走る感覚
颯斗と浩二そして期待をされている、松原はどういった結果になるのでしょう?
走るのが楽しいことは良いことだ。
気持ちも落ち着くし何より大会が楽しいって
ことだから。
父親が来てくれたのがきばくざいになった。
浩二は、大学生の従兄弟が見にきてくれてい
た。
浩二の従兄弟は九州の有名な大学に通ってい
るんだとか。
「凄いもんだ。」
颯人はそう思った。
今はまだ違う競技の途中だ。
もうすぐに始まる。
高校の努力が実る時だ。
まさに最高の場である。
いよいよ係の人に誘導されて、ブロックを合
わせ始めた。
アナウンスで紹介される。
「4レーン町村颯斗くん」
「5レーン松原優希くん」
「6レーン田中浩二くん」
呼ばれるとお辞儀をした。
その姿は競技場の大型スクリーンはもとより
、テレビ中継される。
恥ずかしい姿を見せることはできなかった。
「on your mark
set」
少しセットとマークの間は空いていた。
人によっても違うから仕方がないことだった。
「バン!」雷管の音が鳴り響いた。
思い切り走った。
とにかく走った。
体が浮くような感覚だ。しかし周りが見えな
い。
自分の走っているレーンしか視界に入ってい
なかった。
ゴールした。いやしたかどうかさえ分からな
かった。
カーブが来たから減速したというところだろ
う。
結果は分からない。
一着の速報タイムは10秒15だ。
速いと感じた。
しかも全員僅差であるみたいだ。
正式な結果が出た。
一着は町村颯斗くんタイムは10秒09計測器の
不具合により大幅な違いが出てしまいました
。
とアナウンスがあった。
二着松原優希くんタイムは10秒12
続いて三着田中浩二くんタイムは10秒14
四着…と流れるようにアナウンスは進んでい
った。
颯人は自分の記録を信じることができなかっ
た。
颯人は全国を優勝したのだ。
それもとびっきり速いタイムで。