魔法以外でも
「本当に効かないじゃない!」
魔封石封腕輪の効力は、あくまでも自身に魔風石をつけられた時に、逆に魔力を増大させるもの。
魔封石を逆に防御に使われてしまっては、いくら魔力が上がったとしても、そもそも魔法自体が効かないので対策ができない。
「ハハハ。君たちほどの一流ともなれば、勝ちに慣れ続け、負けの数は少ないであろう。ちなみに君たちが倒してきたレインのメンバーも大なり小なりこの加工を受けているんだ。私ほど全身を改造してはいないから、多少怪我はしているが、すぐにでも立ち上がるだろう」
その言葉通り、さきほど魔封石をつけようとして返り討ちにあったメンバーがいつの間にか立ち上がって回りを囲んでいた。
それを見て明治達は魔法で一掃する。
すると一旦は倒れるのだが、別のメンバーが立ち上がる。
レインのメンバーがそこそこ多いのと、周りに拘束された一般人や魔法使いもいるため、あまり攻撃範囲の大きい技を使うことができず、1度に全員を倒すことはできないのである。
「やはり、まだまだプロには及ばないな。対象者を選ぶこともできないのか」
高ノ宮は苦笑する。
今沙理が行っているような対象者を選ぶ魔法はかなり難しい。
学生では使えることそのものが珍しく、使えるとしても沙理のようにその詠唱に時間をかけて集中しなければできない。
戦闘中に普通の魔法を使いながら対象者を選ぶことなど学生には容易ではなかった。
「それならそれで手はあるわ!」
しかし、彼女達は(1人男だが)一流の中の一流である。
聡美の抜群の身体能力から繰り出される護身術。
明治のスケート技術を応用したスケーティング。
真澄も身軽な動きで相手の力を使って逆に倒す。
魔法が無くても彼女達は強かった。
魔法無しで戦えないような人間は、魔法といった体に負担のかかるものを上乗せして強いはずはない。
「なるほど、本当に強いんだな」
自身の味方が次々と魔法以外で倒されていく本来予想外の展開にもかかわらず、その落ち着きようは変わらなかった。




