MVP
最近忙しくて更新できませんでしたが、やっとできました。
どうぞご堪能ください。
表彰式や写真撮影、インタビューも終わ
ってひと段落した頃、日本新聞の記者、
佐山さんが来た。
佐山さんは颯人に近づいて、「おめでと
う」と言った。
佐山さんは「聞くことはある程度聞いた
から、今から聞くのは、今どう思ってる
かだから」と言った。
颯人は「はい分かりました」と答えた。
その中でやはり今後の進路については詳
しく聞かれた。
颯人は医学部に行こうとしていることを
佐山さんが聞くと、「陸上は続けるの
か?」と質問した。
颯人は正直なところ迷っていた。
陸上を続ければ世界大会にも出場できる
だろう。
だが、人生を陸上に捧げて良いのか?
といったことを考えていた。
勿論両方したいと颯人は思っていた。
その気持ちに勝るものはなかった。
颯人は結論を出した。
「医学部に行きます。
しかし陸上も続けます」と。
こうしてインタビューは全て終わった。
走り幅跳とリレーに出場していた進藤は
どうなっているだろう。
颯人はふと思った。
友の走りを跳躍を見ることができなかっ
た。
仕方なかったが颯人は進藤に悪いなと思
っていたし、見たかったという気持ちに
もなっていた。
結果を確認を確認しようとスタンドに行
くとちょうどリレーの決勝の結果が大型
スクリーンに表示されていた。
見ると、進藤の高校は六位だった。
走り幅跳びの結果はまだ見ていない。
これはスマートフォンで確認した。
すると、あまり本調子ではなかったの
か、ベスト8には入っていなかった。
そして閉会式が始まった。
浩二の姿も見たが話しかけることはでき
なかった。
表彰式で浩二は嬉し涙と悔し涙両方が混
じって号泣していた。
勝っても勝った気分がしなかった。
颯斗自身のことのようにも思えたから。
閉会式はその年のMVPも選ばれる。
誰だろうと思っていると、「町村颯人
君」と急に呼ばれた。
次に「松原と浩二も呼ばれた」年間MVP
になったのだ。
浩二もこれにはびっくりしていた。
理由としては、近年稀に見る、非常にハ
イレベルな勝負をしたからなのだとか。
その表情が終わると会長や理事達の長い
眠い話が始まった。
終わった。
自分の夏が終わった。
一つの区切りがついた。
こう思った。