全国の圧力と取材
今回は全国の決勝に進出はしたけど不安でた
まらない、そして初めてしっかりとしたイン
タビューを受けた颯人の話です。
3日目は、当然のことだが一番緊張する場
面だ。
当たり前だ。
皆強いのだから…、などと弱音を履いて
いる場合でもなかった。
いまはとにかく自分のことに集中しよう
と、颯人は考えていた。
今は浩二のことも、もちろん全国一位と
目されている松原のこともだ。
そうでないと自分がこの出たことのない
人間にはわからないであろう独特と雰囲
気に飲み込まれてしまいそうだったの
だ。
どう説明したら良いかもわからない。
ただこれこそが緊張なのか?といった感
じだった。
浩二はここまでこれたことを喜び、
普段通りに楽しもうとしていた。
勿論、颯人もそうしようとしてはいるも
のの、元来の緊張しやすい性格もあっ
て、それは難しいことであった。
朝ホテルを出て競技場に行くと、颯人は
衝撃の光景を目にした。
何と取材に来たマスコミの記者がたくさ
んいたのだ。
この日は決勝や凄いとされる、つまり
「世界大会、ひいてはオリンピックでも
戦える選手がたくさん出場する。」
このせいなのかもしれないと颯人は感じ
ていた。
そう思っていた矢先に、自分の方に記者
が歩いてきた。
どうせどこか違うところにでも行く途中
なんだろうと思っていると、突然颯人の
前で止まりこう聞いてきた。
「町村颯斗くんだよね?
私は日本新聞の記者なんだけど少しいい
かな?」と聞いてきた。
颯人はそれにアップをするまでには少し
時間があるから大丈夫だと答えると記者
は少し移動しようと言い、近くの喫茶店
に案内された。
颯人に声をかけた記者は喫茶店に入り席
に座ると「私は日本新聞スポーツ部門の
責任者をしている者で、佐山といいます。
どうぞよろしく」と言った。
颯人は佐山さんの自己紹介の後すぐに聞
いた。
「僕に何かご用でもあるのでしょう
か?」と。
すると佐山さんは、に今日本新聞では
100m以外にも決勝に進んだ選手には声を
かけてインタビューをしているんだ。
我が社の企画で全国に行った選手達を紹
介しようと思ってね。」と答えた。
颯人は「分かりました」と言うと、佐山
さんは、「君もそこまで時間に余裕があ
るわけじゃないと思うから手短に質問し
ていくね。」
そして佐山さんにに颯人はこんなことを
聞かれた。
「将来は何をしたいのか?そしてそれは
なぜしたいのか?」
「陸上を始めた理由は?」
「この大会はどうか?」
「一言のメッセージ」
こんなところであった。
取材はすぐに終わったけど、に走り終わ
った後にまた来てくれ」と言われた。
「これが私の番号だから」といった具合
に佐山さんは言った。
そんなこんなでアップをする2時間前にな
っていた。
監督と話そうと思った。
不安解消のためだ。
そして颯人はさっきまでのことを監督に
話すと監督は声を上げて笑った。
「まさかお前が取材を受けるなんてな」
そしてそんなこんなで30分くらい話した
後に、颯人はアップの時間まで待った。
投擲の種目も面白いものだった。
競技を見ていると時間はあっという間に
過ぎていった。
そしていよいよ、アップをする時間帯に
なった。
颯人、浩二、松原その他の出場者の戦い
はここから始まる。