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準決勝まで
準決勝に進んだ颯人と浩二の二人は、長距離の種目をスタンドで見ながら話していた。
「なぁ浩二まさかお前が緊張して動きが硬くなるとは思わなかったよ。」これに浩二は「そりゃ全国大会だからな。緊張しないはずもないさ」と答えた。
「次は、しっかりと走る!!」と浩二。
颯人は「負けない男と男の勝負だ!」と言った。
競技を見ていると思わぬ出来事があった。
ついさっきまでは、快晴だったのに急に空が黒くなり、雷が鳴り出した、と思ったらすぐに大雨が降り出した。
これのせいで、大会は一旦中断された。
中断された後もしばらく雷が止まず、そのまま1時間くらい過ぎた。
たまらず、浩二がスマホで天気予報を見ると、大分付近を雷雲が通過していた。
それも大量に。
「もう今日は無理だ」と浩二は言った。
颯人もそれに賛同した。
今留まるより、明日の準決勝に備えた方が良いと考えたのだ。
その旨を浩二と颯人は双方の監督に伝えると早々にホテルに戻った。