突撃
「誰かいる?」
「……人の気配がグラウンド以外からはしないわ……」
全員が魔封石封腕輪をつけて、控え室を出て行く。
「なんか不気味じゃない?」
「でも秋大先輩がのこれがあれば大丈夫じゃないですか?」
「角田さんのおかげで若ちゃんやほかの人を助けられそうですよ」
「そんな簡単にいけばいいんだけど」
秋大、沙理、明治、聡美、真澄が全員グラウンドが見えるところに来た。
「若ちゃん!」
「まーくん(勝のこと)もつかまってし倒れてるじゃない!」
「あの2人が捕まってるなんて、2人のこと知ってるけど、まずいんじゃないですか?」
3人が慌てる。
「沙理の能力の自動停止を使おう。ただ、全体を指定するのと比べて、必要なひとだけを止めるのは少し時間がかかる。それまで時間を稼がないといけない」
自動停止は本来は術者以外の時間を一定時間とめるものである。
理論上は、とめる時間の長さや対象も指定できるのだが、長くなればなるほど、動かす人間の数を冷やせば増やすほど、発動に時間がかかってしまう。
「さーちゃん、どのくらいかかりそう?」
「……止める人のほうが少ないわね。すごく難しいわ。15分は欲しい……」
「そんなに待って若ちゃん達が手遅れになったらどうしよう!」
本来学生の彼女がこの優秀な技を使える上に、時間がかかるとはいえ応用の魔法も成功できる保障があるのはすごいことなのである。
しかし、既に歩美の目はうつろになっており、勝も倒れたままである。この2人以外は既に洗脳されているため、ここから15分の放置をしているうちに全員が連れ去られるなど大変なことになる可能性はあった。
「ここは、僕たちで時間を稼ぐしかないじゃない」
「大丈夫か? あの腕輪はあくまでも試作品だ」
めいじの提案はここでは確かに最善ではある。
しかし、魔封石はもちろん、日本でトップグループのレインのメンバーとなれば、魔法に対抗できる道具をいくらか持っているのは間違いない。
少なく見積もっても200人はいるレインのメンバーを抑えなければならない。
しかも、沙理は詠唱をしなければならないし、その沙理を守る役目も1人必要なため、事実上3人で相手をしなければならないのである。
「秋ちゃんはさーちゃんを守ってあげて。それが1番いいよ」
「みんなを助けるわ。15分くらい余裕ですよ」
「来月への肩慣らしをさせてもらうわ」
明治、真澄、聡美の3人は、沙理と秋大を残してグラウンドに向かっていった。




