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お酒と果肉



「どいつもこいつも『完璧』があると思っている。気分が悪い。限界だよ」


「……もしかしてあなたのことをそんなふうに言うの?」


「何を根拠にそう言うんだ。おれが何をしたってんだ」


「ロン。怒ってるのね……あたしに愚痴を……」


「苦しい。苦しくて動けない……」


「……ねえロン。あたしは、悪いけどあなたが完璧なんて思ったことないわよ」


「……」


「だって人でなしだもん。話が通じなくて苦労するしコミュ障じゃないの。――でもね。完璧に見えて全然そうじゃない問題児なあなたがだいすき」


「アンジー……」


「――あ。あたしのことアンジーって呼んでくれるようになったの」


「おれの『天使エンジェル』っていう言葉は相当特別なんだ、本当は」


「……特別じゃなくなったの?」


「逆だよ」


「逆?」


「特別だから……だよ」


――本当に特別な言葉は本当に大事な時に使うべきだ。


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