決勝戦組み合わせ決定
『さて判定に入りますが宍戸さん。お互いのらしさが出た試合でしたね』
『序盤は山本選手がスピードで翻弄し、豊本選手が一技で逆転。そこで最後はお互いに奇襲。見ごたえ抜群でした』
『最後の豊本選手の技は何でしたか? 技が画面に出てません』
『あれは技ではなくフィールド魔法の、氷罠です。一定の場所に自動的に魔法を発動させることができます。一見フィールドを展開していないように見えることと、一切の動作なしで技を使える二重トラップです』
『なるほど、それでは豊本選手は自分が技を使えない可能性を読んでいたと?』
『そこまでは分かりませんが、対戦経験があったことを考えると、今回のような展開は想定はしてたのでは? 彼の戦績を見る限り長い戦いを苦手にしていたようですから、何かしらのかくし球を控えていることを考えて、氷罠を仕掛けたのでしょう』
『判定までいきましたがどうなるでしょう』
『ちょっと分かりかねますね』
『判定出ますよ』
『ジャッジ片岡、2-1……赤、山本望』
『片岡副審は山本選手を優勢としました!』
『ジャッジ、村田、2-1……青、豊本明治』
『村田主審は豊本選手です! 票が割れました!』
『ジャッジ原……』
『原主審の判定にすべてが懸かります!』
『2-1……』
『差がついた! どっちだ!』
『赤、山本望選手』
『山本選手です! 判定の結果2-1で山本選手が決勝進出を決めました! 決勝戦は兼田選手と山本選手のダークホース対決となりました!』
「あー、負けちゃったじゃない」
「お疲れ様、おしかったな」
判定が終わって控え室に戻ってきた明治を秋大が出迎える。
沙理をひざの上で休ませたままなので座ったままである。
「……私の相手は山本とか言う人になったのね。めいじとも本気で戦ってみたかったけど……」
明治が入ってきた音で沙理が目を覚まして起き上がる。
「うーん、なんというか1回戦でやっぱり消耗しすぎたかな? あの目潰しは読んでたんだけど一瞬対処が遅れてダウンをもらっちゃったじゃない」
「正直ダウンの仕方の差が結構影響したな。あっちはクリティカルヒットで、こっちは不意をついてひざをつかせただけったから。本当なら3-0でもおかしくなかった」
「これで僕の学生の間での大会は終わり。後はさーちゃんお願いするよ。あっちも結構消耗してると思うからがんばってよ」
「……もちろんよ。めいじの分もがんばるわ」




