結果論
「魔封石に、洗脳の魔法がかけてある……」
なんとか時間を稼いでいるうちに、秋大が解析に成功する。
魔封石は魔法使いの魔法を封じるもので、科学的に作られたものだが、魔封石自体は魔法を受け入れることができる。
よって、魔法によって壊れることもあり、魔法による影響を受けることはある。
「えっ。じゃあ岡田さんはレインの人に洗脳されてるってことじゃない?」
「そうなるな。しかもこの洗脳魔法はかなり高度だ。本人に洗脳されている意思がないという上に、必要なときだけ洗脳できるようにしてある。今は洗脳状態じゃないな」
秋大のパソコンにはよくわからない数字が多く浮かんでいる。
「……、つまりいつでも岡田はレインの洗脳による行動を起こしてもおかしくないということ……?」
「まぁそうなるね。どうやら岡田さんをあえて逃がしたかもしれない。岡田さんを洗脳して、俺たちを逃がさずに、控え室に入れる作戦みたいだ。岡田さんの行動で、俺たちに助けを求めた部分と、控え室に呼び込んだ部分だけ脳波がおかしいから」
「確かに、僕たちが控え室に来てから、見つかるまで明らかに早かったじゃない」
「……、隠れられる場所の提案をしたのも岡田だったものね……」
「たぶん圧倒的な攻撃力のある沙理とめいじを警戒してのことだろう。闇魔法使いの沙理と氷使いのめいじは前例も少ない。イレギュラーが起こる前に、なんとしてでも魔封石をつけるつもりだろうな」
「……、そ、そんな。私のせいで……」
真澄が狼狽する。自分が下手に逃げ切ったせいで、被害を大きくしてしまったからである。
「いや、岡田さんのせいじゃない。岡田さんが逃げ切ったのは岡田さんの実力だし、岡田さんが逃げてくれなかったら、俺たちはこうなる前に奇襲を受けた可能性がある。沙理がダラダラしてたから、早めにスタジアムを出るということもなかったしな」
「……ダラダラしてて悪かったわね……」
「秋ちゃん、そろそろ限界だよ。外にかなり人がいるみたいじゃない」
「秋大先輩どうするつもりです? 全員で打ってかかりますか?」
「そんな脳筋な考え方は読まれるよ。もう逃げ場がそこにしかない以上は、絶対に魔封石で防御してる。1個や2個なら力押しできるだろうが、さすがにすべてを対応はできないと思う」
「また脳筋って……、じゃあ何か案があるの?」
「めいじに協力してくれ。もう少し時間をくれればいい手がある」
「わかりました。明治先輩、ドアに私が攻撃しますね。高温火球!」
凍りついたドアに炎を思い切り当てる。もともと鉄製のドアは、凍りついた状態から、一気に熱されて変形してしまう。普通にドアを開けることもできなくなった。
「よし! 氷化じゃない!」
それをさらにもう1度凍りつかせて、強度をあげた。
「秋ちゃん、これでいい?」
「上出来! 何とかあと10分頼む!」




