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魔法の才能  作者: 35
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粘る2人

『こいつら! まだ言うことを聞かないぞ!』


ずっと洗脳の魔法を勝と歩美はかけられていたが、なかなかほかの2人のようには行かなかった。


『どうしてだ! 2人とも今回の大会で好結果を残せていないだろう。何かしらのコンプレックスはあるはずだ!』


洗脳というのは人の心にあるスキマにつけこんで、思考を操るものである。


「私は岡ちゃんに勝つまでは絶対にあきらめないもん。それで来年は兼田さんも倒して、同年代の中で1番になる!」


「なんとかなるよ。あきらめない限りはいつかかなうものだし。時間さえかければ達成できる」


しかし、歩美は同年代にコンプレックスではなく、正しいライバル心を持ち、勝は強い心で常に向上心を持ち続けている。

そのまっすぐな心は、あきらめたり、周りをねたんだりしてきたレインのメンバーにはできないことであり、逆にその姿勢にコンプレックスを感じさせられた。




『うるさい!』

そしてつい、1人が歩美に手を出そうとする。


ガン!

構えていた銃で殴ろうとしたが、勝が前に出てかばう。

そのまま勝は倒れてしまう。

「中田さん! 大丈夫ですか?」

歩美が強気でいられたのは、勝のおかげである。彼が倒れてしまえば歩美も心が折れてしまうし、それを狙っての攻撃であった。


「どうした?」

騒ぎを見て、このメンバーのまとめをしている高ノ宮がやってくる。


『あ、高ノ宮さん。この2人だけどうしても洗脳されないので、今何とかしようとしてたところです』


「……、お前手をあげたな……」

勝が倒れているのを見て、高ノ宮が質問する。


『はい、この男がこの女を励ましていましたので、こいつを倒せば……、グッ!』

話す途中でその男は殴られる。


「拘束した相手に手をあげるとは何事だ! 拘束した以上は、今はこいつらは弱者なんだぞ! いいか、俺たちは弱いものの味方なんだ。その俺たちが弱いものに手を出してどうする!」


『も、申し訳ないです』

「ふん、とはいえ確かにしぶといな」

「な、なによ」

高ノ宮が歩美をじっと見る。


「いい面構えをしてはいる。しかし、君が今回この状況から助かるとすれば、結局は岡ちゃんとかいう君より上の実力者だ。要は君は守られる側になる。そんな彼女と試合をして勝ったからといって、彼女よりそれは上になったといえるのか?」

「そ、それは」

勝が気絶して心が弱くなった彼女は、高ノ宮の言葉を耳に聞き入れてしまった。


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