多数決
「あっ、声が出るようになったじゃない」
控え室の1つに逃げると声が出るようになる。
か
「ある程度距離をとるとしゃべれるようにはなるんですね、魔法は使えないですけど」
聡美が魔法を詠唱しようとするが使用ができない。
「……、あの魔法が強すぎるわ……」
「あれは、魔法沈黙だ。しゃべらせない効果はどうやら副作用みたいなもので、効力は弱いみたいだ。杖で使っていたということは、優秀な第3種魔法使いがバックについている可能性もある。これではさっきの沙理の魔法もうかつに使えない。あのレベルの魔法がたくさんあるとは思えないけど、予測が立てられない」
「それにしても……、岡田さんを見捨ててしまうなんて、本当に悪いことをしてしまったわ」
聡美は逃げるのに手一杯で、真澄を見捨ててしまったことをとても悔いていた。
「本当にすみません。私がしっかり逃げられなかったから、悪いんですよ」
「そんなことはない……、って何でいるんですか!?」
真澄が真横にいたため、少し送れて聡美が反応する。
「さっきからいたじゃない」
「……、目が悪いのかしら……」
「だって明らかにこの部屋に入ったとき4人しかいなかったですし……」
聡美は動揺する。
聡美は逃げながらも、明らかに逃げ遅れて真澄が捕まっていたのを視認していたため、見逃しではない。
だとすれば考えられるのは、魔法を使ったことになるが、今魔法を使える魔法使いは全員魔法沈黙を受けているはずなので、それはできないはずなのである。
「まさか……」
聡美はおそるおそる秋大を見る。
「お、俺じゃないぞ」
否定する秋大の左腕には白く光り輝く槍、右手には黒いオーラを撒き散らす斧を持っていた。
「そ、そうだねー、秋ちゃんなわけないじゃないじゃない~」
「……、不思議ね…………、…………な、何があったのかし……ら」
明治と沙理も否定する。
5人いて3人が否定しているのだから多数決で秋大ではない。
「いやいや、角田先輩が何かしたんでしょう」
多数決などこの場合は意味がなかった。
「た、助けてもらったのは感謝してますけど、いったいそれは……」
真澄も聡美も驚いていた。
彼女たちは第2種魔法使いの武器を多く見てきたが、秋大の持っている武器は見たことがなかった。




