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魔法の才能  作者: 35
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聡美VS明治 ラウンド1

ギリギリ間に合った! 1日3つ目!

『選手名コールは、リングアナウンサーが将来の夢という、私の兄を呼んできました! お願いします!』

なんという都合のよい人選なのか。

「赤コーナー、154センチ、41キロ、3-A所属、第109代生徒会長。第1種魔法使い氷属性Bランク、豊本明治選手!」

『見た目に反した高い攻撃力を持つ氷使い。現会長以外に敗北なし! 学校での戦績は36勝1敗! あと軽くてうらやましい!』

「最期やっかみじゃないか」 

可愛らしい見た目は男女問わず人気が高く、フィールドに上がると歓声があがる。


「青コーナー、163センチ、××キロ、スリーサイズは上から、93、61、88、1-A所属、第1種魔法使い火属性Bランク、飯田聡美選手!」

『突如現れた大物ルーキー、明治さんを倒して、新たな時代を作り上げるのか! ところで、何で彼女はスリーサイズが公開されたんです?』

「飯田さんと、打ち合わせをしてるときに、最初の選手紹介で体重がばれるのがやだから何か別の数字を公開してくれと頼まれたんです」

『ちなみに何を公開するかは相談したんですかです』

「いや、体重以外なら何でもいいって言われたので」

『さすがどSメガネですね』

「毒舌はどこいったねん」

入場してきた聡美はもちろん顔が真っ赤である。さすが火属性だ。多分そういうことではないが。

『既に顔から火が出て気合い十分ですね』 

だからそういうことではない。

『さぁ、どメガさん』

「どメガ言うな。どSメガネを略して言うな。で、何でしょう」

『久々の超好カードで、ギャラリーも満席です。どちらが勝ちますかね』

「正直、どちらも負ける姿が予想つきません。完全に五分五分でしょう」

『なるほど、決着は一瞬なのか、それとも長期戦なのか! その瞬間を見逃すな! 試合開始です!』

「ラウンド1、ファイト!」


試合開始と同時に、どちらもフィールドを展開する。

明治のフィールドは一面氷付けに、聡美のフィールドは灼熱地帯になる。

『まずはお互いフィールドを展開しました。静かな立ち上がりです』

魔法は回りの環境で、威力や耐久性が変わる。第1種魔法使いは、基本的に自分の魔法を強くするフィールド魔法を何かしら覚えているものである。

『主審の先生熱そうで寒そうですね。ちなみに本日の主審は、2-B担任の松田雅人先生。副審は、明治さんサイドに選挙管理委員会会長、志村由美さん。聡美さんサイドに同会副会長の西本克己さんがついております。志村さん寒そう~。西本さん熱そう~』

「めいじのあの技を止められるとは……。やはり並みの1年生じゃありませんね」

『というと?』 

「めいじはフィールド魔法を2つ持ってます。1つは普通のですが、今回のは瞬間冷却(カチカッチン)です。相手のフィールドまで進行して、相手の動きを鈍らせます。対策がないと、自身も凍りついて瞬殺されます」

『聡美さんの技は灼熱地帯(ホットフィールド)ですね。威力はさすがですね』

「お互いにうまくフィールドを作ったので、距離をとる形になりました」

『フィールドは縦100メートル、横200メートルと広いですし、相手の懐に飛び込む接近戦は無さそうですね』

「ですが、めいじは遠距離も得意ですよ。それは飯田さんも知っているでしょう」

『明治さんが氷の(アイスアロー)、聡美さんが火球(ファイアーボール)で、牽制しあってますね。いわゆるジャブ的な技です』

「めいじの氷の矢の方が威力がありますね。しかし、火球をうまく扱っています。意外と飯田さんはテクニックもあるようです」

『地味に対処できなかった分はちゃんと回避してますね。技を撃ちながら動けるのは1年生とは思えません』

「こういう時に背が低いめいじは回避面で有利ですよ」

『かなり激しい技の撃ち合いが続きます。お互いに違う技は使いません。威力や軌道を変えるのみです』

「2人ともレベルが高すぎるんです。迂闊に違う技にできないんでしょう」

『そうですね、両方ともかなり早い技を使ってますから、下手に遅い技にすると隙を作ることになりますから。ここまでを見てどメさんいかがですか?』

「真面目な話してたのに、急にぶっこんできましたね。もうどSメガネ原型ないですよ……。まぁいいです。このラウンドなら、ややめいじが優勢ですね」

『明治さんが優勢? 一見互角ですが何故です?』

「それは『やはりお二人はできてるんですか!? だから、明治さんを贔屓しているので?』

「何を言うてるんですか」

『前々から噂になってますよ』

「噂って……。どうせ一部の女子だけでしょう」

『1年生は一部の女子だけですね』

「1年生?」

『2年生以上はほぼ全員がこの話信じてますよ』

「馬鹿ばっかりか!」

そこまでいくと噂というよりは真実である。それに入学から1ヶ月も経ってないのに1年生に早くも噂になっているのもおかしい。何か原因がある。

『当の明治さんが否定してませんから』

原因判明。

「めいじには後で話すとしよう。いくら試合が膠着しているとはいえ、雑談ばかりしてたら不味いですし。試合についてですが、飯田さんの方が色々有利な条件が多いから、互角であるということはめいじの方が優勢と言えるんです」

『というと?』

「氷属性の技は火属性にかなり不利なんです。はじめのフィールド展開も本来なら飯田さんのフィールドの方が侵食が大きいはずです。また、先に飯田さんはめいじの情報をそこそこに得ているはずなので対策を立てられますが、めいじはほぼ情報がない状態で戦ってます」

『なるほど……。相性面でも情報面でも有利なんですから、互角であることは実は互角ではないということですか』

「それは、飯田さんも分かってるみたいです。迂闊に攻めないところを見ると油断してないみたいです」

『残り1分を切りました。何か動きがあるのでしょうか! あーっと!』

膠着状態にわずかに動きがあった。

『聡美さんの攻撃が当たりました! 有効は出ませんがわずかに怯みました!』

「ん? 飯田さんが何かしたようには見えなかったんですが」

『聡美さんがチャンスと見て攻めに行きます! 動熱変化(エネルギーシフト)を使用しました! 周りの熱量を力に変化させます。フィールドの防御効果がダウンしますが、攻撃力が上がります。そこからの火球です! 先ほどまでより大きく、数も多い! 明治さんはどうするのか!』

「あれでは遠くからかわせないです。接近しかありません」

『その通りです! そして明治さんは灼熱地帯に飛び込みました! これは自殺行為では?』

「いえ、よく見てください」

『あっと、燃え盛る炎の上に細い透明の氷の道ができています! 透明で聡美さんが気づけていません』

「そしてめいじの足元に氷柱がついています。それで一気に飯田さんの前まで行くつもりでしょう」

『あの氷は何故灼熱地帯で溶けないんです? いくら動熱変化で火力が落ちているとはいえ』

空間把握(ブリザーブドディメンション)です。一定期間空間の状態を維持できる技です。もちろんフィールドの防御が落ちているのもあるでしょう……、まさかこれを見越してあえて隙を作った?」

『明治さんが足場を利用して聡美さんに接近します! 聡美さんが気づきましたが間に合いません!』

明治は接近した勢いそのままで、片足でスケートしてもう片方の足で聡美に攻撃する。

防御が落ちている上に近距離の物理技である為、聡美は受けきれなかった。

『ダウンです! 志村副審が有効を宣言しました!』

カーン。

『ここで第1ラウンド終了です。終了目前に試合が動きました!』






切りどころがわからなくていつもより長くなった……。

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