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9. 新王とバラ

 ああやっと。やっとこの日がきた。


 バルコニーへの扉を開け放ち、昇る太陽の前に立つ。


「新ヒタルイ王、エドウィンである!」

 誰もいない庭に向かって言い放つ。ああなんていい気分。


 もう、あの兄貴もいない。「お兄さまは素晴らしい方なのに」、女官も執事も裏でそんなことを言ってるのは俺も知っている。でもな兄貴、どんなに素晴らしくても、人間死ねば終わりなんだよ。


「ははははははは!」

 非常識。無慈悲。なんとでも言えばいい。でももう、俺が王だ。今はまだヒタルイのだが、今後シェリやカンタータに持ちかけられてる同盟を組めば、このウレスなんてすぐに俺の手に入る。そして、その王座につくのは、兄でも父でもなく、この俺なのだ!そしてその隣には……


「あのぅ、エドウィン様、もうそろそろお支度を……」

 振り返ると、跪く付き人の姿。ああ、アレンか。


「なんだ、お前は俺が楽しんでいるのを邪魔しようと言うのか。」

「いえ、ただお時間ですので。」

「ああ、そうだな。」


 やっとだ、やっと。兄貴が死んでからもう1週間。即位式が一向に行われないまま、時が過ぎた。ああ、全く。この国の連中は仕事が遅い。兄貴が甘かったのだ。俺が王になったからには、仕事が鈍いやつはすぐに解雇してやるよ。ヒタルイは今以上に、強い国になるのだ!


「はははははははは!」


 どうしたって笑いが堪えられない。あーあやっとだよ。


「エドウィン様、もう行かれるの?」

 奥の方からサキの声がする。ああ起きたか。


 アレンの方に目配せをしてから、奥のベッドに向かう。上半身だけを軽く起こした側女の額に軽くキスをした。


「ああ、すまんな、今日は即位式だから。」

「よかったですね、長年の夢が叶って。」

「ああ」


 もう一度キスをしてから、アレンの方に戻り部屋を後にした。


 ガチャ。


 扉を開けた瞬間、目の前に控える側女たちの姿が目に入る。


「エドウィン様、おめでとうございます。」

「ああ」


 出迎える7人の側女たち一人一人と挨拶を交わす。ここにあの姫が加わると思うと……


 自然と笑みがこぼれる。


 ああ、今すぐに俺のものにしたい。はやく、はやく……


 どんなに近くにいたとしても兄貴ばかりを見るあの目にこちらを振り向かせたい。まあ、それももう少しの辛抱だが……


 待っていろ、エグランティーヌ姫。お前を城から追い出すなんてそんな真似、俺はしないよ。だから悲しむな。俺の正妻にしてやる。必ず、今日の即位式で。


今日はすごく短いです……すみません。もしできたら、0時ごろに連続投稿したいと思っています……できるでしょうか……


どちらにしろ、明日の0時にまた投稿します。

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