異変
『インタビューをお願いします!』
『勝てた要因を一言!』
『今度独占インタビューを』
「はいはい、ちょっと休憩しますので、インタビューは後々に」
マスコミに捕まりそうになった沙理を連れて秋大は控え室に入る。
「おめでとう。でも大変そうじゃない」
控え室の鍵を閉じて、明治の横に沙理を座らせる。
「……はぁ、今日は疲れたからもう休みたいのに……」
「優勝しちゃったからね。しかも倒したメンバーも強かったし当然じゃない」
「去年4位でもめいじは結構インタビューもらってたしな」
「とりあえず今日はインタビューに答えないと帰れないんじゃない?」
「……優勝したことを今後悔しているわ……」
こういった大会で優勝した場合本来はもっと喜ぶものであるが、彼女がほしいのは名誉よりも400万である。井上を倒したこともあり、優勝したこと自体はそこまで愛着はないのである。
「まぁこのインタビューに答えたり、テレビに出たりすればまた収入が増えるし、1ヶ月くらい我慢すれば、楽になる。東魔法学校の名誉の問題もあるし、きちんと答えてくれ」
「……秋大がそこまでいうなら。その間きちんとフォローしてね……」
「了解。ちょっと休憩したら話を聞いてこよう」
『いや~、楽しかったね』
『見ごたえがあった。帰ったらまた見直さなくてはいけないね』
スタジアムにいる観客が帰り支度を始める。
「私も帰ろっと、来年がんばらなくちゃ」
聡美も帰宅しようと席を立つ。
ずっと試合の余韻に浸っていたため、ほかの人よりも席を立つのが明らかに遅れた。
『あれ? 入り口のドアが開かない?』
『どうしたんだろう。この後用事があるのに』
『係の人に頼んでよ!』
そのころ入り口では、ドアがどうしても開かず、騒動になっていた。
「あれ? 混んでるわ。待つの面倒くさいな~。先輩たちの控え室にいって話をしてこよっと」
聡美は後ろのほうにいたため、ただ混雑しているだけだと思い、入り口で待たず、沙理達の方に向かっていった。
「失礼します~。ちょっとどいてください!」
聡美は群がるマスコミを力ずくで押しのけて、鍵も無理やり開けて控え室に入る。
「何やってるの!? 鍵かかってたじゃない」
「開いたからいいのよ」
「出番なかったからイライラしてるんじゃないの?」
「誰が出番なかったのよ。それはどこから見た話よ」
「……久々に脳筋感を見せる挙動をしたわね……」
「会長に言われたのは初めてですけどね」
「鍵が開いちゃった以上は行くしかないね。あきらめてインタビューされてこようか」
「……分かったわ。行きましょう」
そういって沙理は立ち上がりインタビューに答えるため、部屋の外に出ようとした。




