最高の興奮そして満足
「なにが起こったのだろう?」
颯人は理解することができなかった。
最も憧れていた舞台で一番高い表彰台に立つ
ことができる。
つまり優勝だ。これ程最高なことはこれ以降
はないかもしれない。
それくらいの出来事だった。
颯人は「父さんは見てくれていたかな?喜ん
でくれたかな?」と思っていた。
颯人が父を少し見ると、父は拍手していた。
そしてガッツポーズをしてくれた。
颯人に向かって。
三位となった浩二とも抱き合った。
浩二は「俺たち本当に全国の表彰台に登れる
んだよな?今まできつい練習をしてよかった
!!でもまだ信じられないよ」と言った。
ベンチへ戻って颯人は監督と話した。
監督は「町村…本当によくやったな、おめで
とう!!俺から言うことはこれ以外はない!
」と言った。
堅物な監督も颯人のことを褒めてくれたのだ
。
そこに父が来た。
そして監督に「先生、颯人をここまで育てあ
げてくれてありがとうございました。」
そして颯人にも「よくやったおめでとう!
今日の夜にでもゆっくりと話そう」と言った
。
すぐに時間は流れていった。
表彰式に向かうとカメラマンが沢山いた。
スカウトも。
表彰式が始まると、嬉しくて嬉しくてたまら
なかった。
自分の表彰状が渡される時、今までのことが
思い出されたのか、颯人は大粒の涙を流した。
嬉し涙。以外もあるだろう。
颯人は涙を流して思っていた。
「本当に嬉しいとはこんなことなんだろうな
」と。