全部タダで食べ放題だもんね~」



拓也君はにやけています。



入口のガラス戸を開けると、すでにたくさんの子供達が楽しそうにお菓子をトレーに乗せています。




子供達は、選んだお菓子を庭に運んで食べているようです。庭にはたくさんの花が咲いていて、花を眺めながらおやつが食べられるようになっています。




「優太君、何にする?」



「う~ん、たくさん有りすぎて迷っちゃうね。どれも美味しそうなんだもの…」



拓也君と優太君はトレーにたくさんのおやつを乗せると、まずはお庭のテーブルの上に置いてきました。




飲み物はどこかな?

キョロキョロしていると、若い女性の店員さんが来ました。




「お飲み物でしたら、お庭の方にありますよ。ご案内します」



店員さんの後に着いていくのですが、どこにも自販機など見当たりません。



「何が飲みたいですか?」



「ええと…、俺はグレープジュース」



拓也君はそう言いながら首をかしげました。




「ぶどうジュースですね」



にっこり笑うと、傍にあったぶどうの木の幹に差し込んである蛇口をひねりました。



すると…どうでしょう?



蛇口からぶどうの色をした飲み物が出てくるではありませんか‼



拓也君は、ビックリして…


「はひ…はり…が…と~。(ハイ、アリガトウ)」



と言うのが精一杯でした。




「優太君は何が良い?」



店員さんに言われて、



「オレンジジュース」



と言うと、オレンジの木の幹にさしてある蛇口をひねりました。



「はい、絞りたての100%オレンジジュースです」



と言って、優太君にコップを渡しました。



「果物のジュースは、すべて木の幹に差し込んである蛇口をひねれば出てきますから、自由に好きなだけ飲んで下さいね」



「…なるほどね。ところで牛乳なんかはどうするの?」



拓也君は興味津々です。



店員「フフフ…。ご想像通りです」



拓也君「エエッ、

((((;゜Д゜)))…ご想像通りです…って、まさか‼」



店員「はい、そのまさかです。何せ新鮮なものを飲んで頂きたいので、牛さんの乳絞りをして頂いてます。




拓也君「ええっ((((;゜Д゜)))嘘でしょう?」



優太君「信じられな~い」




その時、


「…ン…モ~ウ」



近くで、牛の声がしたので、声のする方を見ると、子供達が乳絞りをしていました。そして、その絞りたてのお乳を美味しそうに飲んでいます。



「あり得へんやろう」



思わず拓也君が言うと、



「僕も乳絞りしてみたい」



優太君が言いました。




優太君がオレンジジュースの入ったコップを、拓也君に持って貰うと、足早に牛さんの所に行きました。



拓也君もジュースをテーブルに置くと、優太君の後に続いて行きました。




優太君が牛の乳首を持つと、



「くすぐった~い」



牛さんが言いました。



「ご…ごめんなさい」



思わず優太君は謝りましたが、しばらくして首をかしげると…



『この牛しゃべるんだ』



優太君は、ちょっとビックリしました



「あら、初めてなんだもの、仕方ないわよね。軽く握ると出てくるわよ」




牛さんがアドバイスしてくれた通りにやると、お乳が出てきました。



優太君は、絞りたてのお乳をゴクンと音を立てて飲むと、



「美味しいヾ(=^▽^=)ノ」



と言いました。



「それなら俺も…」



拓也君も乳絞りに挑戦すると、上手にコップに注ぐ事が出来ました。そして拓也君も、そのお乳をゴクンゴクンと美味しそうに飲みました。




「ホントだ。スーパーに売ってるのよりずっと美味しい(*^□^*)」




「良かったわ。喜んでもらえて…」



牛さんも嬉しそうです。




小さなお子さんの場合は、恐がって泣いてしまう子がいるので、この牛の形をした自販機で飲むことも出来るんだけどね。



店員さんは、にっこり笑いました。




「それから…、これは『お菓子の家』なので、基本的にはこの家は食べられるんですよ…じゃあ」



そう言うと、店員さんは店の中に入って行きました。



拓也君「この家が食べられるって…言ってたよね

(^o^;)」



優太君「うん、確かに言った。僕も聞いたもん

(*^_^*)」



拓也君「そんな…ねぇ

(^_^;)」



優太君「童話じゃあるまいし…ねえ拓也君(*^□^*)」



「ためしてみよう(^O^)/」

「うん(^o^)v」



2人は店の中に戻って行くと、壁をペロリとなめました。




「あ…ま~い(*^_^*)。ホントだ‼。

この家全部がお菓子で出来ているんだ ヾ(=^▽^=)ノ」



2人は万歳して喜びました。\(^o^)/\(^o^)/




「ねえ、食いしん坊の要君にも教えてあげようか?」



拓也君がはしゃいで言いました。




「要君達、どこにいるのかな? この遊園地広いから探すのが大変じゃない?


それよりも入口の所にふうせん遊園地があったから、まずはふうせんさん達に教えてあげようよ」



優太君が言いました。



「そうだね。まずはトレーに乗せたお菓子を食べちゃおうか」




拓也君と優太君は、お菓子を食べ終えると店を出ました。




歩道の所まで来て、



「ここには動く歩道があったんだ~」



拓也君がガッカリしたように言うと、動く歩道に乗りました。



「さっきは焦っていたから、そこまで気が回らなかったものね」



優太君も動く歩道に乗りながら言いました。




拓也君と優太君は、ふうせん遊園地に着くと、入口の所から園内を眺めました。



皆はどこで遊んでいるのかな?



2人がキョロキョロ(゜゜;)(。。;)していると、



「あ~っ、拓也君と優太君がいるよ~」



高い所から声がしました。見上げると、ふうせん達が高い所にいるのが見えました。



「ねえ、何してるの~‼」



優太君が大きな声で言いました。



「バンジーしているんだよ~。ねえ、こっちへおいでよ~」




ふうせん達が誘うので、拓也君と優太君は、ふうせん達の所までエレベーターで昇って行きました。




「うわっ、高い‼ 足がすくんじゃう」



優太君が下を覗きこんでビビっています。



「僕ね、バンジーやっと出来るようになったんだよ

(^o^)v」



黄緑のふうせんがはしゃいで言いました。




「凄いじゃん、俺なんか絶対ムリ(^_^;)」



拓也君は激しく首を左右に振りました。




「黄緑君、頑張ってやっと出来るようになったんだ」



オレンジ色のふうせんが、自分の事のように喜んで言いました。



他のふうせん達も皆笑顔で、



「良かったね」


「おめでとう」



と、ニコニコしながら拍手したり、万才したりしています。




「僕の勇姿を見てよ ヾ(=^▽^=)ノ」



そう言うと黄緑のふうせんは、


「エイッ」


っと、下に飛び降りました。



大成功です‼

そこにいる全員が、大きな拍手を送りました。



バンジーが終わると、上にいる人がボタンを操作してローブを上に引き上げます。

ローブがすぐ下まで来たら、皆でバンジーした人を引っ張りあげるのです。



無事バンジーを終え、誇らし気な黄緑のふうせんに優太君が言いました。



「黄緑君おめでとう♪

良かったね」



「有難う」




「ところで、バンジーは全員出来るの?」



拓也君が尋ねると、全員頷きました。



「よっしゃ~、それじゃ今からお祝いだ!!」



「お祝いって?」



「来れば分かるよ(^o^)」



拓也君はニヤニヤしながら言いました。




ふうせん達は、お祝いって何だろう(・・?)と思いましたが、拓也君や優太君の後に着いて行きました。



2人が『おかしのいえ』と書かれた看板の前で動く歩道を降りて、店内に入って行くと、続いてふうせん達も店内に入って行きました。




「まあ~、いい匂い」



ピンクのふうせんが嬉しそうに言いました。




「ここで、バンジーが出来たお祝いをしよう!!


この店にあるものは、全部食べ放題なんだよ(*^□^*)」



拓也君が言いました。



「そうなの?」


「嬉しいな」


「何から食べようかな?」



ふうせん達は、とっても嬉しそうです。




「あら、ふうせんさんも来たんですか?ゆっくり楽しんで下さいね」



先ほどの店員さんが近づいて来て言いました。




「ここにあるものは全部食べられるんですよ。たとえば…」



そう言って、テーブルにおいてあったスプーンを手に取るとポリポリ食べました。



「このスプーンはチョコレートで出来ています」



店員さんは、ニッコリ笑いました。

拓也君と優太君、それにふうせん達もなる程と頷きました。




「僕達、今からバンジーが出来たお祝いをするんです」



赤いふうせんが言いました。



「それなら個室をご利用下さい。ご案内します」



店員さんが言いました。

後に続いて行くと、天窓の明るい部屋に通されました。


天窓からは光のシャワーが降り注ぎ、大きなガラス窓からは広い庭が見渡せます。



室内にいるのに、とても開放感があって素敵な部屋です。



中央に直径150㎝位の大きな丸いテーブルがありました。


拓也君と優太君がイスに座った後、ふうせん達が座ると、イスは自動でゆっくりと座席の部分が上がって行き、全員の顔が見えるようになりました。



「このテーブルには、コンピューターが内蔵されていて、タッチパネルで注文すると、約1分で注文した料理が出てきます」



「へえ、面白そうだな。試しに何か注文してみよう」



拓也君は、


「ホットドッグっと」


言いながら、ピッピッピッと操作しました。



すると、



テーブルの中央(直径50㎝位)が、クィーンとかすかな音を立てて下がって行きました。



皆は目を凝らして見つめます。その後拓也君が注文したホットドッグが上がってきました。



「す…凄い‼

注文したらすぐ出て来た」



皆、もうビックリです。



でも、要領が分かると優太君やふうせん達も自分の好きな物を注文しました。



全員の目の前に食べ物と飲み物が並んだところで、拓也君が挨拶しました。



「このたびは、全員バンジーが出来て喜ばしい限りです。それではお祝いをしましょう。かんぱ~い」


(^^)/▽☆▽\(^^)


まずはジュースで乾杯しました。




「ところで、僕達も…このご馳走食べられるの?」



紫のふうせんが不安そうに言いました。



「だって、僕たち…。

食べ物なんて食べたことないし…ねっ」



茶色のふうせんも、仲間たちの顔を見ながら不安そうに言いました。



「大丈夫だよ(^o^)v。

だって僕たち…だいちゃんの家でドーナツ食べたもん。美味しかったよ

ヾ(=^▽^=)ノ」



白いふうせんが言いました。



「ホントに?」



後からグループに参加した紫や茶色のふうせん達の顔が、パァ~と明るくなりました。



「それじゃ、いただきま~す」



和やかなお食事タイム。皆ニコニコしながら楽しくおしゃべりしました。



「美味しいね~(^○^)」



黒いふうせんが言いました。黒いふうせんは白いサインペンで顔が書いてありました。



「リーダーに感謝しないとね。こうして顔を書いてくれたから、このご馳走が食べられるんだものね(^o^)」



「うん、黒君の言う通りだよね(*^_^*)」



水色のふうせんが言うと、全員が頷きました。



「僕ね、赤君たち偉いなって思ったんだ。


だって、黄緑君が一人だけバンジー出来なかったからって、誰一人他の遊具に遊びに行かないで、そばにいて見守っていたでしょ。


ホントに仲間思いなんだなって…感心しちゃった」




紫のふうせんが言いました。



「僕なんて、すぐに他の遊具に行っちゃったから…ちょっと恥ずかしいよ

(^_^;)」



「僕も…(^o^;)」


「僕も…(;^_^A」



グレー、深緑、ベージュ…のふうせん達も恥ずかしそうに下を向きました。

( 〃▽〃)




「そ~んなの気にしないでよ。これはお祝いなんだから楽しくやろうよ

ヾ(=^▽^=)ノ⤴」



オレンジのふうせんが陽気に笑い飛ばすと、



「そうだね。楽しく過ごそうね (^o^)v」



紫のふうせんも、頷きながら言いました。全員笑顔


(^-^)(^○^)(^ー^)(^o^)…


になりました。



「ところでさ、気になっていることなんだけどさ。


この店はお菓子で出来ているんでしょ


皆で食べたら壊れちゃうんじゃないの?」



拓也君が言いました。




すると、




「それは大丈夫よ」



いつのまに来たのか、店員さんがテーブルの近くに立っていました。



「大丈夫って、どう言うことですか?」



優太君が尋ねました。



「それはね。再生するからなの」



「さいせい…?」



「そう。つまり、食べてもまたすぐに出来ちゃうの。例えば、私がこのスプーンを食べても…」



店員さんはスプーンを一口かじりました。



すると…?




少しずつ消えた部分が元通りになっていきました。



そして、最初の食べる前の状態になっていました。




「ほらね。再生したでしょ。だから、この建物を食べたとしても壊れることは無いのよ」




その様子を見ていた拓也君も優太君も、そしてふうせん達も…あまりにビックリして、目がテン(・・;)になって言葉がありませんでした。



しばらく唖然とした後、思い出したようにお菓子などを食べておしゃべりして、楽しいひとときを過ごしたのでした。



そして、お腹いっぱいになったので店を出ました。




ふうせん達は、ふうせん遊園地に戻って行きました。



拓也君と優太君が、

「次はどこに行く?」

と話し合っていると、大空さんが通りかかりました。



「大空さ~ん!

だいちゃん達どこに行ったか分かりますか?」



拓也君が尋ねました。



すると、



「あ~、だいちゃん達ですか? 多分ケイン王子と一緒だから、『季節の丘』だと思いますよ。



一緒に行きましょう。僕も仕事が一段落したから、遊ぼうと思っていたところなんです」



大空さんが明るい笑顔で言いました。




「大空さんと一緒に行こう!」


「そうだね」



拓也君と優太君は、大空さんと一緒に『季節の丘』に行く事にしました。



駅まで来ると、エレベーターに乗って、ホームに着きました。



ホームの中央には、タヌキが駅員の制服を着て立っていました。



「ひょっとして…あのタヌキが駅員だったりして…

(^o^;)ハハハ…」



優太君は引きつって言いました。




「はい、駅員さんですよ。この遊園地は動物達も普通に仕事していますからね」



拓也君と優太君…

( ; ゜Д゜) Ψ(`∀´#)



「まもなく汽車が参ります。白線まで下がってお待ちください」




「タヌキがしゃべってる

(*゜Q゜*)‼」



拓也君と優太君は、思わず顔を見合わせました。




汽車がホームに入ってくると、当然のようにタヌキの駅員さんは汽車に乗り込みます。



またまた、2人はキョトン(・_・)としてしまいました。




「どちらまで行かれますか?」



「『季節の丘』まで」



大空さんが言いました。すると、この汽車に乗っている大半の子供達も終点の『季節の丘』まで行くようでした。



汽車は線路の無い空中を飛んで行きます。



先頭の座席に座った拓也君と優太君は、



「ワァ~‼

凄い迫力だ~」



と、大興奮でした。




途中の駅で降りたのはほんの数人だけで、汽車は終点の『季節の丘』の駅のホームに滑り込んで行きました。




美佳ちゃん達は…


美佳ちゃん達は…

どうしているでしょう?



美佳ちゃん達は、『妖精の森』のアトラクションの出口の所で、恵さんに会いました。



「あら、『妖精の森』を見ていたの? 楽しかったでしょ? 女の子には一番人気だから」



「うん、超面白かった~‼」



萌ちゃんは、まだ興奮がおさまらないというように、ニコニコして言いました。



「そう、それは良かったわ。」



恵さんは、にっこり笑いました。




「次はどこを見る予定なの?」



「いえ、まだ決まってないんです。お勧めのアトラクションとかありますか?」



美佳ちゃんが言いました。



「そうねえ。それじゃ、私に着いて来て(*^_^*)。


面白いアトラクションを教えてあげる(^o^)。」



恵さんはウイングすると、「萌ちゃんおいで」と呼び手をつなぐと、先を歩き始めました。



「ワクワクするね…」

「うん」



美佳ちゃんと夏海ちゃんが顔を見合わせてニッコリしました。




恵さんは、『童話どうわのこみち』というアトラクションの前で足を止めました。




「このアトラクションも女の子に人気があるらしいのよ」



恵さんは振り返ると、笑顔で言いました。




入場制限があって各部屋5人までなんだけど、私達は4人だからOKね」




恵さんは受付に行くと、人数を言ってから、



「空いている部屋はありますか?」



と尋ねました。




すると受付の人から札を渡され、それを見ながら恵さんは言いました。




「これはね。皆が大好きなグリムやアンデルセンの童話とか、日本の昔話なんかを元に作られたアトラクションなの。



中は映画のスクリーンのようになっているんだけど、そのスクリーンの中にいる人と話が出来ちゃうそうなの。なんか楽しそうじゃない?」




「ええっ( ; ゜Д゜)、そ…そんなことが出来ちゃうんですか?」



美佳ちゃんが驚いて言うと、夏海ちゃんと萠ちゃんも「すご~い」と言って、とびはねて喜びました。



「でもね、今、どの部屋も一杯で、『ごんぎつね』しか空いてないみたいなの。


まずは『ごんぎつね』を見に行きましょうね」




恵さんが言いました。



『ごんぎつね』って、どんなお話なの?」



萌ちゃんが首をかしげて言いました。




「イタズラ好きなキツネの男の子のお話よ。私が小学生の頃、国語の教科書にも載っていたわ」



「ふ~ん、そうなの?

ねえ早く見に行こうよ~」


動物が大好きな萠ちゃんは皆を引っ張るように、『ごんぎつね』と書かれてある部屋に入って行きました。



部屋は5メートル四方位の広さで、天井から壁に至るまで全て真っ白で、不思議な空間でした。



そこに案内の女性が来て、言いました。



「『童話のこみち』にお立ち寄り頂きまして、誠に有難うございます。


まずはイスに腰を下ろして下さいね。



これは一見ただの映画のように見えますが、登場人物と会話が出来ると言う不思議な映画館です。



まもなく電気を消して上映したいと思いますが、何か質問などございますか?」



案内の女性が言いました。




「特に…無いです」



美佳ちゃんが言うと、夏海ちゃんと萌ちゃんも大きくうなづきました。



2人とも早く見たいと言う気持ちで一杯だったからです。




「はい、かしこまりました。それでは上映いたします」




そう言って、案内の女性が部屋を出ると、部屋の照明が消されました。



すると、すぐに前方の壁一面に山並みの美しい映像が映し出されました。



そして、『ごんぎつね』というタイトルが風景の前に出ると、小さな子ギツネが山の中を走り回っている映像が流れました。




「ごん可愛いヾ(=^▽^=)ノ」



萌ちゃんはニコニコしています。



この物語を知っている美佳ちゃんと夏海ちゃんは苦笑いです。





∞∞《映像》∞∞∞



ごんぎつねは、まだ子供でしたが、家族は無く1人ぼっちで山の穴で暮らしていました。



里に降りて来て色々イタズラしては村人を困らせていました。



田畑に植えてある野菜を掘り返したり、百姓屋に吊るしてあるトウガラシをむしり取ったりいろんな悪さをしました。



∞∞∞∞∞




そんなアナウンスが流れ、子ギツネの『ごん』が楽しそうにイタズラをしている姿が映し出されていました。




「あんなことしたらいけないんだよね」



萌ちゃんが言いました。




「そうね。農家の人達…困るものね(;^_^A



恵さんが言いました。







∞∞《映画》∞∞∞


そんなある日、川原を歩いていると、兵十へいじゅうが腰まで水に浸かって魚を捕っていました。



そして、兵十がいなくなった隙にごんぎつねは、ビクに入っていた魚を、全部川に投げ捨ててしまいました。



それから数日後、兵十のお母さんの葬式がありました。



ごんぎつねは、初めて自分がとんでもないことをしたと思いました。




「恐らく兵十は、病気のおっかさんに食べさせようと魚をたくさん捕っていたんだ。



それなのにオイラが、その魚を捨ててしまったから…

だから兵十のおっかさんは死んでしまったんだ。



ああ、オイラは何て酷いことをしてしまったんだ。



これで、兵十もオイラと同じ1人ぼっちになってしまったか…。




それからごんきつねは兵十の家に、山で取った栗や松茸などを毎日毎日届けました。




「イタタタタ…栗のトゲが刺さっちゃった」



栗のトゲが刺さって痛いこともありましたが、兵十に早く元気になって欲しくてごんは毎日毎日届けました。》



∞∞∞∞∞




「ごんは本当は優しいんだね」



萌ちゃんがにっこり笑いました。




∞∞《映像》∞∞∞


そんなある日、兵十が畑仕事から帰って来ると、ごんぎつねが玄関から出て行こうとするところでした。



「あのイタズラばかりするごんぎつねめが、また悪さをしに来たな‼」




そう言うと、兵十は火縄銃ひなわじゅうでごんぎつねをってしまい、ごんはバタリと倒れました。》



∞∞∞∞∞∞∞



映画を見て皆、泣いていました。

萌ちゃんは声を出して泣きました。





《映像》∞∞∞∞


《兵十がふと土間を振り返ると、栗や松茸が置いてあるのが目に入りました。



「毎日毎日、栗や松茸を届けてくれていたのは…お前だったのか…ごん」



兵十は呆然として、その場に立ち尽くしました。



ごんはグッタリとして動きませんでした。



∞∞∞∞∞∞




「ごん、死んじゃダメ!!

死んじゃダメだよ~」



萌ちゃんは大きな声で泣きじゃくりました。




すると、




∞∞《映像》∞∞∞



すると、



ごんがかすかに目を開けました。



「誰? オイラの名前を呼んでいるのは…」



「ごん、気がついたのか!!

ちょっと待っていろ!!

今から町の医者の所にお前を見てもらいに、連れていくから…」



兵十が叫んだ時、




「ワシに何か用かね

( ̄~ ̄;)?」



1人の老人が通りかかりました。老人は、隣町の医者でした。たまたまこの村の孫娘に会うために来ていたのでした。



医者はごんを見ると、急いで手当てをしてくれました。



「これでしばらく安静にしていれば…大丈夫だ」



医者の言葉に、兵十は泣いてお礼を言いました。




数日すると、ごんはすっかり元気になりました(^o^)。今では村人と仲良く暮らしています。



畑仕事でも田んぼの仕事でも快く手伝い、お年寄りの肩を揉んでやったりして、皆から愛される存在になりました。




   めでたしめでたし。





「わあ~良かった~‼」

\(^o^)/


萌ちゃんは満足そうに満面の笑みで言いました。



「やっぱりハッピーエンドがいいよね」



美佳ちゃんと夏海ちゃんも嬉しそうです。

ヽ(´▽`)/ヾ(=^▽^=)ノ


子供達の喜ぶ顔を見て、恵さんも満足そうに微笑みました。





すると、



映像の中のごんが、こちらに向かって頭を下げました。



皆はキョトン(・・?)としています。





「この映画を見て、応援してくれた皆ありがとう。


これでオイラも少しは良い子になれたと思います。村の人たちとも仲良しになれて、毎日とっても楽しいよ。



ホント言うとオイラ寂しかったんだよね。皆にかまって欲しくてイタズラばっかしてたんだ。



でも皆のお陰で、オイラ本当に大切なものは何かって分かったような気がするよ。


本当に有難う…ございました。



そう言うと、ごんはペコリと頭を下げました。




ごんの側に兵十も来ました。そして深く頭を下げました。



「皆、有難うごぜいます。俺は危うく大切なものを亡くすところだった。どんなに感謝しても…、足りねえくらいだ」



すると、周りにいた村人の1人が言いました。



「今日は年に1度の村祭りだ。おめえらも一緒に祭りに来ねえかい(^o^)/」



そう言って手招きしました。




「来ねえかいって…、ひょっとして…


( ; ゜Д゜) w(゜o゜)w


( ̄□ ̄;)!! (・・;)?



わたしたちに…言ってるの?」



美佳ちゃん、夏海ちゃん、萌ちゃん…プラス恵さんまで、皆ビックリです。



「そんなとこに突っ立ってねえで、早くこっちに来いよ」



10才位の少年が、スクリーンを抜け出して、つかつかとこちらに歩いて来ました。



あり得ない光景に、皆はキョトンとしています。



(@゜▽゜@) w(°O°)w


( ̄□ ̄;)!! (@_@;)




少年はにっこり笑うと、恵さんの手をにぎりました。恵さんはビックリ仰天して

w(°O°)wあわてました。



「えっ、え…映画の…な…中に、入って…行けるな、なんて、しら…知らなかったですヽ(´o`;」



恵さんは少年に手を引っ張られて、スクリーンの中に入って行きました。



そして、石ころにつまづいてドスンと(>_<)尻餅をついてしまいました。




「あ~、お姉さん…ごめんなさい(;´∩`)」



少年は謝りました。



「い、いや別に…いいのよ。気にしないで(^_^;)」


恵さんは笑って言いましたが、少し顔がひきつっていました。




萌ちゃんは目を大きく見開くと、



「わ~い\(^o^)/」



と言って、映画の中に自分から入って行きました。



続いて夏海ちゃんと美佳ちゃんも入って行きました。



「おお~っ、めんこいな~(^_^)」



お爺さんが、萌ちゃんに笑いかけました。



「メンコじゃないもん(-_-)。 萌だもん(-_-;)」



「そうか、もえっちゅう名前か(^_^;)。…ところで、皆変わった着物着とるな」



「着物じゃなくて洋服です(;^_^A」



夏海ちゃんが言いました。





「さて、そろそろ祭りが始まるから、皆行くべえ

(=・ω・)/」




昔の村のお祭りは、今時のお祭りのように華やかでは無いけれど、楽しいものでした。



盆踊りの中に入って踊ったり、村の子供達とおしゃべりしたりしました。ごんもはしゃいで楽しんでいるようでした(^o^)。



映画から帰って来る時、ごんは寂しいと言って泣きました



「ごん、元気でね(m'□'m)」



萌ちゃんが、ごんの頭をなでました。




「うん、オイラ頑張るよ。皆も元気でね

(_´Д`)ノ~~」




手を振って、映画の中の人達やごんにさよならしました。



照明がつくと、案内の女性が部屋に入って来て笑顔で言いました。



「お疲れさまでした。ごんぎねはいかがでしたか?」



「うん、すご~く面白かったよ\(^o^)/」



萌ちゃんが満面の笑みで、はしゃいで言いました。



「「面白かったで~す」」

\(^_^)(^_^)/



美佳ちゃんと夏海ちゃんも声を揃えて言いました。




「そんなに喜んで貰えて嬉しいですヾ(=^▽^=)ノ」



案内の女性も嬉しそうです。




「私も楽しませてもらったわ。ちょっとビックリしたけどね。


まさか、映画の中にまで入って行けるなんて…思わなかったから…ハハハ…(笑)」



恵さんはまだ興奮がおさまらないようです。




「これは体感型のゲームなんですよ。皆さんがよく遊んでいるゲームも、操作して内容を変えていけるでしょ…あれと同じです。


ただ、こちらは画面が大きいですけどね。フフフ…」



「ホント驚いたけど…でも、楽しかったね~」



恵さんは、子供達に笑顔を向けました。



子供達も「ね~っ」と言って全員満足そうです

(o^-^o)✌(=^ェ^=)(^ー^)





「ところで…、『人魚姫』と『フランダースの犬』の部屋も空きましたけど、どうしますか?」



「もちろん見るよね~」



と、美佳ちゃんが言えば、夏海ちゃんと萌ちゃんも、



「「もちろん行く~」」



と元気いっぱいです。



それから、4人はいくつかの映画を観ましたが、悲しい話も寂しい話も苦しい話も、




(読者の皆さんの想像通り…)




ことごとくに、楽しい話に変えて行ったのでした。



全ての童話が、ハッピーエンドになって、4人は大満足です。




童話って主に子供の読むものなのに、悲しく終わる話が割と多いですよね。



そんな話を4人で一致団結して、幸せにしていくというのは、大変だったけど楽しかったようです。




一方、拓也君たちは…



大空さんが新たなメンバーに加わり、拓也君と優太君と翔君の4人は、『季節の丘駅』のホームに降りたちました。



「楽しんでね~」



タヌキの駅員さんは笑顔で見送ってくれました。



「行ってきま~す」



子供達は元気に手を振ると、エレベーターに乗り込みました。そしてエレベーターが開くと、そこには広大な自然が広がっていました。




「「すごく広いね~」」



汽車の窓からも眺めましたが、いざ降りて見るとさらに広く感じます。



皆は(゜゜;)(。。;)キョロキョロしながら歩いています。




「ねえ、何から遊ぶ?」



拓也君がパンフを見ながら笑顔で言いました。



すると、



「ねえ皆見て‼

ほら…、そこに『かまくら』があるよ~」



優太君は興奮して言いました。ヾ(=^▽^=)ノ⤴⤴。



「あ~、ホントだ」



拓也君と翔君も歓声をあげました。




皆がいる200m位先に、何棟かの『かまくら』が見えました。



「まさか夏なのに、『かまくら』が見られるなんて驚きだよね。( ; ゜Д゜)」


拓也君は優太君と翔君に笑顔を向けました。



「う…うん( 〃▽〃)。

僕、1度『かまくら』に入って見たかったんだよね」



優太君は本当に嬉しそうです。




「僕も『かまくら』見た~い』



翔君も(o^-^o)嬉しそうに言いました。



子供達はテレビでしか見たことがない『かまくら』に大興奮です。




「まずは『かまくら』で遊びましょう」



大空さんが言い、皆が歩き出した時、





「大空く~ん‼」



誰かが呼ぶ声がしました。誰だろうと見ると、健太郎が手を振って呼んでいました。




4人は健太郎のいる『かまくら』へ行くことにしました。




「いらっしゃ~い

ヽ(´▽`)/」



健太郎は嬉しそうに言いました。桃花さんは『かまくら』に来ている子供達に、お餅を焼いて食べさせていました。



「お兄ちゃん美味しい


(o^-^o) (=^ェ^=) (^o^)

(⌒‐⌒) (^○^) (^∇^)



「そうか~。いっぱい食べろよ~」



桃花さんはにこにこしながら、焼きたての餅を子供達に渡していました。




「ケイン王子やだいちゃん達も、ここで遊んでいったのよ」



健太郎が言いました。



「だいちゃん達は、今どの辺で遊んでいるのかなぁ~?」



翔君が尋ねました。



「多分ね、その辺だと思うわ」



そう言って、健太郎が目の前に広がる湖を指さしました。皆も湖を見ました。




「その湖の中央の島のような所がスケートリンクになっているの」



「あ~、ホントだ。スケートしている人が見える」



子供達は口々に言いました。



「それでね、そのスケートリンクの回りが、何と…流れるプールになっているの。凄いでしょ(o^o^o)。


しかも…。

さらに、その回りがぁ~…。まあ、ただの湖の残りの部分なんだけどね(^o^;)」



子供達は《ガクッ》とズッコケました。



それを見て、健太郎がニカッと笑いました。



「凄いですね。夏と冬が混ざり合ってるんですね」



優太君が感心して言いました。




「そう…だから季節の丘なの…フフフ。



それからね。湖の周りも散歩する道路とサイクリングする道路と別れているのよ。


だってぶつかったら危ないでしょ」




「へえ、楽しそうだね~。俺スケートやりたいな。スケートリンクに行くには、あの橋を渡って行くの?」


拓也君はウキウキしながら言いました。



「そうよ。あの虹色の橋を渡って行くのよ」




かまくらがたくさんある広場から、湖のスケートリンクをつなぐ橋がかかっていました。それは虹色をしたとても綺麗な橋でした。




「実はこの虹色の橋は、僕のアイデアなんですよ。


子供の頃、虹の橋を渡ってみたいな…と思っていたんです」



大空さんは少し照れくさそうに言いました。




「僕もず~っと思ってた。虹の橋が歩けるなんて夢みたいだな~(⌒‐⌒)」



優太君は本当に嬉しそうです。



子供達の嬉しそうな顔を見て大空さんも大満足です

(o^-^o)




虹色の橋は東西南北の4ヶ所にありました。その橋から散歩用の道にも降りられるようになっています。



散歩用の道とサイクリング用の道の間は花壇になっていて、街路樹や四季の花々が綺麗に咲いていました。




「まずは腹ごしらえに、お雑煮を食べていこうかな?お腹もペコペコなんですよね」



大空さんが、そう言いながら『かまくらの』中に入って行きました。




「俺も~」



拓也君も元気に言うと、『かまくら』に入って行きました。



「僕も」「僕も」



続いて翔君と優太君もニコニコ(o^-^o)しながら入って行きました。




「はい、どーぞ」



桃花さんがお雑煮の入った丼を皆にわたしていきます。



「いただきま~す」



皆ニコニコ(o^-^o)しながら食べ始めました。




「うま~い」



拓也君はニンマリ(⌒‐⌒)。

続いて優太君や翔君も、



「おいしい~(^o^)(^○^)」



と、大満足の笑顔です。




「桃花さん、料理作るの上手だね~。なんのかんの言っても…やっぱり女性だね」



拓也君は笑顔で言いました。



「俺は餅を焼いてるだけ。料理関係は全部健太郎だから…(-。-;)」



桃花さんが言いました。さすがの拓也君も気まずそうな顔をしました。(^_^;)




「べ…別に料理は女姓が作るって決まってるわけじゃないものね。有名なコックさんは殆ど男性だしね…

(^o^;)」



優太君がフォローしました。



「健太郎さんてホントに料理上手ですね。いいお嫁さんになれると思うな、俺は…」



拓也君が言うと、優太君が拓也君の腕を肘でツンツンしながら小声で


「健太郎さんは男だから…」


と言いました。




すると拓也君は、マズイ

(´Д`)という顔をしました。




「あら~ん。拓也君ったらイヤだわ。( 〃▽〃)照れるじゃないの~」



健太郎は怒るどころか照れまくっています。子供達はホッと胸を撫で下ろしたのでした。




「あの~、健太郎さんの好きなタイプって、どんな人ですか?」



翔君が尋ねました。



「まあ…恥ずかしいわ。そんな…(///∇///)…言えないわ」



健太郎はそう言いながら、( -_-)チラチラ桃花さんを見ています。



桃花さんも恥ずかしそうにモジモジしています。

子供達にからかわれているとも知らずに…。




「さて、お腹も一杯になったことだし、そろそろ行くとするか」



拓也君が言うと、優太君や翔君も「僕も」「僕も」と立ち上がりました。



『かまくら』にもっといたい気持ちもあるのですが、早くスケートもしたかったからです。



他の子供達もぞろぞろと立ち上がるのを見て、



「俺達も一緒に遊びに行こうか」



桃花さんが言いました。



「ええ(o^・^o)」



健太郎は嬉しそうに返事しました。




「ちょっと待ってね」



健太郎は子供達にそう言うと、携帯を出しました。



「プリティさん、すいません。遊びに行くんで…『かまくら』の留守番お願いしま~す」



しばらくすると、



「お待たせしました。後は私がやりますから、遊びに行って結構ですよ」



そう言ってニッコリ笑ったのは…、ゴリラでした。




子供達は…



( ; ゜Д゜) w(°O°)w

(@ ̄□ ̄@;) (。・ω・。)(^o^;) (m'□'m) (@_@;)



驚いていましたが、



「行ってきま~す」



と、ひきつりながら言いました。




「実に楽しい遊園地だねぇ

(^o^;)」



拓也君が言うと、



「気に入って貰えて嬉しいわ。さあ、行きましょう」


健太郎がにっこり笑って言いました。




子供達が、虹の橋の入口の方に向かって歩いて行こうとすると、



「ちょっと待って‼」



桃花さんが呼び止めました。何事かと子供達が振り返ると、手招きしています。



「どうしたんですか?」



子供達は、桃花さんと健太郎がいる所まで来ると口々に言いました。




「ここに大きな木があるけど、この木は何だか分かるかい?」



桃花さんは笑顔(^ー^)で言いました。



子供達はキョトン(・・?)としています。



「ただの木に見えますが…」



ヨーロッパから来ていた子供達は首をかしげながら言いました。




すると、



「分かった!!」



翔君が叫びました。

皆は翔君を見ました。




「この木にはドアが付いているから、この中に入れるんじゃないかなぁ~」



「ピンポーン。大正解!!」



健太郎がニコニコ(o^-^o)しながら、翔君の頭をなでました。




「ええっ((((;゜Д゜)))、この木の中に入って行けるの?」



皆は、信じられないという顔をしています。




翔君は実に嬉しそうにドアを開けました。子供達はゴクンと唾を飲み込むと、ドアの中をのぞきこみました。





「あっ(@ ̄□ ̄@;)!!」



木の中は空洞になっていました。向こう側には小さな窓もあります。天井にはランプがぶら下がっているので中の様子が見えました。




中には、らせん階段があり上に登っていくと、ツリーハウスに行けるようでした。




「登って行くと、ツリーハウスに行けるのは分かったけど、下に降りて行くと…どこに行くの?」



子供達は興味津々です。




「フフフ…。さあ、どこかな~?一緒に探検しましょ」


健太郎は嬉しそうに言いました。




子供達はウキウキソワソワ楽しそうに、木の中に入って行きました。



そして慎重にらせん階段を降りて行きました。



階段の周りの壁は岩で出来ていて、直径2m程の広さの筒状になっています。



所々にランプはあるものの薄暗いので、子供達は少し不安に思いながら下へ下へと降りて行きました。



階段はどこまでもどこまでも続いています。




10m程降りた所でやっとらせん階段は終わり、平らな岩肌の3m四方位の空間に出ました。



子供達はホッとした表情になりました。




「あ~ら、まだ着いていないわよ。今度はあのトンネルを通って行くわよ」



健太郎が指差す方を見ると、幅が80㎝位で高さが180㎝位のトンネルがありました。




子供達は、薄暗いトンネルの中をソロリソロリと歩いて行きました。



まだ着かないのかな?



子供達がそう思った頃、トンネルが行き止まりになっていて、そこにはまたらせん階段がありました。



子供達は、今度はらせん階段を登って行きました。



そして、10m程登って行くと…。




そこは、湖の中央にあるスケートリンクのある島でした。子供達は湖の下を歩いていたのでした。




「うわ~っ、やった~‼」

\(^o^)/ ヾ(=^▽^=)ノ




探検を無事終えて、しかも行きたかったスケートリンクに到着して、子供達は飛び上がって喜びました。



子供達が喜ぶ姿を見て、大空さんも桃花さんも健太郎も満足そうな笑顔になりました。




「このスケート靴は、転ばないようになっているので楽しんで下さいね。


でも上手に滑れる人は普通のスケート靴をはいてもいいんですよ」



大空さんが言うと、



「は~い」



子供達は元気に返事しました。




たくさんの子供達が楽しそうに滑っています。

その中に、だいちゃんや要君の姿も見えました。



「お~い、だいちゃ~ん」



翔君が大きな声で呼びましたが、夢中で遊んでいるので聞こえないようです。



「僕達も遊ぼう」

「うん、そうだね」



子供達は、さっそく靴レンタル所に行きました。



店員さんはブタさんでした。ピンクの洋服を着ているので女の子なのでしょう。




「靴のサイズは何㎝ですか?」



店員さんは可愛い声で、にっこり(o^-^o)笑って言いました。



子供達はそれぞれ自分の靴のサイズを言うと、


ブタの店員さんは


「はい、どうぞ」


と渡してくれました。




湖の上にあるスケートリンクは、思っていたよりも広くて思う存分楽しめそうです。




いざ滑ろうとしていたら、だいちゃんが近寄って来ました。



「拓也君達も来たの?」



「うん」



「すご~く楽しいよ。転ばないで滑れるから」



それだけ言うと、だいちゃんは向こうへ行ってしまいました。




「よ~し、俺達も滑ろう♪」



拓也君は、優太君と翔君に言いました。




すると優太君が言いました。



「僕は後から行くから、先に行ってて」



「うん、分かった。それじゃ…先に行ってるよ」



「じゃあね、お兄ちゃん」



拓也君と翔君が手を振って行った後、優太君は、虹色の橋の方に歩いて行きました。



探検も楽しかったけど、その探検している間じゅうも、優太君は虹色の橋のことがずっと気になっていたのです。




「わぁ~(@゜▽゜@)

きれ~いヾ(=^▽^=)ノ♪」



優太君は感激してウルウルしています。



虹色の橋は、本物の虹に似せて作ってあり、足元も固く無くてふわふわしています。本物の虹の上を歩いている気分です(o^-^o)



優太君は嬉しくて嬉しくて、何度も何度も橋の上を行ったり来たりしました。




歩きながら、周りの風景を眺めました。先程までいた『かまくら』の後ろにはスキー場が見えました。



アトラクションが100あると言っていたけど、3日では全部見れないな…と思いました。




満足した優太君はニコニコしながらスケートリンクに戻って来ると、楽しそうに滑っている人達を眺めていました。




大空さんが、滑っているのが見えました。



続いて桃花さんと健太郎がフィギュアスケートの衣装を着て、楽しそうに滑っているのが見えました。



桃花さんと健太郎は、優太君のすぐ近くで止まりました。



「ねえ、桃花ちゃん。

フィギュアスケートのペアの人達みたいなのがやってみたいわ」



謙太郎が甘えるように言いました。




「お前、何キロあるんだよ」



桃花さんはあきれたように言いました。




「あら~ん。嫌だわ。女の子に体重を聞くなんて…」



「だってフィギュアスケートって、こう女性を持ち上げるんだろう?」



桃花さんは、両手を上に持ち上げるしぐさをしながら言いました。



「そんなに太っていないわよ~。まだ80㎏になってないも~ん」




「ゲ~ッ、お前80㎏近くもあるの?太りすぎだよ。

持ち上がるわけないだろ」



ちなみに桃花さんの身長は181㎝あり、健太郎の身長は166.8㎝です




2人の話を聞きながら優太君がクスクス笑っていると、



「あら、優太君いたの?

恥ずかしいわ」



健太郎が桃花さんの後ろに隠れました。…とはいっても、太っているのでしっかり見えてます。



「優太君、虹色の橋はどうだった?」



桃花さんが言いました。




「見ていたんですか?」



優太君は、驚いて目を丸くしました。




「うん、ニコニコしながら、何度も橋の上を歩いていたね」



優太君は真っ赤な顔をして、下を向いてしまいました。




「恥ずかしがることはないよ。実は俺も…虹を渡るのが夢だったし…。


それより、滑ろう」



桃花さんは優しい笑顔で、優太君の肩をポンとたたきました。




だいちゃん達は、すでに2時間以上滑っていたので、疲れてきました。



互いに声をかけ合い、休憩をすることにしました。




「喉がかわいたから、飲み物でも飲もうか」



ケインが言いました。



さっそく、だいちゃんとケイン、要君、マイケルの4人は、この島の中にある、小さなカフェに入りました。




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スケートしている人逹が見える窓ぎわの席に座ると、それぞれ好きな飲み物を注文しました。




「もう少し遊ぶ?」



ケインが言いました。



「僕は、今度は流れるプールで泳ぎたいな」



要君が言いました。



「僕は舟に乗りたいな。だいちゃんは?」



マイケルが言いました。





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「僕はツリーハウスがいいな(o^-^o)」




「それじゃ…まずはツリーハウスに行こうか、僕もツリーハウスに行きたいから」



ケインが言うと、



「あ~、そう言えば…探検の入口にあった大きな木の上が、ツリーハウスになってたよね~。僕もツリーハウスに登りた~い」



要君は、身を乗り出して言いました。




「僕もツリーハウスに登って、この遊園地を高い所から眺めたいな」



マイケルも嬉しそうに

(o^∀^o)言いました。




子供逹は、飲み物で喉をうるおすと、今度は虹の橋を渡って行くことに(全員一致で)決まりました。




「うわ~っ、本物の虹の橋を渡ってるみたい(o^-^o)」



子供逹は大感激です。




ツリーハウスのある大木の前に来て、ドアをあけると子供逹は、



「おぉーっ」っと、どよめきました。


\(^o^)/ (*´∇`)

(^○^)゜ (*^□^*)



そして、らせん階段を登って行きました。




まず最初は、2m四方くらいの床と柵だけのスペースでした。そこから先はハシゴだけしかありません。




要「ちょっと恐いな~」



ケイン「全部階段にしちゃうと、自然な感じじゃなくなるからって…桃花さんが言うから…」



だいちゃん「確かにそうだね。この方が自然ぽくていいな~」



要「…と言うことで、出発進行‼ナスノ オシンコウ~(^O^)/」



マイケル「ナス オシンコ(^O^)/」




4人は元気に(慎重に)ハシゴを登って行きました。




次の部屋スペースではアメリカの女の子のグループが楽しそうに景色を眺めながらおしゃべりしていました。



次の部屋では中国人の男の子のグループがくつろいでいました。




「せっかく来たのに、どこも一杯だったら(^_^;)困るね」



要君が( ; ゜Д゜)心配そうに言いました。




「多分大丈夫だよ(*^_^*)。少なくても展望台は広いから…」




「ホント素晴らしい眺めだね。要も見てごらん」



マイケルはそう言いながら振り返りましたが、返事がありません。


要君は疲れて、眠っているようでした。

(+.+)(-.-)(__)..zzZZ




「確かにここは気持ちがいいからね~。涼しい風も吹くし、要君が座った椅子はロッキングチェアだから」



ケインはそう言いながら、だいちゃん逹の所に来てクスッと笑いました。



要君は幸せそうな顔をして、口を開けて眠っていました。



「可哀想だから、このまま寝かせてあげようね。


ねえ、この上の展望台に行かない? ここよりもっといい眺めだよ」




ケインに誘われて、要君を置いて皆で展望台に行きました。



展望台は5m四方位の広さがありました。たくさんの子供逹が歓声をあげながら景色を楽しんでいます。




「おおぅ~\(^o^)/

素晴らしい眺めだね~‼」


だいちゃんとマイケルが感激している姿を見て、ケインはとても嬉しそうです。



「ところで、こんな木のてっぺんに、…こんなにたくさんの人が乗ってるけど…大丈夫…なの?」



だいちゃんは不安そうに言いました。




ケインはクスッと笑うと、



「ここは魔法の国だから大丈夫なのさ。


仮にここから間違って落ちたとしても、ケガをしないようになってるから安心して」



ケインはウインクしました。




「へえ、そうなんだ」



それを聞いて、だいちゃんはホッとしました。



さっき眠っている要君を置いて来ちゃったからです。

もし目をさまして誰もいないからと焦って、落ちたりしないかと心配していたからです。




「本当はこの柵だって必要無いんだけど、高い所だから柵があると気分的に安心できるからって付けてあるんだよ」




「その雲みたいなのは何なの?」



マイケルが首をかしげて言いました。



柵の外側の足元あたりに、小さな雲のような物がフワフワ浮いていました。



「あ~これね。見た通り雲君だよ」



ケインは笑顔で言いました。



「それって…。ひょっとして、乗ることできるの?」


だいちゃんが尋ねました。



「うん、乗れるよ。

雲君、3人来て~(*^_^*)」



ケインが言うと、柵の外側にいた雲たちがこちらへ入って来ました。



「は~い、お呼びでしょうか?」



「雲がしゃべってる(・・;)」



マイケルとだいちゃんはビックリです。




「雲君たちの仕事は、子供たちを乗せて遊覧飛行することなんだ」



「わーい(o^-^o)

雲に乗せてもらえるの? 嬉しいな~」



「ヾ(=^▽^=)ノやった~。楽しみだな~」



だいちゃんとマイケルは大はしゃぎです。



マイケルは立った状態で、だいちゃんとケインは座って雲に乗りました。


3人はツリーハウスのまわりをぐるりとひとまわりしました




「要君まだ寝ているね。…雲君、中に入って…」



ケインがそう言うと、雲はケインを乗せたまま柵をゆっくり越えて、要君が眠っている近くまで来ました。




ケインはいたずらっぽく笑うと、要君のほっぺを指でツンツンしました。




「う…ん」



要君はその指を(ジャマというように)払いました。



今度はマイケルが、面白がってツンツンしました。




すると、要君は目をこすりながら薄目を開けました。



「わっ、わっ、わっ…ど…ど…どうししたの?」(・・;)→( ; ゜Д゜)



よほど慌てたようで、要君は椅子からころげ落ちてしまいました。




「ごめんごめん、痛かった?」



ケインは謝りました。



「それより…皆、雲に乗ってるの~。僕も乗りたいよ~」



羨ましそうに皆を見ている要君に、ケインが雲を呼びました。



「はい、ケイン王子お呼びでしょうか?」



雲がやって来ました。




要君は(・・;)話しする雲に驚きながらも、こわごわと雲に乗りました。



「行きたい所を命令すればどこへでも行けるよ」



「へえ、凄いね。そ…それじゃあ…ん…っと、グルグル回って」



要君は、何て言えば良いのか思い浮かばなかったので、そう言ってみました。



すると、雲はその場でグルグルまわり始めたので、要君は目を回して、雲から落ちてしまいました。




「イテテテ…」



要君はお尻をさすりました。でも、さすがに目が覚めたようです。




「ヒャッホー」


「空の散歩は楽しいね」


「何かアニメの中にいるみたいだね」



子供達は、しばらく空の散歩を楽しみました。



疲れると、今度は雲の上に寝ころんで、ゆりかごのように揺られながら眠りました。




そよ風に吹かれながら、気持ち良くうっとりしていると、優しいモーツァルトの調べが耳に心地よいのでした。



30分位仮眠を取ると、雲君がそっと起こしてくれました。そして、先程、要君が眠っていた場所に戻って来ました。




皆がイスに座ってくつろいでいると、笑顔の可愛い女性が雲に乗って来ました。



ウエイトレスの服を着たその女性が、



「何かご注文はありますか?」



と言って、メニューを広げました。




「ええと、僕はフルーツパフェ」



要君が注文しました。



続けて、だいちゃんがソフトクリームを、マイケルがチョコレートパフェを、ケインがプリンアラモードを注文しました。



すると、ウエイトレスの女性はニッコリ笑って、



「かしこまりました」



と言い、雲に乗って行ってしまいました。




「しっかし…(^_^;)魔法の国って凄いね。アフリカにはこんなの無いよ」



マイケルは興奮しています。



「日本にだって無いよ。…ってか、世界中探してもこんな遊園地無いよ」



だいちゃんが言いました。




そこに先程のウエイトレスがやって来ました。




「お待たせしました」



ウエイトレスは注文された物をテーブルに並べると、



「以上でよろしいですか?他に注文があれば、こちらのボタンを押して下さいね」



と言いました。

テーブルの上を見ると、星の形をしたボタンがありました。




「こう言うのは日本のファミレスと同じたね」



だいちゃんが言うと、



「これは健太郎さんのアイデアなんですよ。メニューのアイデアもだいたい健太郎さんなんですよ」



ウエイトレスさんは、にっこり笑って言いました。




なるほどね~。

分かる気がするなぁ。お菓子やケーキばかり食べてるから、健太郎さんはあんなに太っているんだと、だいちゃんはニヤニヤしました。




それにしても…(^_^;)。

いつも思う事だけど、要君は(・・;)どうしてあんなにたくさん食べるのに…痩せてるんだ?



世の中には、食べただけ皮下脂肪になっちゃう人と、食べても太らない人がいるんだよな~




だいちゃんがそんな事を考えていると、



「だいちゃん、早く食べないとソフトクリームが溶けちゃうよ。いらないなら代わりに僕が食べてあげようか?」



要君は自分の注文したフルーツパフェを食べ終わり、だいちゃんのソフトクリームを狙っています。




「これは僕のだから…

( ̄~ ̄;)」



だいちゃんは手に持っていたソフトクリームをペロリとなめました。




「あ~、ソフトクリームも美味しそうだな。注文しちゃおうかな」



そう言いながら、要君は星の形をしたボタンを押しました。




要君が注文したソフトクリームを幸せそうな顔をしながら食べている時、ケインの携帯がなりました。



「はい、ケインです」



電話をかけてきたのは大空さんでした。



電話の内容は、今日の遊びはこの位にして、ホテルに戻ってゆっくりしましょう…そんな内容でした。



「…はい、分かりました」



ケインは、皆にその事を伝えると、子供達も納得して駅に向かうことにしました。




「駅まで送りましょうか?」



『雲君』が声をかけてくれたので、子供達は雲君達に乗せてもらい、駅まで行くことにしました。




だいちゃん達の横を4、5人の子供達を乗せた舟が、追い越して行きました。




「(;゜0゜)あ~、空飛ぶ舟だ~‼ あっちの方がカッコいいな」



だいちゃんは思わず言ってしまった後、マズイ(-_-;)と手で口を押さえました。




「すいませんね~、カッコ悪くて」



雲君が言いました。



「ごめん、そういう意味じゃなくて…あの…(;^_^A」



「ハハハ、謝らなくて良いですよ。全然気にしてませんから…( -_-)」



「ごめん…(^_^;)」



だいちゃんはポツリと言いました。




だいちゃん達のすぐ下を、拓也君たちが歩いているのが見えました。




「お~い‼ 拓也くぅ~ん

(^○^)/」



だいちゃんが大きな声で言うと、拓也君と優太君がキョロキョロ(゜゜;)(。。;)し、首をかしげました。



次に要君が、

「ゆうたく~ん。こっちだよ。上を見て~」



と大きな声で言いました。



すると、やっと気づいたようで、拓也君、優太君、翔君がだいちゃん達の方を見上げました。




「( ; ゜Д゜)あぁ~っ、だいちゃんが雲に乗ってるぅ。いいなぁ~」



翔君が言いました。



「カッコいい~‼」



拓也君はそう言うと、大きく手を振りました。




すると、雲君が



『照れるな~(///∇///)』



と、小さな声でつぶやきました。それを聞いて、だいちゃんはホッとして笑顔になりました。




雲君たちは、駅のホームまで送ってくれました。



「雲君どうも有難う(^o^)」



「いいえ、どういたしまして(o^-^o)」



そう言うと、雲たちは戻って行きました。




「今度の駅員さんは…う…うさ…ぎ?」



マイケルが首をかしげています。だいちゃんと要君、は振り返ってギョギョッとしました。




見た目はウサギですが、身長は160㎝位あるのです。



「どうしましたか?」



ウサギの車掌さんが、怪訝な顔でこちらを見て言いました。




「ずいぶん大きなウサギさんだなって…」




マイケルが驚きを隠せないで言いました。




「地球のウサギは小さいんですか?」



ウサギの車掌さんが尋ねます。



マイケルは両手を体の前に出し上向きにして、



「この手に乗る位」



と言いました。




「地球のウサギって、そんなに小さいんですか?


この星のウサギは、だいたい人間と同じくらいです。ですから僕は小さい方なんですよ」



ウサギの車掌さんはニッコリ笑いました。




「汽車をお待ちの皆様、危なくないですから、白線まで下がってお待ちくださ~い」



車掌さんのアナウンスを聞きながら、要君がケラケラ笑いました。




ウサギ「僕、何かおかしなこと言いましたか?」



要「おかしいよ。だって普通は危ないですからって言うんだよ」



ウサギ「だって、危なくないんだから、間違っていませんよ。間違って落ちてもケガをしないようになっていますから」



要「そっか~、それならばよろしい。よきにはからえ」




ウサギの車掌さんとマイケルは、キョトン(・・?)としています。




マイケル「よきに…?…その言葉の意味が分からない」




「地球のウサギって、そんなに小さいんですか?


この星のウサギは、だいたい人間と同じくらいです。ですから僕は小さい方なんですよ」



ウサギの車掌さんはニッコリ笑いました。




「汽車をお待ちの皆様、危なくないですから、白線まで下がってお待ちくださ~い」



車掌さんのアナウンスを聞きながら、要君がケラケラ笑いました。




ウサギ「僕、何かおかしなこと言いましたか?」



要「おかしいよ。だって普通は危ないですからって言うんだよ」



ウサギ「だって、危なくないんだから、間違っていませんよ。間違って落ちてもケガをしないようになっていますから」



要「そっか~、それならばよろしい。よきにはからえ」




ウサギの車掌さんとマイケルは、キョトン(・・?)としています。




マイケル「よきに…?…その言葉の意味が分からない」



要「よきにはからえ…って言うのは、お殿様が家来なんかにいう言葉だよ」



マイケル「お殿様ってなあに?」



要「昔の日本にはお侍さんがいたの。頭がチョンマゲでね…」



要君の家にはおじいちゃんやおばあちゃんがいるので、よく時代劇などを一緒に見ているようです。




そこに拓也君達が到着したようです。



「お侍さんの話は後でね」


要君はそう言うと、



「お~い、拓也君遅かったね~」



と言いました。



「俺達は歩いて来たからね。ズルして雲に乗って来れば、もっと早く来れたんだけどね」



拓也君は少し皮肉混じりに言いました。




遊園地の一番外れにあるこのアトラクション(№100)は広いので、スケートリンクのある場所からだと歩いて20分以上かかってしまいます。



しかもここは自然をイメージして作ったので、歩く歩道もありません。




大空さんは、何か乗り物で行こうかとも考えましたが、子供は元気だしこの位の距離なら景色を楽しみながら歩いた方が良いかな?

と判断したのです。




「歩かせちゃって悪かったかな(^_^;)?」



大空さんは素直に謝りました。




「そんなことないよ。

途中でカブトムシとかクワガタとかたくさん見られたから楽しかったもん」



翔君はご機嫌(⌒‐⌒)です。




「((((;゜Д゜)))エエッ、カ…カ…カブトムシ?


いいなぁ~(⌒‐⌒)。それどこにいるの?」



要君は羨ましくて仕方がありません。




「来る途中の林の中だよ」



翔君は笑顔(^o^)で答えました。



それを聞いて要君とだいちゃんは歩いて来れば良かったと思ったのでした。




ぞろぞろと、たくさんの子供達が集まって来て、一気にホームは賑やかになりました。



そこへ黒い車体の汽車が、煙をはきながらホームに滑るように入って来ました。



「お待たせしました。汽車が到着しました。慌てないでお乗りください」



子供達が全員汽車に乗ったのを確認すると、ウサギの車掌さんも当然のように汽車に乗り込みました。


そして、「よっこらしょ」と言って座席に座りました。




汽車は煙を吐きながら、虹の橋をくぐり抜けると、観光も兼ねてゆっくり空を走って行きました。



窓の外をイルカに乗った子供が汽車と並んで飛んでいます。



だいちゃんたちが驚いて見ていると、こちらを見て笑顔で手を振りました。



白馬に乗っている子、象に乗っている子、大きな白鳥に乗っている子もいます。


中には空飛ぶ自転車に乗ってペダルをこいでいる子もいました。




子供達は、皆にこにこしながら、(o^-^o)手を振って行きました。




「みんな僕がいつも一緒に遊んでいる友達なんだ」



ケインが笑顔(*^_^*)で言いました。



「いいなぁ、僕も白馬に乗った王子様になりたかったな~(*^□^*) 」



要君が呟くと、皆は笑いました。



「なんで笑うんだよ

( ̄^ ̄)」



口をとがらせて不満顔の要君。



「だって…。この中でも一番…王子様らしくないんだも~ん(^○^)」



だいちゃんがお腹を抱えて笑いながら言いました。




「白馬にまたがって、背中にはお菓子を一杯入れたリュックを背負うのかい?」(^皿^)



マイケルがニヤニヤしながら言いました。



「モチロン(^ー^)だよ。お菓子を食べながら白馬に乗るのさ(^o^)v」



「お菓子を食べながらはマズイよ(^o^;)。だいいち白馬が嫌がるよ(^_^;)」



ケインはひきつりなからそう言うと、



「確かに…そうだね

(^_^;)→(-_-;)」



要君がボソッと言いました。




「あっ、ホテルが見えてきたヾ(=^▽^=)ノ」



ケインが指さしました。




ホテルはヨーロッパのお城を思わせる美しい建物で、森に囲まれた小高い丘の上にありました。




「おお~っ  

綺麗なお城だね~」


(//∀//) (*^□^*) (^○^)o(^∇^o)(o^∇^)o」




汽車の中の子供達は皆、うっとり(*´-`)しています。




汽車が止まったのは、駅のホームではなく、ホテルの入口にほど近い駐車場でした。




「皆さんビックリしましたか? ここに駅を作ると景観を損ねると言うことで、汽車専用の駐車場を作ったんですよ」



うさぎの車掌さんが言いました。




『な~るほど』



子供達も納得です。




子供達は、汽車から降りると、ホテルに向かって歩いて行きました。ホテルの入口付近には、たくさんの人達が歓迎して迎えてくれていました。


(^-^)(*^_^*)(^o^)(^_^)

(o^-^o)(^∇^)(^ー^)

\(^O^)/(^.^)(^O^)/





「お帰りなさい」

「お疲れ様」

「楽しかったですか?」



ホテルの人達は、口々に言いながら笑顔で迎えてくれました。



だいちゃん達がホテルのロビーの方を見ると、美佳ちゃん達がソファーに座っているのが見えました。




「お~い、お姉ちゃ~ん」



拓也君は大きな声で言い手を振りました。




「ああ、拓也」



皆の姿に気づいた美佳ちゃんが、軽く手を上げました。



萌ちゃんは嬉しそうに「おいでおいで」と手招きしています。




子供達は、美佳ちゃん達の近くのソファーに座りました。




「ねえ、どんなアトラクションで遊んだの?」



美佳ちゃんが、興味深そうに声をかけました。




「まあ、色々行ったけど、俺が一番スゲーって思ったのは『お菓子の家』かな」



拓也君がニヤニヤしながら言いました。



「お菓子の家って、家がお菓子で出来ているの(^o^)?」



夏海ちゃんも身を乗り出して言いました。




「エエッ、

…お家が食べられちゃうの? すご~い」



萌ちゃんは目を丸くして

( ; ゜Д゜)歓声をあげると\(^o^)/、翔君の所まで行って、



「萌もお家食べた~い

( 〃▽〃)」



と、ニコニコ顔(⌒‐⌒)で言いました。




翔君は、萌ちゃんがあまりに顔を近づけてきたので、赤い顔(///∇///)をしながら、



「う…うん、美味しかったよ」


と言いました。




「それじゃ、明日は私達も『お菓子の家』に行こうか」



美佳ちゃんがにっこり笑って言うと、



「「さんせい~

\(^_^ )( ^_^)/」」



夏海ちゃんと萌ちゃんが嬉しそうに言いました。




「美佳ちゃん達は、どんなアトラクションに行ったの?」



だいちゃんが尋ねました。



萌「萌ね、花の妖精さんになったの」



だいちゃん「妖精って背中に羽根が生えてるやつ?」



萌「そうよ、小さく小さくなってね、花の蜜をすったのよ。あま~くて美味しかったよ」



翔「いいなぁ~、僕も妖精さんになりたいな。空を飛べたら気持ちいいだろうなぁ~」




優太「それじゃ、明日行こうか?」



翔「うん」



翔君は本当に嬉しそうです。萌ちゃんと2人で、両手を大きくバタつかせながら、おいかけっこしています。



夏海「妖精もいいけど…、(^_^;)私は『童話のこみち』の方が楽しかったな」




マイケル『ドウワノコミチ』ってどういうアトラクションなの?」





609


美佳「簡単に言うと、体験型の映画って感じかな? 


私達が映画の中に入って行けちゃうの」



夏海「悲しい話をハッピーエンドにしちゃったんだよね(o^-^o)」




だいちゃん「体験型の映画かぁ~、何か面白そうだね(^_-)」



ケイン「童話のこみちは凄く面白いよ。明日皆で行こうか(^-^)?」




「僕、行きたい(^o^)v」


マイケルはそう言って要君を見ました( -_-)チラッ…→。




610


すると、要君は



「童話も楽しそうなんだけど~、


『お菓子の家』の後にしない(*^□^*)?」



と言ったので、皆が大爆笑です。



要君は、何で皆が笑っているのか分からず(・_・)キョトンとして、首をかしげています。




「皆が楽しんでくれて、僕も嬉しいよ」



ケインがニコニコ(o^-^o)嬉しそうに言いました。




611


そこに、ふうせんたちが笑顔で帰って来ました。




「これで全員そろいましたね」



恵さんがホッとしたように笑顔で言いました。



ホテルの入口は顔認識機能が付いているので、ふうせん以外の全員がホテルに帰っていることはすでに確認済みで、最後に来たのがふうせん達だったのです。





「遅くなっちゃってスミマセン」



ふうせん達はそう言いながら入って来ると、だいちゃん達のいる所に、弾みながらやって来ました。




「ふうせんさん達、遊園地は楽しかった?」



だいちゃんがにっこり笑って尋ねました。




「うん、凄く楽しかったよ」



ふうせん達は皆(o^-^o)ニコニコ笑顔です。




「バンジーやってから、僕…高所恐怖症を克服出来たんだよ」



黄緑のふうせんが心から嬉しそうに言いました。



「私達と同じように、何でも出来るようになったのよねっ」



ピンクのふうせんが、黄緑のふうせんにウインクしました。




他のふうせん達も、黄緑のふうせんが勇気をだして、バンジーをした後、一緒に遊べたことを心から喜んでいるようでした。




「ふうせんさん達、みんな優しいね(^.^)」



夏海ちゃんが言いました。



黄緑「皆のお陰なんだ。本当は皆も遊びたかったはずなのに…、僕がバンジー出来るようになるまで、ずっと応援してくれてたんだ」



オレンジ「そんなぁ…。頑張ったのは黄緑ちゃんだから」



赤「それに、黄緑ちゃん1人で、つまらなそうにしているのに、僕達だけで遊んでいるわけにはいかないよ…」




白「皆一緒がいいよね」




青「そうそう、皆一緒がいいよ。仲間だもの(o^-^o)✌」



「ふうせんさん達は、熱い友情でつながっているんだね」



拓也君は、腕を組んでウンウン(-.-)と頷きました。




「はーい、皆さん集まって下さ~い」




クローバーさんが大きな声で呼びかけました。

子供達はクローバーさんの周りに集まりました。




「今日は楽しかったですか~‼」



クローバーさんは右手をあげて、元気な声で言いました。




「「はーい」」


(^O^)/ (^o^)v \(^O^)/(^-^)v (^○^) o(^-^)o




「それは良かった。僕もたくさん遊びましたよ~。楽しかったで~す。



これからお風呂に入って、疲れを取って…、その後ケイン王子の誕生会をしたいと思いま~す」



クローバーさんが話終わるとすぐに、アフリカから来た子供が手をあげました。




「お風呂ってなんですか?」



アフリカから来た子供達は、いつも川で体を洗っていたので、お風呂というものを知らないのでした。





618


クローバー「ジャングル風呂は楽しいですよ。ただし皆で楽しめるように、水着着用でお願いします」




子供達 「は~い(^O^)/」

    「は~い(^O^)/」

   「はーい\(^O^)/」




クローバー「お風呂を出た後に、パーティー会場で、美味しいごちそうを食べながら、ケイン王子の誕生会を行いま~す。


分からないことは、リーダーさんか、フロントの人に聞いてください」





620


子供達は、まずは男女に別れてそれぞれお風呂(温泉♨)に入りました。



イオウの匂いがする温泉、薬草風呂、岩盤浴、砂風呂、露天風呂…。



アフリカの貧しい国から来た子供達は、初めて入るお風呂に皆感激していました。





621


「あ~、お風呂♨って気持ちいいね(⌒‐⌒)」



マイケルは、どのお風呂に入っても、うっとり夢ごごちです。




拓也「お風呂って、何か癒されるんだよね」



だいちゃん「次は牛乳風呂に入ろう」



だいちゃん達は、何度か旅行などで温泉には入ったことがありましたが、牛乳風呂は誰も初体験なので楽しみです。





622


真っ白いゆぶねに入る子供達の顔は、皆ニコニコしています。




だいちゃん「わあ~つるっつるで気持ちいい(*´-`)。それに甘い香りがするね」



拓也「贅沢だね。王様になった気分」



優太「ひょっとして…これ全部牛乳なの?」



翔「牛さん頑張ったんだね」



ケイン「さすがにこの牛乳は牛さんのじゃないよ。魔法で同じようなものを作り出したんだよ」




要「そうだよね。こんなに一杯の牛乳は100頭の牛が頑張ったって無理だものね。ひょっとして、このお風呂飲めちゃうの?」



ケイン「成分は殆ど同じはずだから、飲んだとしても問題は無いと思うけど…」



それを聞いてマイケルは、『ブクッ』ともぐり、しばらくして、『プハ~ッ』と顔を出しました。



マイケル「ホントだ。美味しかった~(^o^)v」




優太「まさか本当に飲むとは思わなかったよ(^_^;)」



翔「僕は本物の牛さんのお乳をしぼって飲むからいいや(^o^;)」



拓也「そう言えば俺達、本物の牛さんのお乳をしぼって飲んだんだよね。旨かったね」



翔「お菓子の家に明日も行きたくなっちゃった」



優太「僕も…」



要「僕も、明日は絶対行くって決めているんだ」



マイケル「僕もお菓子一杯食べたい」



だいちゃん「僕も行きたいけど、たくさん食べても虫歯にならないの?」



ケイン「いくら食べても虫歯にならないから安心して」



要「それを聞いて、ますますファイトがわいてきた‼」



マイケル「雲の王国バンザ~イ\(^O^)/」



優太「それからケインの誕生日おめでとう」




だいちゃん「そうだったよね。一番大事な事忘れるとこだった。


ケイン、誕生日おめでとう」




だいちゃんが言うと、周りにいた子供達も集まって来て言いました。



「「ケインお誕生日おめでとう」」



たくさんの子供達に囲まれて、おめでとうコールをされてたので、「皆、ありがとう(o^-^o)」と言いながらケインは赤い顔をしていました。




「今日はとっても楽しかったよ。明日も楽しみだよ」



「この遊園地素晴らしいよ。まるで夢を見ているみたいだね」



「次はどんなのだろうって、ワクワクしちゃうよね」



「僕らを招待してくれて有難う」



ケインは、地球の子供達に囲まれて、モジモジしながらも満面の笑みで嬉しそうです。




最後は男の子達の楽しみにしているジャングル風呂です。皆は水着に着替えて、ジャングル風呂と書かれたドアの前に来ました。




「ドキドキするね」


「でも楽しみ~(^ー^)」




子供達は、期待と不安で胸が高なります。




マイケル「僕が開けてもいい?」




要「ど…どうぞ」




マイケル「いいの?」



要「だって、ジャングルに一番似合ってるものね」



マイケルが皆を見ると、子供達は、笑顔で頷きました。




マイケルがドアを開けるなり、



「おおぉ~~っ!!」



と、大きな声で叫びました。何事かと他の子供達も中を覗きました。



( ; ゜Д゜)(οдО;)


(@ ̄□ ̄@;)!!(*゜Q゜*)



そこは、テレビなどで見るジャングルそのものだったのです。




ジメジメと蒸し暑く、中にはたくさんの木々が鬱蒼と生い茂っていました。



子供達は恐る恐る中に入って行きました。



最後に入った美佳ちゃんが何気なく振り返ると……入口のドアが消えていて、そこは果てしなく続く熱帯雨林の木々になっていました。



「あっ(・。・)ドアが消えてる…」



萌ちゅんもキョトンとして首をかしげました。




「ホントだ。雲の王国は不思議がいっぱいの遊園地だね。さっ、萌ちゃん行こう」



夏海ちゃんが(o^-^o)にこにこしながら、萌ちゃんと手をつなぎました。




木々の間にくねくねと曲がりくねった川が流れていました。その川にマイケルが足の先を入れて言いました。



「この川あったかい」



それを聞いて、子供達はいっせいに川のお風呂に入りました。




川の温泉に首までつかると、要くんが歌い出しました。



要「いい湯だな、ハハンハン

いい湯だな、ハハンハン」



夏海「何それ、変なの~」



要「いつもおじいちゃんとお風呂に入ると歌うんだよ。ドリヘターズ知らない?」



夏海「そんなのしらないわ」



要「ドリヘターズ知らないの? 面白いお笑いグループなんだよ。君は人生の半分損してるよ」




「あっ、そう」




夏海ちゃんはそう言うと、川のお風呂から出ました。



そして、「探険してくる」と言って広いお風呂の中を歩き出しました。



「僕も…」



要君とだいちゃん、マイケルもお風呂から出て面白そうとジャングルの探検を始めました。






すると、突然…



「アアア~アア~」




突然頭上を、蔦を持った青年が物凄いスピードで横切って行きました。




「今の…何(・・?)」



子供達はキョトンとしています。



(・・;) w(°O°)w


( ; ゜Д゜) (゜_゜;)




すると、また先程の青年が子供達の頭上を反対方向に横切って行きました。



青年は上半身裸で、腰の所に虎の皮のような物を巻いていました。



「あぁ~っ、今の…ベンさんだ~( ̄0 ̄;」



マイケルが驚いて言いました。




「知ってるの?」



要君は驚いてマイケルの顔を見ました。



「知ってるも何も…僕達のリーダーだよ」



マイケルの言葉に、



「「エエッ、そうなの?

( ; ゜Д゜)」」



と、子供達は(・・?)キョトンとして言いました。





その時、誰かが要君の足元をピタッとさわりました。



『何だよぅ…』



要君は足ではらいました。すると、今度はふくらはぎをピタッピタッと2度叩きました。



「誰だよ、僕の足を叩くのは…」



要君の正面にいるだいちゃんは、顔を引きつらせています(@ ̄□ ̄@;)!!




「だいちゃん…顔色悪いよ、どうしたの?

震えているじゃ……


……ん?……何だ、この感触は…?」




要君はやっと、自分の身に何か起きているのかも…と足元を見て悲鳴をあげました。




「ぎゃ~(@ ̄□ ̄@;)!! 怖いよ~(/≧◇≦\)」




要君の悲鳴を聞いて、川のお風呂に入っていた子供達も


「どうしたんだ!!」


と言いながら近づいて来ました。




何と要君の足元にいたのは大きな《ワニ》だったのです。



その場にいた子供達は悲鳴をあげました。



((((;゜Д゜))) 


(@ ̄□ ̄@;)!! 




その悲鳴を聞きつけて、先程蔦を握って子供達の頭上を走るように横切って行った青年ベンが来ました。




「どうしたんだ!!」

w(°O°)w




子供達は震えながらワニを指差します。



すると、青年が木の根本にあった雑草をむしり取りワニの頭をバシッバシッと叩きました。




子供達は、そんなんじゃワニには勝てないだろうと思いましたが、意外にもワニはグッタリとうなだれて、いそいそと逃げて行きました。




「ケガは無かったか!!」



青年が叫びました。



「大丈夫でしたけど…、あのぅ…ワニって葉っぱで叩いたくらいで逃げるんですか?」



要君は呆然と立ち尽くしながら言いました。




すると、ケインがクスクス笑い出しました。



「ケイン……何がおかしいの?」



だいちゃんが首をかしげながら尋ねました。





「ごめん、ごめん。

実はね。あのワニさんもスタッフの1人なんだよ。


ジャングルの雰囲気を出すためにはワニさんにも協力してもらった方がいいと言うことになったんだ」




「ワニさん最初は嫌がっていたんだけど、痛くしないからと言ったら、「それじゃ協力してやるよ」と言ってくれたんだ」




「な~んだ、そうだったの? それなら最初に言ってくれれば恐がらずにすんだのに…(-_-;)」



要君はそう言いながらも、ホッとした表情をしていました。




「最初から分かってたら面白く無いでしょ(^_^)」



と、夏海ちゃん。




他人事ひとごとだと思って…、ホントに恐かったんだからね~」



要君は頬を膨らませ、怒って言いました。



「私でなくて良かったわ

(^_^;)」



夏海ちゃんが、胸に手を当ててホッとしたように言いました。



「そんな事を言うわけ?…夏海ちゃんが困ったことがあっても…僕、助けてあげないからね~(*`Д´)ノ!!!」



要君は怒っています。



「要君の助けなんて必要ないも~ん」





「2人とも止めなさい。皆が見てるわよ。



見るに見かねて、美佳ちゃんが要君と夏海ちゃんの間に入って言いました。



「夏海ちゃんも、そんな言い方したら要君が可哀想よ。


人は一人では生きていけないのよ。いつ誰に助けて貰うか分からないんだから」




マイケルはベンさんに、


「僕にもやらせて」


と頼んでターザンごっこを始めました。




「凄く面白いよ(o^-^o)だいちゃんもやってごらんよ(^O^)/」




マイケルが手を振って呼んだので、だいちゃんが行こうとすると、



「僕も…」

「僕も…」



と、数人の男の子達がついてきました。



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