閑話休題 道具の名前
また投稿順番間違えました。
今回は閑話休題なので並び替えはしません。
すいません。
「海泉さん、生徒会活動お疲れ様じゃ」
「海泉さんも道具に名前ばつけてもらっつんだば?(海泉さんも道具に名前をつけてもらってるんですか?)」
生徒会室から仕事を終えて海泉が帰宅中、道具の手入れをしている麻美と紗枝が声をかけてきた、
道具にはそれぞれ名前がついている。大量生産品は初めからその道具に名前がついているが、オーダーメード品は第3種魔法使い、要は製作者に名前をつける権限がある。
なので、海泉、麻美、紗枝の道具の名前は秋大が名前をつけることになる。
「私の道具ですか? 水操之輪という名前をつけていただいております。お二人は?」
「ウチは地打槍じゃの」
「わぁのは空弓ばいただきました(私のは空弓をいただきました。)」
「ちなみにこれは関係ない話ですが、道具に名前をつけるという設定はだいぶ前からあったんですが、なかなか名前が思いつかず、かなり遅いタイミングになってしまいました」
「何を言っとるんか?」
「あまり気になさらないでください。なぜ今更道具の名前についてご質問を?」
「実はわぁたち2人とも全日本魔法道具機構から、道具の大量生産についての打診があって、とりあえず名前だけ伝えることになったんず(実は私たち2人とも全日本魔法道具機構から、道具の大量生産についての打診があって、とりあえず名前だけ伝えることになったんです)
全日本魔法道具機構とは第2種魔法使い用の大量生産品を作っている組織である。ここに名前を登録して、大量生産品は作られる。
つまり、ここに名前を登録されていない道具はオーダーメイド品か基準を満たさない道具のどちらかということになる。
通常オーダーメイド品はその人専用に作るため、1人のみしか使用できないので関係ない。
しかし、研究に研究を重ねて作られる大量生産品を、1個人や1グループがつくるオーダーメイド品を大会で上回ることがあり、その際にその道具が大量生産可能と判断されれば打診されることがある。
大量生産品に認定されれば、契約金も非常に多くなるし、オーダーメイド品の注文も多くなる。基本的にはメリットの大きいことである。
「今年もですか……。私も昨年受けております」
「海泉さんもか! それでどうされたんか?」
「もちろんお断りしております」
「どうしてだば? すばらしいことではねだば?(どうしてですか? すばらしいことではないですか?)」
大量生産品はかなり厳しい審査を通すため、そもそも第3種魔法使いの中でも限られた人数しか製作できない。
オーダーメイド品は当人にさえあっていればいいので、必要最低限の基準さえ満たせば基準が甘く誰でも作れる。
しかし、クォリティは普通は落ちる上に、1人しか作れないのでそればかり作ってもあまり儲からない。
1人にしか基準を満たさないオーダーメイド品は、また改めて大量生産品に作り変えるのはものすごく手間のかかることである。
それを差し引いても大量生産品にしたいということは、クォリティの高さを認められたということである。
断る理由が特にあるとは思えなかった。
「秋大様は自分でこだわりの道具を作るのがお好きなのです。下手に目立つと秋大様の道具作りのお邪魔をしてしまってはいけないのでお断りしました」
海泉はポーカーフェイス(まじめ顔)で答えた。
「そりゃぁ秋大さんがゆわれたんか?」
「いえ、何もいわれておりません。私は勝手に断っただけでございます」
「なるほど、じゃあわぁも断ることにします(なるほど、じゃあ私も断ることにします)」
秋大の道具作りのやり方は2人ともよく知っていた。そのため、邪魔をしたくなかったのである。
「それがよろしいと思います。心配でしたら聞いてみるとよろしいですよ」
もちろんその後質問を秋大にすることは無かった。




