猛攻
「若ちゃん! 助けにきたよ! 風衝撃波」
真っ先に真澄が、歩美の回りに多くたむろっていたレインのメンバーを攻撃する。
地面に強烈な風をぶつけて、その反動で周りを揺るがす。
その威力はさながら大地震のようであった。
「まーくん、僕も来たよ! 絶対零度じゃない」
手から放たれた冷気を受けた人間はその場からまったく動けなくなる。
「えーと、知り合いいないけど私も来ました。溶岩流」
マグマが放たれて、レインのメンバーは逃げ回る。
魔封石をつけようとするが、腕輪の効果でより威力が上がってしまう。
拳銃や刀などの持ち込みもあったが、第1種魔法使いとして非常にレベルの高い位置にいる3人の前には、まったく意味を無さなかった。
火、氷、風の3つが合わさったことで、まったく弱点らしい弱点が無かった。
『高ノ宮さん! 奇襲を受けました! 魔封石も通用しません!』
高ノ宮に報告が入るが、彼は冷静であった。
「落ち着け、まだ策はある」
「はぁはぁ、これでだいぶ倒せたじゃない」
「マスコミの人たちや一般人の人たちも大丈夫みたいね」
「若ちゃん? 若ちゃん?」
3人が拘束されていた人間を開放したが、誰も立ち上がって逃げようとしない。その異変に一番最初に気づいたのは真澄であった。
「ちょっとおかしいね。皆目がうつろじゃない」
「洗脳が解けていないの?」
「3人とも、なかなか暴れてくれたね」
動揺する3人の下に高ノ宮が歩いてくる。
「あなたがリーダーですか?」
「トップはまだいますよ。私はいわゆる幹部の1人とでもいうべきでしょう」
「皆洗脳されたままです。早く解いて欲しいじゃない」
「私が電波を発している機械を壊していただければ洗脳が解けます」
「じゃあ早くそうしてよ!」
「そう簡単にもいきません。私たちも信者を増やしたいので」
「若ちゃんを返して貰うよ! 竜巻!」
不意打ち気味に真澄が魔法を直接高ノ宮に打つ。
第1種魔法使いの技が一般人に当たれば最悪死に至るが、親友でライバルでもある歩美を心配した彼女は後先考えずに魔法を打った。
その威力はすさまじく、地面をえぐって砂埃を舞い散らせた。
「フフフ」
しかし、不気味な笑い声とともに高ノ宮はそこに立っていた。
それを見て真澄は言葉が何もでなかった。




