魔封石について
「それで皆捕まっちゃって……。私も魔封石はつけられたけど何とか逃げて来たの」
真澄が腕を見せながら、説明する。
「レインが来たのか」
「秋ちゃんどうしようか? 魔封石を持ってるんじゃ僕たちに勝ち目がないじゃない」
「……魔封石があるということは、関係者に警察がいるわ。ちょっとやっかいね……」
魔封石は警察以外が持つことは絶対にない。本来勝手に持ち出すようなことがあれば絶対にわかるようになっているのだが、魔封石による魔法使いを襲う事件は結構多く見られた。
特に、組織的に魔封石を使われると、熟練の魔法使いでもかなり厳しい。
「俺たちの中には第2種魔法使いもいなしな」
魔封石は第2種魔法使いには通用しない。
第2種魔法使いは、術者自身ではなく、道具の魔法に魔法が使われているため、魔封石では封じることができない。
道具さえなくなれば、第2種魔法使いは脅威ではないので、第2種魔法使いに直接的に対応できる道具は作られていない。
作れないわけではないのだが、魔封石による犯罪の件数を考えると、またそういうものを作ることにリスクがあったため、製作しなかった。
「お願い、若ちゃんやみんなを助けたいの。なんとかできないかしら」
真澄が手を合わせてお願いする。
「魔封石か……、さすがに俺も見たことがない。対策してみるか」
秋大はパソコンを取り出す。海泉達のデータを含めて、いろいろなデータを入れているノートパソコンである。
「ちょっと腕を借りますよ」
真澄の腕についている魔封石を解析するために、真澄の腕に吸盤つきのコードをつけ、それをパソコンに接続して、打ち込みをはじめる。
『ここに人の気配があるぞ!』
「やばい、見つかったじゃない!」
「めいじ、時間を稼げるか!」
「任せてよ、氷化じゃない」
めいじが魔法を唱えると、入り口のドアが凍りつく。
ドアそのものが氷になってしまった。
『くそっ。あけられないぞ!』
『これで大丈夫だよ。ずっと継続し続けてれば、炎を受けても簡単には壊せないはずじゃない」
「明治先輩は魔法を唱えるときも、口癖があるんですね」
「ささいなことじゃない」
魔封石は魔法使いの魔法の発動を封じ、攻撃を無効化するが、実際に魔法によって起こった事象は無効にできない。
ドアが凍りついたのは魔法によるものだが、凍りついたドアはすでに凍ったものなので、無効化されないのである。
「よし、しばらく頼んだぞ」
そのまま、パソコンに向かったまま作業を続けていた。




